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エトヴォス 取締役COOの田岡敬氏が第一線で活躍するビジネスパーソンから、その人がキャリアを切り開いてきた背景やイノベーションを生み出してきた思考法を探る連載企画。第22回は吉野家 常務取締役の伊東正明氏が登場します。 伊東氏は新卒でP&Gジャパンに入社し、衣料用洗剤の「アリエール」や食器用洗剤の「ジョイ」、消臭剤の「ファブリーズ」などのブランドを手がけた後、グローバルで活躍。2018年1月に、吉野家へ転職。ライザップとのコラボメニュー「ライザップ牛サラダ」や「超特盛」のヒット施策を手がけるなど、マーケティングの改革を実行し、2019年発表の吉野家の中間決算を赤字から黒字に導くなど業績を向上させています。その裏側には、どのような思考法があるのか、田岡氏との対話を通じて伊東氏が明かします。 社長の話を聞いて「この会社ならいける」と思った 田岡 まずは、伊東さんがP&Gを辞めた後に、数多ある選
ある事件をきっかけに考えてみた つい先日、とある年長の書評家がTikTok上で書籍を紹介する「Book Toker(インフルエンサー)」のけんごさんを腐(くさ)す、というちょっとした事件がありました。その影響もあって、彼はTikTokの投稿を休むことを発表し、界隈がザワザワしました。一連の流れは飯田一史さんのこちらの記事が参考になるので、ご覧いただければ幸いです。 今回は事件そのものについては、取り上げません。その代わりに「なぜ年長者は若年者を腐すのか、あるいは活躍を妨げるのか」という、いわゆる「老害問題」について考えてみます。今回のTikTokの件を老害だと断言はできないかもしれませんが、私自身もけんごさんと同じように年長者から腐された経験が何度もあるからです。 私はアドテクノロジー領域のエンジニアからキャリアを始めましたが、SNSで発信をしていると、「デジタルマーケティングだけでマーケ
Facebook Japanは、マーケター向けオンラインセミナー「House of Instagram」を2021年9月15日にオンライン開催し、様々な視点からマーケティングにおけるInstagramの活用法を解説した。(第一回:Instagramではじめるブランド成長と顧客獲得を徹底解説、第二回:好きと欲しいをつくるキャンペーンの設計方法のレポートはこちら) Instagram中心の施策で前モデル比2倍の売上を達成した、パナソニックの「オーブントースタービストロ」。そこに至るまでのストーリーをパナソニックの富岡広通氏と曽我彩夏氏、Facebook Japanの伊坂英雄氏が紹介した。 企業にとって欠かせないメディアとなったInstagram 伊坂 パナソニックさんは今年新たに高級トースター市場に「オーブントースタービストロ」を投入されました。2月の発売以降、売上を旧モデルの2倍に伸ばすとい
2021年10月、東京都内でリテール領域のマーケティングをテーマにしたカンファレンス「リテールアジェンダ2021」が開催。ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)の足立光氏をスピーカーに迎え、スケダチ 代表の高広伯彦氏がモデレーターを務めたキーノート「ファミマのマーケティングの“今”」をレポートする最終回です。(前回までのレポートはこちら) 10月18日に発表した新プライベートブランド「ファミマル」など、ファミリーマートの新しい戦略には、組織としての強みづくりやマーケティングの再定義があったと言われます。足立氏は何をどのように考えてファミリーマートを牽引しているのか、そして今後何を目指しているのか、その思考を深堀りしました。 マーケターは本当に必要か? 高広 「マーケター」という職業は、今後も必要だと思いますか。 足立 正確に言うと、いま
