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ブックマーク / www.axis-cafe.net (13)

  • 一事不再議 - おおやにき

    周知のとおり衆議院における菅内閣不信任決議案がすでに否決されているところ、まあその後の展開もあって一事不再議はあくまで慣例に過ぎないので今会期中に再提出することあり得べしと石破茂・自民党政調会長が衆院予算委員会の審議で言い出したり(7/7)、提出されれば衆院が審議しないことは法的にあり得ないと西岡武夫・参院議長が発言したりしている(「西岡参院議長「不信任再提出は可能」」MSN産経ニュース)ようである。いやあの後者についてはあなた公務員給与の削減法案について衆院で可決されても参院では審議しないとか言ってなかったですか(「西岡参院議長、公務員給与削減法案「参院では委員会付託しない」」MSN産経ニュース)とかツッコみたいところもあるのだがまあそれはそれとして、しかしあんまりスジの良い議論ではないなあと思う。 つまり再提出が許されるという根拠は(石破氏・西岡氏それぞれが言及しているものが異なるのだ

  • 分限と懲戒 - おおやにき

    前原外務大臣が辞任したそうである。長年の支持者であった在日韓国人の焼肉店経営者から献金を受け取っていたのが政治資金規正法に違反するということだが、そのような人間関係を背景に・5年間で合計20万円という程度の金額をもらったことが辞任に値するような悪いことか、と聞かれれば戸惑わないではない。前原氏自身も「献金によって外相の職務に影響を受けたことはない」(asahi.com)と述べたようだが、確かに国会議員が動く規模の金額ではないだろうし、そもそも言われているような関係があればお金など渡さなくても前原氏が動くことはあったかもしれない。そして、そのような人間関係を介した影響力を禁止する法律はないし、禁止することもできないだろう。大臣が自らの出処進退について判断したことなのでこのような表現がそのままあてはまるわけではないのだが、しかし懲戒免職に相当するような「悪い」振る舞いであったかは確かに疑問で、

  • 増刷 - おおやにき

    中野剛志(編)『成長なき時代の「国家」を構想する:経済政策のオルタナティブ・ヴィジョン』(ナカニシヤ出版、2010)がもう増刷になったそうです。おや。このには私の原稿(大屋雄裕「配慮の範囲としての国民」)が収録されているのと、巻末の座談会(「第III部 討議 『経済政策のオルタナティブ・ヴィジョン』をめぐって」出席者:中野剛志・松永和夫・松永明・大屋雄裕・萱野稔人・柴山桂太・谷口功一)にも出ているので、当は12月の記事で書くべき話だったのですが多少補足しておきます。 これがどういうかというのは冒頭にも解題があるのですが、まず典型的にはGDP増加率で測定されるような経済成長の実現のみを経済政策の目標にすることは適切なのかという問題意識が編者である中野剛志さんなどにあり、まああまり適切ではないだろうという見通しがあったわけですが、それは特に日の場合は将来の人口減少が予測されているなかで

    odd991
    odd991 2011/02/12
  • ステキ地方債(3・完) - おおやにき

    さて第二のコンフリクト対象は、将来世代である。地方自治体からの給付を受けるのは現行世代だが、その財源を地方債増発によってまかなう場合、その負担は将来世代に繰り越されることになる(財政が破綻しない場合はその自治体の将来世代、する場合は国家全体の将来世代ということになろう)。住民税引き下げの恩恵を受けるのもまた現行世代である。従って、住民税を下げ・給付水準を維持ないし引き上げ・財源を地方債でまかなうという選択肢は、将来世代から現行世代に対して所得移転を行うことを意味しているだろう(再度念のために書くが、住民税を下げ・給付水準を引き下げ・地方債は追加発行しないという選択肢もありえ、この場合は現行・将来の世代間に関する限り中立ということになろう)。 そして問題は、当然のことではあるが、現在の政治家の支持基盤となり、あるいは次回選挙における有権者として政治家の当落を決定することができるのは現行世代に

