通勤や通学で利用する人も多い「Suica(スイカ)」などの交通系ICカードだが、異変が起きている。熊本県内の一部のバスや鉄道では、年内にも運賃決済での取り扱いをやめるという。交通系IC導入後に離脱するのは全国初の事例とみられる。一体、なぜなのか。他地域に広がりうるか。(曽田晋太郎)
マサチューセッツ大学アマースト校の研究チームが、2023年5月に査読付き学術雑誌・Advanced Materialsに掲載された論文で、空気中にある水の分子の電荷から電力を得ることができる技術を発表しました。 Generic Air‐Gen Effect in Nanoporous Materials for Sustainable Energy Harvesting from Air Humidity - Liu - Advanced Materials - Wiley Online Library https://doi.org/10.1002/adma.202300748 Engineers at UMass Amherst Harvest Abundant Clean Energy from Thin Air, 24/7 : UMass Amherst https://www.u
次世代燃料として水素が注目されるなか、船内で海水から水素を製造し、自動運航するという船を商船三井が開発中です。船の推進や、水素製造のための電力には風力エネルギーが活用されますが、風をとらえるために奇抜な姿の船になります。 風を全力で味方にする船「ウインドハンター」 商船三井が2022年11月、公式YouTubeチャンネルにて「ウインドハンタープロジェクト ~ 風力と水素を活用したゼロエミッション事業 ~」と題した動画を公開。現在開発している、特異な姿の船について概要を明らかにしました。 拡大画像 ウインドハンターのイメージ(商船三井の動画より)。 同社は10月、船首に「硬翼帆」と呼ばれる風力推進装置を取り付けた石炭輸送船「松風丸」の運航を開始しましたが、ウインドハンターは、最大高さ53mにもなるこの硬翼帆を、甲板に10基も取り付けているのです。 この船は水素生産船、商船三井は「動く水素生産
自動車の技術は日進月歩で進化を続けている。多くのクルマで採用される新技術がある一方、意外にもなかなか流行の兆しが見られない機能もある。速度メーターなどをフロントガラスに映し出す、ヘッドアップディスプレー(HUD)はその一例だ。 見た目には派手で大きな進化があっても、市場に受け入れられるかは別の話だ。技術的にどれだけ困難なことを成し遂げたとしても、ユーザーが望んでいる機能とズレていれば普及しないのも当然だ。特に運転席周りのインテリアは運転感覚を大きく左右することもあるため、“見た目ばかりの進化”にはユーザーがついてこないことも多い。 中でも記憶に残っているのは、BMWやマツダなどが導入したHUD。フロントガラスに現在の速度や、道路標識などを映し出すシステムだ。従来はハンドルの直下などに埋め込まれた各種メーターを見なければわからなかった情報が、ごくわずかな視線移動だけで完結できる。何より、見た
「インチキ」や「けしからんいたずら」から生まれた数々の功績 田中邦裕氏(以下、田中):(スライドを示して)これはGoogleのサーバーですよね。 登大遊氏(以下、登):はい。これはGoogle社が1998年にスタンフォード大学のサーバー部屋の余りスペースに置いて動かし始めたもので、それが左上の写真です。しばらくして、大規模ユーザーがついたんですけど、当時はサン・マイクロシステムズのサーバーをバッと並べるというのが、標準的なプロの方法だったんですよね。 だけど、彼らはお金がなかったので、インチキな486DXのマザーボートをバッと積んで、Linuxを動かしていたんですよね。サーバーを買うお金もたぶんなくて、それで、どれがダウンしても大丈夫なように、Linuxを動かしました。今でいうクラウドのソフトウェアを自分たちで書いたんですね。 Googleは、大量のユーザーのアクセスを超高速にさばく最初の
海水を淡水化する装置は珍しいものではありません。 しかし既存のシステムの多くは、電気などのエネルギーを大量消費します。 そこで、アラブ首長国連邦(UAE)を拠点とするスタートアップ企業「マンハット(Manhat)」は、電気を使わずに海水を淡水化できるデバイスを考案しました。 シンプルな構造ですが、太陽光による水の蒸発を利用して長期的に淡水化し続けることが可能であり、これを応用して海上農園をつくれるかもしれません。 そして最近マンハット社は、これらのアイデアにもとづいて、水関連の革新的なアプローチやソリューションを評価する「ウォーター・ヨーロッパ・イノベーション・アワード2022(Water Europe Innovation Awards 2022)」を受賞しました。 floating solar-powered desalination system to combat water sc