【ファミマ 足立光・スケダチ 高広伯彦】 マーケターは、真の「マーケティング」のために、他部門への影響をあきらめてはいけない 2021年10月、東京都内でリテール領域のマーケティングをテーマにしたカンファレンス「リテールアジェンダ2021」が開催。ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)の足立光氏をスピーカーに迎え、スケダチ 代表の高広伯彦氏がモデレーターを務めたキーノート「ファミマのマーケティングの“今”」をレポートします。 10月18日に発表した新プライベートブランド「ファミマル」など、ファミリーマートの新しい戦略には、組織としての強みづくりやマーケティングの再定義があったと言われます。足立氏は何をどのように考えてファミリーマートを牽引しているのか、そして今後何を目指しているのか、その思考を深堀りしました。 マーケティングは商売そのも
この釈然としない気持ちは何だろう 先日、第5波が収束したので久しぶりに外食をしていると、いきなり「松本さんですよね…?」と声を掛けられました。以前にウェビナーを通じてお会いしたことがある方で、世間の狭さに驚きつつ「今日は会社や仕事の悪口言えないですね~」なんて軽口を叩きました。 実名でSNSを運用し、素顔を公開しているフォロワー数万人のインフルエンサーいわく、顔をさされる経験は1度や2度ではないそうです。インフルエンサーって、大変だなと思います。 一方で、そのインフルエンサーからは「松本健太郎というブランドを育くむためにSNS運用はちゃんとやったほうが良い」と何度も言われています。Aを持ち上げるとBの反発をくらう経験を何度もしている私からすると、名前が広く知られることのリスクのほうが大きいような気もします。おかげで、最近は飼っている犬の写真を投稿してばかりです。 もちろん、SNSのすごさは
元ネスレ高岡浩三氏、ファミマ足立光氏によるキーノート「イノベーションメソッドの根本に迫る」【マーケティングアジェンダ2021レポート外伝_第1回】 キラメックスでマーケティングを担当している福田保範です。今回、2021年10月27日から3泊4日で行われた、マーケティングアジェンダ2021に参加しました。キーノートとラウンドテーブルディスカッションがとても参考になる内容ばかりでしたので、いちマーケターとしての見解を入れつつ全4回に渡りレポートします。 キーノートは全部で3つあったのですが、あえて行われた順番とは逆に#3→#2→#1の順にまとめます。この順番でご覧いただくと、より今回のマーケティングアジェンダのキーノートの内容が理解しやすくなります。 第1回は、「キーノート #3 イノベーションメソッドの根本に迫る~人のキモチの読み取り方~」と題したセッションのレポートです。元ネスレ日本 代表
今年も行われた「24時間テレビ」の是非 真夏の風物詩と言える花火、海水浴、盆踊りがコロナ禍もあって軒並み中止や自主規制に追いやられる中、日本テレビ系列「24時間テレビ」が無観客ながら今年も開催され、私もついついソファで横になって見続けてしまいました。それもまた毎年の定番であり、我が家の風物詩です。 1978年に「愛は地球を救う」をキャッチフレーズとして誕生した番組に対して、賛否が分かれていることは、皆さんご存知のはずです。「寄付行為への賛同」「挑戦を応援したい」といった声がある一方で、「感動の押し売り」「単なる偽善」といった声も聞きます。 非常に興味深いのは、賛成派はチャリティー活動そのものを応援しているのに対して、反対派はチャリティー活動の「進め方」や「やり方」を批判している点です。すなわち、きちんと説明すれば反対派も宗旨替えして賛同してくれる可能性がある、ということです。 「24時間テ
減少した「#いまからでも五輪中止を」という投稿 NewsDigest「新型コロナウイルス 日本国内の最新感染状況マップ・感染者数」 新型コロナウイルスが感染拡大している最中、東京オリンピックを開催して良いのか。開催が結果的に感染拡大を後押ししているのではないか。感染拡大を防ぐために、徹底した対策ができていないのではないか。多くの国民が、何よりも選手が悩んだのではないかと感じます。 以前から「延期せよ」「中止せよ」という声が多数ありましたし、SNS上でも「#いまからでも五輪中止を」「#五輪やめて命まもれ」「#東京五輪の中止を求めます」「#もううんざりだよ東京五輪」というハッシュタグ付きの投稿が相次ぎました。 ただし、開会式を迎えた後、そうした投稿はグンと減りました。私の所属するJX通信社の調べによると「#いまからでも五輪中止を」と投稿したユニークユーザー数は以下のように推移していました。もっ
