2.コモナド 今回の記事はコモナド(余モンドとも言われる)だ。モナドはあちらこちらで出会うことが多いが、コモナドについての説明はそれほど多くない。今回の記事でも示すが、実はコモナドの概念はとても面白く、現実の世界の中でこれはコモナドではと思うことが多々ある。同窓会などで、久しぶりにかつてのクラスメイトに会って、昔話に話を咲かせているときに、思い出が違っていることにビックリすることが往々にしてある。事実は変わらないはずなのだが、年月がたつにつれてそれぞれの記憶が変容し、異なってしまったのだろう。これなどコモナドのよい例だと思うのだが、正しいかどうかは記事を読んでから確認して欲しい。 2.1 コモナドの定義 コモナドとモナドは双対概念だ。コモナドは、モナドを定義したときの射の矢印の方向を反対にするだけなのだが、その概念から受け取る感覚は、随分と異なるものになる。圏論でのモナドは哲学からの借用語