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 中国の浙江大学と米State University of New York at Buffaloによる研究チームが開発した「Wavesdropper: Through-wall Word Detection of Human Speech via Commercial mmWave Devices」は、ミリ波(mmWave)を用い、防音環境で守られている部屋内を外部から盗聴するシステムだ。被害者が発話した際の喉元付近の皮膚振動をミリ波で捉え、音声(単語)を復元する。 壁に防音材を配置すれば、音波の伝搬を利用した攻撃などからは守れるが、音源(例えば、人間の話者)からの直接漏えいを保証すること
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米フロリダ州立大学と米ラトガース大学の研究チームが開発した「ToothSonic: Earable Authentication via Acoustic Toothprint」は、ユーザーが歯のジェスチャーを行う際に発生する歯型による音波効果を利用したイヤフォンベースの認証システムだ。 人によって歯の大きさや並びは違い、そのため歯を互いに噛んだり滑らせたりした際の音は固有のものであり、その音を着用するイヤフォンで捉え解析することで個人認証を行うのがこのアプローチになる。 永久歯は通常32本で、16本が上顎、16本が下顎に生えている。歯は上下左右に対称であるため、4象限に分けることができる
インターネットの父、村井純氏 田中邦裕氏(以下、田中):よろしくお願いします。ここから60分間、登さんと村井先生という、濃いキャラを2人お迎えして、どのように進めていこうかと、悩ましいところですけれども、最大限お二人の魅力を引き出していきながら、けしからん話をしていければなと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。 では、最初に自己紹介を軽くしていただければなと思います。お二人のことはみなさんすでにご存じかと思いますが、村井先生から軽く自己紹介いただいてよろしいでしょうか。 村井純氏(以下、村井):慶応大学の村井です。今日はちょうど「WIDE(WIDEプロジェクト)」の合宿をやっていて、そこからここへ来たので、髭も剃っていないし(笑)、WIDEの合宿の時はガッと(予定を)ブロックしているので、けっこう久しぶりにいろいろな話がじっくりできる時だと思います。 今日はこのシャツを着てきまし
かつて動力船の登場で取って代わられた風力推進が見直されています。三菱商事が“帆”の現代版である「硬翼帆」を取り付けた船の運用を始めるほか、風力を活かしてCO2の削減につなげる取り組みが進んでいます。ただ、どれも巨大です。 三菱商事の貨物船に後付けされる「硬翼帆」とは 海上物流のGHG(温室効果ガス)削減に向け、三菱商事の貨物船に次世代型の「帆」を搭載することが決まりました。 拡大画像 三菱商事のバルカー「Pyxis Ocean」にウインド・ウイングスを搭載したイメージ(画像:ヤラ・マリン・テクノロジーズ)。 ノルウェーの肥料大手ヤラ・インターナショナル子会社のヤラ・マリン・テクノロジーズは2022年6月21日、両社が開発した翼帆型の風力推進装置「ウインド・ウイングス」を設置する初の船舶が、三菱商事の保有する8万重量トン型ばら積み船(バルカー)「Pyxis Ocean」になったと発表しました
米国の研究チームがバッタの脳を使って、「匂い」からがんを検出することに成功した。がんのスクリーニングやデバイスの開発に発展する可能性がある新研究だ。 by Jessica Hamzelou2022.06.24 51 17 改造した「バッタ」の脳を使って、人間のがんの兆候を発見する新研究が発表された。論文はまだ査読前だが、研究チームは、将来的に昆虫を使った呼気検査が、がんのスクリーニングや、同様の働きを持つ人工的なデバイスの開発に発展することを期待している。 この記事はマガジン「量子時代のコンピューティング」に収録されています。 マガジンの紹介 病気の人間の兆候を見つけるように動物を訓練するケースはこれまでにもあった。例えば犬は、飼い主の血糖値低下の兆候、がんや結核、さらには新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を患っているかどうかも訓練によって検出できるようになる。 いずれのケースで
