計画から70年以上が経過、事業着手からほぼ半世紀になる一関遊水地の用地(中央部)=岩手県一関市、平泉町(国交省岩手河川国道事務所提供) 岩手県の一関市と平泉町で計画から70年以上が経過し、着手からほぼ半世紀という公共事業がある。一関市を中心に死亡・行方不明者が約600人に達した昭和22年のカスリン台風と23年のアイオン台風の大洪水を教訓に計画された「一関遊水地事業」だ。24年に1次計画が策定され、47年に事業着手した。総事業費は2700億円に上る。 北上川沿いに3つ 一関遊水地事業は両台風で氾濫した北上川沿いに3つの遊水地を設ける。広さは計1450ヘクタール(第1遊水地820ヘクタール、第2遊水地470ヘクタール、第3遊水地160ヘクタール)に及ぶ。 各遊水地の川沿いに10年に一度の洪水に対応できる標高23・5~25・5メートルの小堤を整備する。総延長は17・9キロになる。さらに陸地側の外