  • ステキ地方債(2) - おおやにき

    閑話休題。従って、「市民税10%削減」という種の提言が財政支出の削減によらずに実現される場合(支出削減が、行政事務の効率化によるものであれ給付水準の引き下げによるものであれ、十分に実現するのであればそれは財源負担者との関係においては問題を生じさせないので、以下の議論は当てはまらない)、そのような政策がコンフリクトを起こすのは以下の二者に対してである。 第一に、「暗黙の保証人」である政府に対して。通常の民間事業者にたとえて言えば、債務者たる企業が勝手にその主力サービスを無償化したり価格の引き下げをやったとするならば、その企業に対する連帯保証人の観点からは債務不履行が発生する危険性が高くなるわけであるから、苦情を申し立てることになるだろう。逆にこの場合、仮に連帯保証人に十分な信用があるのであれば、貸し手の側からは別に差し支えないことになるだろう(連帯保証人から回収すればよい)。 この問題がある

  • ステキ地方債(1) - おおやにき

    そろそろ体育会は性犯罪を助長するので自粛とか言い出す人間が出てこないだろうか(挨拶)。いや根っからの文化系なのであまりシンパシーもないし、妄想と実際の行為のどちらをより厳しく規制すべきかという問題をきちんと考慮すべきだと思うわけだが。 さて、市民税10%削減というステキ市長の提言について、「貸している側から見れば税金は担保であるので、勝手に削減するような相手にもう金は貸さないのではないか」という指摘がコメント欄でなされた。しかし、もし私が貸し手なら貸し倒れが生じないという条件下において・利率が十分に高ければむしろ返済期間が延びることは私の利子収入を最終的には増大させるだろうから、むしろ望ましいと考える可能性は十分にあるだろう。この点、別の方が「結局返せるかどうかが問題」と指摘されている通りである。 すると問題は「貸し倒れリスクがないか」という点に還元されるわけであるが、実はこの点については

  • 選挙 - おおやにき

    もはや名古屋市民ではなくなったので半分はどうでもいいのですが名古屋市長選・愛知県知事選・市議会解散住民投票のトリプルがあり、要するに河村たかし大勝利ということでよいようです。 民主党の推薦候補に着目すると市長選では河村たかし候補66万票強に対して石田芳弘候補22万票弱と大差を付けられ(参照・MSN産経ニュース)、知事選では大村秀章候補の150万票強に対して民主党推薦の御園慎一郎候補は49万票弱と3位まで落ち込んだので(参照・MSN産経ニュース)、民主党の県連関係者が「信じられない。こんな厳しい負け方は、愛知民主史上、初めてだ」などとショックを受けたという話もあるわけですが(参照・Yomiuri Online)、自民党に注目しても市長選では石田候補に相乗りして惨敗、知事選では2位ではあるものの55万票弱にとどまっているわけで、勝ったという話ではない。「政党同士の戦いというより特異な名古屋で起

  • 暴力装置 - おおやにき

    いやいや何を言っているんだ自衛隊は国家の暴力装置に決まってるだろう(参照:「仙谷氏「自衛隊は暴力装置」 参院予算委で発言、撤回」(asahi.com))。国家が(ほぼ)独占的に保有する暴力こそがその強制力の保証だというのは政治学にせよ法哲学にせよ基中の基であり、その中心をなすのが「外向きの暴力」としての軍隊と「内向きの暴力」としての警察である。で、日では主として歴史的経緯によりこの両者が相当明確に区別され、かつ現実的にもあまり仲が良かったり悪かったりという話があるわけだが(戦前ならゴーストップ事件が典型ね)、フランスやイタリアにある国家憲兵隊制度や、発展途上国に多い警察軍制度に示されているように暴力としての質に違いがあるわけではなく向きを変えれば同じものであると、そう整理されることになる。 その上で、まあ法哲学的にはゆえに国家は質的に悪であるとする立場と、しかしこの暴力抜きには社

  • 無罪判決について - おおやにき

    なんか郵便法不正事件で厚生労働省の村木元局長に無罪判決が出たそうである。まあまたこれで検察権力の横暴がうんぬんとか国策捜査がかんぬんとか言い出す人が出るだろうと思うのだがいやでも無罪になったんだから刑事裁判制度全体としては健全なんじゃねえ? まずもって同被告が当に無実なのかどうかとかもちろん神ならぬ私にはわからないが、まあそうだったとして、それが起訴されてしまったということは検察の捜査過程に問題があったはずだということにはなろうし、まあ報道を見る限り実際にあったんじゃねえかとは思うがまあこの分野には素人同然の人間が言うことなのであまりあてにはならない。まああったとして、しかしその問題は一審の法廷で露呈し、無罪判決に結びついたわけである。最終的に冤罪を発生させることはなかったわけで、検察自体に問題があったとしても刑事裁判は失敗しなかった。この事例から「検察も完璧ではない」と言うことはできる

