イスラム教のモスクへの変更が発表された世界遺産アヤソフィア──。そのアヤソフィアで、かつて歌われていたギリシャ正教の聖歌の音の再現を試みている研究者たちがいる。 最新の科学技術を駆使して再現された聖歌は、残響によって人々の中に神の存在を呼び起こすものだという。 米紙「ニューヨーク・タイムズ」がさまざまな音源とともに紹介している。 “モスク化”された世界遺産 大理石の床は幾何学模様が施されたターコイズ色のじゅうたんに覆われ、聖母子のモザイク画は垂れ下がる白い布で隠されていた。十字架などのキリスト教の象徴は、組み上げられた足場の影になり、見えなくなっている──。 世界中で放送された7月24日の金曜礼拝の映像は、アヤソフィアのはっきりとした変化をとらえていた。アヤソフィアはトルコのイスタンブールにあるビザンチン帝国(東ローマ帝国、395〜1453年)時代の大聖堂で、オスマン帝国の支配下ではモスク