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 シンガポールのSingapore University of Technology & Design(SUTD)、スイスのEPFLとETH Zurich、オーストリアのInstitute of Science and Technology Austria(ISTA)による研究チームが開発した「Computational Design of High-level Interlocking Puzzles」は、高度な3Dパズルを設計するためのボクセルベースの計算フレームワークだ。ユーザーはパズルの形状やピース数、難易度などを指定でき、独自の3Dパズルを設計できる。 組み立てるとバラバラにならな
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米Dolby LaboratoriesとスペインのUniversitat Pompeu Fabraの研究チームが開発した「Universal Speech Enhancement With Score-based Diffusion」は、収録した映像のバックグラウンドノイズ(背景雑音)を強力に除去する技術だ。動画撮影した雑音を消し去り、話す声だけをくっきり残すことができる。強力すぎるため、映像がアフレコを挿入したみたいな仕上がりになってしまう。 実世界で録音した音声には必然的に背景の雑音や残響が含まれ、不快感や明瞭度の妨げになるためノイズ除去が行われる。最近では深層学習の登場によりノイズ除
物理キーボード不要 机の上で「指だけタイピング」を実現する手首型デバイス「TapType」【研究紹介】 2022年6月13日 スイスのETH Zurichの研究チームが開発した「TapType: Ten-finger text entry on everyday surfaces via Bayesian inference」は、フルサイズの物理キーボードで文字を入力するのと同じように、机上などの硬い表面で物理キーボードなしにタイピングが行える手首型ウェアラブルデバイスだ。外出先の机上にスマートフォンを置き、その周囲の机上で従来のQWERTYキーボードレイアウトでタイピングが行える。 ▲(a)スマートフォンへのテキスト入力、(b)タブレット端末へのタイピング、(c)モバイルシナリオでの音声フィードバックとの併用、(d)触覚フィードバックによるタイピングを補完するためのVR環境での応用 ke
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 英Aston Universityの研究チームが開発した「Fully-Autonomous, Vision-based Traffic Signal Control: from Simulation to Reality」は、交差点にあるライブカメラの映像で交通状況を監視し、深層学習モデルで適切な信号操作をリアルタイムに行う、ビジョンベースの完全自律型信号制御システムだ。 悪天候や昼夜問わず正確な認識を行い、また公共交通機関や緊急車両などを検出し優先アクセスを提供できることを示した。2022年から実際の道路でシステムをテストしたいという。 現在の信号制御システムは、固定時間枠で動作するもの
生きた皮膚の細胞を、ロボットの表面を覆う素材として応用することに成功したと東京大学が発表し、生体材料を組み合わせた「バイオハイブリッドロボット」と呼ばれる、未来のロボット技術として話題になっています。 ロボットに応用したのは、皮膚と同じように生きた細胞で作った「培養皮膚」で表面を覆う技術です。 東京大学の竹内昌治教授などの研究グループによりますと、2種類のヒトの皮膚の細胞を、指の形をしたロボットとともに、専用の機器の中で培養することで、厚さ1.5ミリほどの「培養皮膚」でロボットの表面を覆いました。 この「培養皮膚」は、水をはじくほか、関節部分を繰り返し動かしても破れにくいとしています。 また、傷ができても修復できる能力があり、破れた部分にコラーゲンのシートを貼って、培養液の中に7日間ほど入れておくと、細胞が増殖するなどして修復されることも確認できたということです。 「培養皮膚」は、培養液か
車のおもちゃで「手で勢いを付けると、手を離しても走り続ける」仕組みがありましたよね。あれです。 けっこう無駄になっていた電力を救済 JR中央本線で使われる211系電車(画像:写真AC)。 JR東日本は2022年6月7日(火)、鉄道車両のブレーキ時の余剰電力を貯めておくため、沿線蓄電システムに、「超電導フライホイール蓄電システム」を導入する実証実験を行うと発表しました。 電車のブレーキは、物理的に車輪を抑えてつけて止めるブレーキのほかに、車輪の回転力を発電機に伝えて電力に変える「回生ブレーキ」を一般的に備えています。 回生ブレーキによって生まれた電力は、架線を通して、近くの別の電車へ回されることが一般的ですが、近くに電車がいない場合は、その電力は無駄になってしまいます。そこで、その電力を貯めておく蓄電装置を沿線に設置するのが、今回の取り組みです。 さらに今回は、電気の貯め方として、バッテリー
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