「変化に対応できない企業は淘汰(とうた)される」 「悠長に構えている余裕はない」 3月15日、包括的な協業に向けた覚書の締結を記者会見で発表したホンダと日産自動車。華やかなタイトルからはかけ離れた両社長のことばは、強い危機感を示していた。長年のライバル2社がなぜ急接近したのか?そして両社の思惑は? (経済部記者 野口佑輔 小尾洋貴) 3月15日午後、都内の記者会見場。 壇上のホンダ・三部敏宏社長と日産・内田誠社長は最後まで握手を交わさなかった。 「自動車の電動化・知能化時代に向けた戦略的パートナーシップの検討を開始」 長年のライバルが協業を検討するというビッグニュースにもかかわらず、2人の表情に華やかさはなかった。