アップルを離れたカリスマ 「私たちは次の10年間のコンピューティング・ニーズをとらえたパソコンを開発した」 ステージにひとりスポットライトを浴びて立つタキシード姿のその男がこう言い放つと、2,500人を数えた聴衆から大きなどよめきの声が上がった。 その男の名は、スティーブ・ジョブズ。米アップルコンピュータ社の創業メンバーで、世界中に根強いファンを持つ「Macintosh」を生み出し、さらに最近では携帯音楽プレイヤー「iPod」でデジタル家電市場に新風を巻き起こすなど、常に時代の先端を走って革新的な商品を世の中に送り出してきたパソコン界のカリスマのひとりである。ここで紹介する写真は、そんなジョブズ氏が1980年代半ばからおよそ10年間、アップルを離れていた時期に推し進めていた一大プロジェクトの、日本でのキックオフ・イベントのひとコマである。 時は1989年7月10日。東京ディズニーランドに隣