発生から10年となる東日本大震災と原発事故。 当時の政府の対応には、さまざまな課題が指摘され、国の危機管理のあり方が問われた出来事としても記憶に刻まれている。 あの時、危機管理の要、総理大臣官邸に足りなかったものは何か。そして教訓は。 当時の官邸幹部が今備えるべきこととして挙げたのは「東京機能不全」を想定した、都市機能の札幌や沖縄への移転だった。 (佐久間慶介、古垣弘人) 「腹を据えるしかない」 「コミュニティの再生など、まだ残された課題は多い。とりわけ福島の復興は、これからいよいよ本格化だと思っている」 こう語るのは、立憲民主党の代表、枝野幸男。 東日本大震災の発生当時は、総理大臣官邸で危機管理の責任者である官房長官を務めていた。 震災発生から10年となるのを前にした2月下旬、事務所を訪ねインタビューした。 2011年3月11日午後2時46分。 枝野は、国会答弁のため委員会室に座っていた