最近、ソーシャルメディアを上手く使った事例として、ひろゆき氏のYouTube動画の拡散方法が取り上げられることが多い。 先日のLINEリサーチの調査で、若者(15歳~24歳)が信頼するインフルエンサーとして、HIKAKIN氏に次いでひろゆき氏が2位にランクインしたことは、大きな話題にもなった。 Googleトレンドを参照すると、今年のはじめから検索数が大きく伸びていることがわかる。世の中の注目度が高まっているのだ。 ひろゆき氏といえば、20代後半以降の年代にとっては「2ちゃんねる創始者」として知っている人が多いのではないだろうか。そして、2ちゃんねると言えば、1990年代後半から2000年代の文化だと理解している人も多いだろう。そこで「今ひろゆき氏の動画が人気なんだよ」という話を聞けば、「どうして今?」と感じる人も多いのではないかと思う。 その人気の背景にあるのが、ひろゆき氏が定期的に配信
頭で論理的に考えて、心で直感的に考える 行動経済学を学ぶと、今まで当たり前だと思っていた「常識」が壊される経験に何度も遭遇します。その最たる例は、「人間は合理的な意思決定を下す」です。もちろん、合理的な判断をする側面もありますが、大半は「非合理的な意思決定を下す」のです。 記憶違いを起こしていたり、勝手に「こうに違いない」と思い込んだり、状況の把握や認識に捉え違いが起きたり、そうした様々な要因が絡まって、他人からは「非合理的」に見えても、本人からすれば「合理的」な意思決定を下すのです。 ある特定の条件下で、本人から見れば「得をする」、あるいは「損をしない」意思決定を下している、とも言えるでしょう。条件が変われば「得にならない」あるいは「損をしてしまう」のです。その条件を考えるのが、行動経済学という学問の一側面だと考えます。 人間の意思決定は、大半が客観的ではなく主観的です。先日も、いつもの
良い商品だけでは、LTVを最大化できない こんにちは。売れるネット広告社 代表取締役社長 CEO 加藤公一レオです。 本連載ではキレイゴトは一切語らず、ズバリ「どうやったらネットで商品を“売れる”か」に特化して、「ダイレクトマーケティングの最強の基礎」を皆さまに伝授していければと思う。 第14回となる今回のテーマは、「LTV最大化」。単品通販(D2C)は、ひとりのお客さまにより長く、より多く買ってもらうことで利益を出すビジネスモデルになる。だからこそ、LTVの向上は売上アップ・利益アップにダイレクトに関わってくる。 LTVを最大化するうえで、大前提となるのが“商品力”だ。商品の満足度が高ければ高いほどLTVが高くなるので、単品通販(D2C)会社はまず「良い商品をつくる」ことに注力すべきだ。 一方、「良い商品をつくる」だけで、LTV最大化が実現できるほど甘くはないので、“商品力”を前提に、さ
コミュニケーションの観点から考える新型コロナ対策 4月25日、政府は「変異ウイルスの拡大に最大限の警戒が必要」として、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に対して3回目の緊急事態宣言を発出しました。 東京で、どういった施設に対して「休業要請」が出されたかは「新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等」を読めば分かります。2回目の緊急事態宣言とは違い、3回目は「やや厳しめ」と言えるかもしれません。 一例を挙げると、床面積の合計が1000平方メートルを超える大型商業施設や、酒類かカラオケを提供する飲食店など、GWに想定していた「外出先」が多く含まれています。つまり外出の機会そのものを無くし、人流の抑制を最優先の目的としていると分かります。 一方で、内閣官房の「新型コロナウイルス感染症対策」ページで公開されているデータを見る限り、緊急事態宣言の発出によって人流が強く抑制されて