  • ウイルス作成罪とそのおまけ - おおやにき

    「【日の議論】ウイルス作成罪成立に向けて 相次ぐサイバー犯罪が背景」(MSN産経ニュース)という話題に関係して、また変な議論が多少出てきているようなので、二点。まあいつものような話なんだけどな。 一つめは「法務省によると、ウイルス作成罪では、コンピューターウイルスの作成や提供、供用に対し、3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金を科すことにしている。取得と保管には2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金といった罰則も定める予定だ。」という話。いつものようにうっかりダウンロードしてコンピュータに入っていたら犯罪になるのかという疑問を出している人がいるようだが、刑法の一般原則として「過失犯も罰する」旨の規定がない限り、処罰対象は故意犯に限られるというものがあるので(刑法38条1項)、そうはならない。また、故意があったことを証明するのも検察側の責任であって、なかったことを疑われた方で証明する必

  • 人権の衝突 - おおやにき

    なにやら沖縄返還の際に密約は存在したと外務省の元局長の人が証言したそうで(「沖縄密約「文書に署名した」 元外務省局長、法廷で証言」asahi.com)、テレビが西山太吉氏をえらいことフィーチャーしていたのだが密約の有無にかかわらず西山氏は「当初から秘密文書を入手するための手段として利用する意図で女性の公務員と肉体関係を持」つというジャーナリズム倫理上最低最悪に近いことをした人物であって(最高裁判決)、いや「密約が存在したんじゃないか」という当時の判断とか「こいつを落とせば情報が手に入るんじゃないか」という嗅覚については正しかったものとして評価することができるだろうけれども表に出して表現の自由だの語らせていい人間じゃねえだろう。もうみんな忘れたと思ってんのかな。それとも人もマスコミの人も気で覚えてないんだったりして。 話は変わるが、前にも書いたビラまき裁判については、最高裁でも控訴審判決

  • 淘汰 - おおやにき

    なんか家を出たら近所の工事現場が池みたいになってるんだけど大丈夫なのかあれは(挨拶)。まあ調整池の埋め込み工事なので必要性がよくわかりましたという意味では良かったのかもしれないけど。 さて民主党の小沢幹事長が「キリスト教もイスラム教も排他的だ」という趣旨の発言をしたという件(「「キリスト教は排他的」民主・小沢氏、仏教会会長に」Yomiuri Online)。いやもうあかんやろ完全に。 森喜朗・元総理の「神の国」発言というのも思い起こされるわけであるが、あれは第一に「日の国、まさに天皇を中心としている神の国であるぞ」とは言っているが別にアウグスティヌス的な「神の国」De Civitate Deiではないと言っているわけではないので、キリスト教関係者に招かれたら「日はキリスト教における神の国も目指します」と言って言えないことはない。もちろんそれで言われた側が納得するかと聞かれれば難しいので

  • 青少年ネット規制法案 - おおやにき

    というわけでいずこからか法案が送られてきたので検討してみたよ(挨拶)。この忙しいのに何でこんなことに orz と思わなくもないが、まあ心配している人多そうなので。とりあえずみんなが不安に思いそうなところは検討できたかと思うけど、必要があればこのエントリに加筆していきます。ので、特定時点での私の見解を確定させたい人はお手数ですが魚拓でも取ってください。削除の必要があれば見え消しでやります。 以下まず注意点。 私がもらった法案が物かどうか、私は知りません(偽物だという証拠もないが)。よそでやはり検討を加えている人と同じものを見ているのかどうかも、私にはわかりません。法案を見て気になっている人は、私が検討対象にしているものが自分の見ているものと同じかどうか確認しながら読むことを勧めます。 主として法技術上の論点に絞って検討します。また以下自民党案(とされているもの、以下略)を中心的に検討し、民

    odd991
    odd991 2008/04/06
    フライングゲットしたブツを見て騒いでいる人はタイミングをはずしてないか。息切れしそうな予感
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