ロシアのメドベージェフ大統領が北方領土・国後(くなしり)島を訪問するという確度の高い情報が菅直人首相や仙谷由人官房長官ら政府首脳に事前に伝えられなかったことが20日、分かった。政府関係者が明らかにした。今月1日の大統領による訪問直前の10月末、在モスクワの日本大使館から外務省欧州局に伝えられたが、菅首相らの耳には届かなかった。外務省から官邸に至る情報伝達ルートのどこかで握りつぶされた可能性がある。当時、菅首相と大統領はともにハノイに滞在。情報が伝われば日露首脳の直接交渉も可能だっただけに、日本側は訪問阻止の絶好機を逸したことになる。 日本固有の領土である北方領土への大統領の訪問計画は9月下旬に表面化した。北方領土問題への対応では強硬派で知られていた前原誠司外相は同29日にロシアのベールイ駐日大使を外務省に呼び、訪問取りやめを要請。大統領はロシア極東のカムチャツカ半島まで来たが、「天候の悪化