みなさん、1on1は好きですか?それとも苦手ですか? 現在、メンバーの育成や相互理解において、社内外問わず、1on1ミーティングは欠かせないものになっています。ただし、どんな1on1が良くて、どんな1on1だと悪いのか、明確な基準がなく、人それぞれの「秘伝のタレ」みたいなものがあるだけのケースが多いようです。 4月から新年度が始まり、マネージャーに昇格した人もいるでしょう。そんな時に前任のマネージャーが1on1をしていたため、なんとなく引き継いで、その後も惰性でやり続けてしまうこともあるかもしれません。 そこで今回は、私なりに考える「良い1on1と、ダメな1on1の違い」を考えていければと思います。まず次の図をご覧ください。ここでは組織内の「上司」と「メンバー」で意識するポイントを8つに分けました。一つひとつ考えていきます。 ① 何のための1on1をやっているのか? 最初にやることは
2021年、広告メディアに起きる大変化 新型コロナを収束できるか、それはいつか、オリンピックは開催されるか、など変動要素はあるものの、コロナ禍は将来なるべくしてなる状況を急速に早める方向に作用するだろう。広告・マーケティング支援産業でも、こうした前倒しが2021年から本格化すると思われる。まずは、広告メディアに起こる大きな変化に触れてから、5つの予測を紹介することにしよう。 印刷媒体の急速な衰退 新聞・雑誌の広告媒体としての市場は、予測より3年は早く減退するだろう。今年の雑誌広告市場の激減はさらに続き、新聞広告も発行部数の減少による効果の減退が数字にも表れるはずだ。 従来、甘かった部数カウントも厳しくなり、これまで頑張って維持してきたチラシ市場もかなり減少するだろう。新聞販売店の中には、Amazonなどのラストワンマイル(小規模物流拠点)として身売りするところも出てくるのではないかと思う。
従来、暗黙知とされていたマーケティングノウハウを形式知化した「森岡メソッド」を経営危機にあったUSJに導入し、わずか数年で再建したことで知られる森岡毅氏。テーマパークに限らず、あらゆる業種・業態のプロジェクトを成功させてきた背景には、森岡氏の「消費者理解なき消費者調査は無意味」という信念がありました。 なぜ森岡氏は、戦略家として強力な勝ち筋を見つけられるのか。そして、そのためにどのように人間の本質的な欲求を洞察し、消費者理解につなげているのか。森岡氏とP&G時代の同期であり、現在は吉野家常務取締役を務める伊東正明氏がナビゲーターを務め、その秘訣に迫った「マーケティングアジェンダ」(2020年10月沖縄開催)のキーノートレポートの後編をお届けします(前編は、こちら)。 徹底的に本能に迫る「狂人性」と、正しい手続きを踏む「冷静さ」 森岡 ここからは伊東さんとのディスカッションを通じて、「消費者
新型コロナウイルスの影響を大きく受けた広告業界は、2021年どのように変化していくのでしょうか。インターネット広告の黎明期から業界を牽引してきたデジタルインテリジェンス 取締役の横山隆治氏に展望を聞きました。 横山隆治 Ryuji Yokoyama デジタルインテリジェンス 取締役1982年、青山学院大学文学部英米文学科卒。同年、旭通信社入社。1996年、インターネット広告のメディアレップ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムを起案設立。同社代表取締役副社長に就任。2001年、同社を上場。インターネットの黎明期からネット広告の普及、理論化、体系化に取り組む。2008年、ADKインタラクティブを設立。同社代表取締役社長に就任。2010年9月、デジタルコンサルティングパートナーズを主宰。企業のマーケティングメディアをPOEに再整理するトリプルメディアの考え方を日本に紹介。主な著書に『CM
