地震から2度目の朝を迎えた15日。沿岸部にある磯部地区の墓地は多くの墓石が倒れていた。地区では10年前の震災で住民の1割、市全体の半数以上に当たる約250人が犠牲になった。朝から雨が降る中、墓石を元に戻そうと遺族や業者が次々と訪れていた。 「また前と同じなんだな」。同市の寺島八美さん(79)、ユフ子さん(72)夫妻は先祖や長男家族4人が入った墓を前につぶやいた。墓石には10年前に倒れた時の傷が残る。今回の揺れで孫の萌々香(ももか)さん=当時(7)=らの名前が刻まれた石が倒れ、業者に復旧を頼んだ。 10年前、漁船にいた八美さんは大けがをしたため、ユフ子さんは1カ月かけて1人で家族を捜した。震災後に引っ越した市中心部の自宅は13日夜の地震で家具が散乱。夜が明けて真っ先に八美さんとともに墓地に来て墓石を確かめた。ユフ子さんは「まさか10年で余震がくるとは。前の6人家族に戻りたいね」と願った。
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