凄まじい効用を発揮したGoToトラベル 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、GoToトラベルキャンペーンは20年12月28日から21年1月11日まで、全国一斉で一時停止が決まりました。それに伴い、旅館やホテルで予約のキャンセルが相次いでいると報道されています。 そもそもGoToトラベルキャンペーンは、インバウンド需要に支えられてきた観光関連産業が受けた打撃から回復するために、需要喚起事業の一環として7月から始まりました。旅行代金の35%が割引かれ、さらに旅行先で飲食や買い物に使えるクーポン(旅行代金15%分)が発行されます。つまり「実質半額」なのです。 旅行者向け Go To トラベル事業公式サイト その効用は凄まじく、第一生命研究所はGoToトラベルキャンペーンの経済効果を0.69兆~1.37兆だと見積もりました(詳細は、コチラ)。また、観光庁の「旅行業者取扱額」を見ると、GoToトラベ
消費者理解とは、人間の本能と行動の相関を解き明かすこと さて、その「大自然の冒険テーマパーク」というコンセプトが当たるだろうという確信に至った仮説をいかに立てたのかが、今日のメイントピックです。 「消費者理解」とは何なのか。私は、「本能が支配する消費者の選択の構造を解き明かすこと」と考えています。要するに、人間の本能を理解することなんですね。 サルの時代から人間は変わっていないと思っています。人間は哺乳類とあまり変わらないとも思います。人間にも、個体が生存確率を高めるための行動が本能レベルでインプットされていて、大脳に依存せずに意思決定できる。生命維持に近い部分、脳の極めて原始的な部分で、仕組みに沿って処理される、それが本能です。 人間の本能の分析に、私はマーケティング人生の半分以上を使っていると思います。本能とは何か。私の中ではおおよそ仮説が立っていて、十数通りあると考えています。そして
凡人と狂人、その両方を理解せよ 私の「消費者理解」のキーワードは、「凡人」と「狂人」です。消費者を理解するには「凡人」と「狂人」の両方をそれぞれ深く理解することだと思います。 「凡人」とはカテゴリーを代表する人、つまり一般的な人ということです。たとえばアウトドアなら、「数カ月に1回、家族を連れてキャンプに行く」ような人が当てはまりますね。カテゴリーにおける平均値のユーザーがやることを、まずは徹底的に理解します。 「狂人」とは、そのカテゴリーの中で、エキセントリックにそればかりやっている人。脳科学者の方とも何度かお話ししたことがあるのですが、「凡人」と「狂人」は、脳の構造自体は同じだと考えています。でも、欲求の強さが違う。欲求が強ければ強いほど、欲求を満たすためのあらゆるコストがその人の中で正当化されるので、“狂人行動”に出るというわけです。 ゲーム、パチンコ、釣り……あらゆるカテゴリーにデ
「ないものはない」――あらゆるものがリソースと心得よ 森岡 その「消費者理解」をどのようにやっているのか、実例を交えてご紹介します。現在、ご一緒しているクライアントのプロジェクト事例を通じて、私がどのように消費者調査ではなく「消費者理解」をしているのかをお伝えしたいと思います。 ご紹介する事例は、兵庫県三木市にあるリゾート施設「NESTA RESORT KOBE(ネスタリゾート神戸)」です。 USJのV字回復はご存じの方も多いかと思いますが、USJにいた当時の私はこう思っていました――「ああ、予算が足りない!」と。あれもやりたいけど、予算が足りない。あと10億、あと20億あれば……。しかし、ネスタのプロジェクトに参画して、それがいかに贅沢なことだったかを思い知ることになりました。 ネスタの前身は、グリーンピア三木。全国13カ所あった年金保養施設のひとつです。グリーンピアの破綻後、民間委託と
従来、暗黙知とされていたマーケティングノウハウを形式知化した「森岡メソッド」を経営危機にあったUSJに導入し、わずか数年で再建したことで知られる森岡毅氏。テーマパークに限らず、あらゆる業種・業態のプロジェクトを成功させてきた背景には、森岡氏の「消費者理解なき消費者調査は無意味」という信念がありました。 なぜ森岡氏は、戦略家として強力な勝ち筋を見つけられるのか。そして、そのためにどのように人間の本質的な欲求を洞察し、消費者理解につなげているのか。 森岡氏とP&G時代の同期であり、現在は吉野家常務取締役を務める伊東正明氏がナビゲーターを務め、その秘訣に迫ったマーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ」(2020年10月沖縄開催)のキーノートをレポートします。 消費者調査の前に「消費者理解」が必要だ 伊東 最初に、私から森岡さんについて少しだけ紹介させていただきます。 私と森岡さんは
なぜスキルを求める発言が飛び出すのか 最近、マーケターとしての露出が増えたせいか、Twitterのダイレクトメッセージでマーケティングに関する様々な質問をいただくようになりました。中でも特に多いのは「マーケターになる上で、必要なスキルはありますか?」という質問です。 どうやら転職活動で「スキル」を問われる機会が多いらしく、だったら有利になるように早くから身に付けておこう…と考えている人が多いようです。私からすると「スキル」という単語と「マーケター」という職業がアンマッチで、最初に質問をもらったときは「どういう意味だろう?」「何を言っているのだろう?」と固まってしまいました。 ちなみに、Agenda Noteの読者の皆さんは、この質問にどのように答えますか。「”スキル”という質問自体が間違えている」「そもそも"なる”もんじゃないだろ」と問題提起されますか、あるいは真正面からお答えになるのでし
ビジネスマネジメントこそオススメする理由 ソニーの橋本です。ソニーのエレクトロニクス商品のマーケティングおよび販売戦略を担うソニーマーケティングでマーケティングコミュニケーション領域に従事しています。 デジタル領域を中心に自社のマーケティングプラットフォームの企画・構築をリードしており、自社が目指すマーケティングを実現できる環境を整えています。 さて、マーケティングに携わる方の中で、自分のスキルを高めていこうと思われている方は、いわゆる広告や運用型広告、SNS、人によってはSQLなどのプログラミング言語を学んでいると思います。もちろん、それらの知識は必要です。実際、私もその領域の情報収集や勉強を欠かすことはありません。 私がこれらの領域に追加して学ぶことをお勧めしているのが複数のビジネスマネジメントのコンセプト・概論です。 なぜなら、これらを理解することで、事象を俯瞰して捉えて根本的な課題
「売上シェア」と「テレビCM GRP」の相関はある? Facebook Japanの中村淳一です。連載も気付いてみたら今回含め、残すところ2回となり、少し感慨深いです。今回も多くの皆さまにとって少しでも参考になれば幸いです。 さて、今回は何の罠についてお話をするかを伝える前に、まずは次の表をご覧いただき、ご自身でどのような分析をするか、そこから何が言えそうか、少し考えてみてください。 今年度の「売上シェア」と「テレビCMのGRP(Gross Rating Point:述べ視聴率)」について、AからDまで4つのブランドを比較した表です。
コロナ禍で、女性誌の特集も変わった 在宅勤務を終えた20時。オンライン会議もなかったのですっぴんで、自宅のソファに座り、GUで揃えたリラックスできるワンピースを身にまといながら、いつものように「dマガジン」を流し読みする。複数の雑誌を眺めている間に、とあることに気づいて驚く。 BAILA 11月号 表紙「頑張らなくてもおしゃれがキマる “ニット”でラクして、女っぽく!」 すっかり寒くなり、女性誌はいよいよ冬に向けたファッションを提案している。そして、その多くで紹介されていたのが「ストレスフリー」「ラク」「私に優しい」だったのである。さらに、それらの女性誌は、ファッション誌人気ランキングの中でいずれも上位だった。 そこから、自分のここ数日のファッションを思い出す。着心地のいいパーカーやスウェット、とにかくラクなワンピース・・・。確かに自分も「自分に優しい服」を着ていたのだ。 コロナ禍で、暮ら
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