INPEXは原子核同士を合体させてエネルギーを生み出す核融合発電に参入する。2022年内にも国内外の新興数社と資本提携する。核融合発電は原子力発電より安全性が高いとされ、脱炭素やエネルギー安全保障の切り札として欧米が先行する一方、日本は出遅れている。INPEXは大学などと連携する新興企業の技術を集積し、日本で本格的な開発を始める。INPEXは京都大発の京都フュージョニアリング(京都府宇治市)、
東京電力福島第一原発1号機でドローンを使った格納容器の内部調査が14日に行われ、原子炉の真下にあたる位置に、溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混じり合った「核燃料デブリ」とみられるものが、つららのような状態で垂れ下がっている様子が確認されたことが分かりました。 福島第一原子力発電所の事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混じり合った核燃料デブリの取り出しに向けて、東京電力は先月からカメラ付きのドローンを格納容器に投入して内部を撮影する初めての調査を行っています。 調査は装置の不具合で一時中断していましたが、14日に再開され、関係者によりますと、撮影された画像から、原子炉の真下にあたる位置に核燃料デブリとみられるものがつらら状に垂れ下がっている様子が確認されたということです。 過去に水中ロボットを使って行った調査では、原子炉の底から炉内に注入している冷却水が流れ落ちている状況が確認されるなど、
この分野の研究は、日米中韓、欧州連合(EU)、インド、ロシアの7国・地域が共同で進める国際熱核融合実験炉(ITER)が約20年前に着手した。しかし、国家間の調整が進まないことからプロジェクトの進捗が遅れている。こうした現状を横目に、盛んになっているのが民間企業の動きだ。ここ数年で欧米中心に40~50社の関連企業が生まれている。 「核融合発電に必要な機器を作ってくれないか」。欧米の核融合炉関連企業からそうした引き合いがくるのが、2019年10月に設立した京都大学発のベンチャー、京都フュージョニアリング(京都府宇治市)だ。核融合炉は、プラズマの中で核融合反応を起こす過程と、そこで発生する熱を取り出す過程から成る。京都フュージョニアは後者で利用する機器に不可欠な独自技術を持ち、共同創業者の小西哲之・京大エネルギー理工学研究所教授の研究成果がベースになっている。
2020年7月28日に、日本を含む世界35カ国が開発に参加している国際熱核融合実験炉(ITER)の組み立て開始を記念する式典が、建設地であるフランスで開催されました。太陽の中心部より10倍も高温なプラズマで発電する核融合の実験炉は、2025年までに運転が開始される予定とのことです。 Solar power with a difference as ITER nuclear fusion assembly starts - Reuters https://www.reuters.com/article/us-nuclear-iter/solar-power-with-a-difference-as-iter-nuclear-fusion-assembly-starts-idUSKCN24T1R3 Assembly begins on ITER, a massive scientific pr
「我々はライト兄弟が最初の飛行機を飛ばしたのと同じ瞬間にいる」 アメリカの核融合の業界代表はこう熱っぽく語りました。SF映画の世界で強力なエネルギー源としてたびたび登場してきた核融合。遠い未来の話かと思いきや、アメリカでは国家プロジェクトだけでなく、スタートアップ企業に巨額の資金が集まり始め、開発が加速しています。 発電の過程で二酸化炭素を排出せず「究極」とも言われるエネルギー技術。実現は近いのか。アメリカでその最前線を追いました。 (アメリカ総局記者 田辺幹夫) 映画「スター・トレック」に登場する宇宙船「エンタープライズ」。 光の速さを超えてワープできるという乗り物で、そのエンジンには核融合が使われているという設定です。 この写真のエンタープライズは2300年代という遠い未来の宇宙空間を飛行しています。
ベイルートの爆発を再現したイメージ(Credit: shutterstock)北海道大学大学院の日置幸介氏らの国際研究グループは、2020年8月にレバノンの首都ベイルートで発生した大規模な爆発の規模を分析した結果、核実験以外の爆発では人類が起こしたものとして歴史上最大級の規模だったとする研究成果を発表しました。 ロシアの地球観測衛星「Kanopus-V」が撮影した爆発前(上、2019年11月4日)と爆発後(下、2020年8月5日)のベイルート港周辺の様子。火薬倉庫は爆発により消滅し、クレーターが生じている(Credit: ROSCOSMOS)現地時間2020年8月4日18時頃、ベイルート港で不適切な管理状況にあったとみられる火薬倉庫が爆発。NHKはレバノン政府の発表として死者205人、負傷者6500人以上と報じています。爆発後に撮影された衛星画像には火薬倉庫とその周辺にあった建物などに甚大
ロシアのウクライナ侵攻が長期化するにつれ、核使用に対するロシア国民の意識にも変化の兆しが出ている。政府自らが戦術核使用の準備とも取られる動きを見せ、その使用を否定しない姿勢を示していることが影響している可能性がある。背景を探った。(共同通信=太田清) 【写真】ロシアが核攻撃に踏み切ったらアメリカはどこに報復するか? 極秘で行われた衝撃的な議論 選ばれた標的は… ▽独立系調査機関 ロシアの独立系世論調査機関レバダ・センターは7月4日、前月行われたウクライナ侵攻に関する世論調査結果を発表。設問の一つはウクライナ侵攻を巡り「ロシアによる核兵器使用は正当化されるか」というものだった。 「明確に正当化される」10%、「どちらと言えば正当化される」24%を合わせ、核攻撃を支持するとした回答は全体の3分の1の34%に上り、前回の昨年4月の同様調査と比べ、5ポイント上昇。 一方、「明確に正当化されない」3
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世界中の誰もが現実に目を向けなければならない。ウクライナ侵攻によって、「核戦争」の勃発は着実に近づいている。一度始まってしまえば日本人も逃れることはできない。そのとき、何が起きるのか。 「敵国」に核を一斉発射 これほど立て続けに世界各国の予想を裏切る男がいただろうか。ロシアのプーチン大統領だ。 まさかクリミアを併合するはずがない、まさかウクライナに全面侵攻をするはずがない、まさか市街地に爆弾を落とすはずがないー。ウクライナの戦況を見れば誰もがわかるように、甘い期待はすべて覆された。 今のプーチン大統領に「まさか」は通用しない。私たちが想像しうる中で、もっとも最悪の事態を彼なら起こすかもしれない。つまり、核兵器を使った「全面核戦争」だ。 そして、それは十分にありえる。なぜならプーチン大統領は、己を見失いかねないほど追い詰められているからだ。ウクライナ戦争がどうなろうが、プーチン大統領の命運は
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています 1982年に発表されたイギリスの作家レイモンド・ブリッグズの漫画を原作とし、日本では1987年に初公開されたアニメーション映画「風が吹くとき」が、2024年8月2日からリバイバル上映中だ。 「風が吹くとき」(日本語吹替版) 8月2日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開 (C)MCMLXXXVI 絵柄はかわいいのに、怖い 同原作者による短編アニメ映画「スノーマン」は「セリフなし」で動き出した雪だるまとの冒険を描く、かわいらしくて幻想的な魅力に満ちた、子どもから大人までおすすめできる名作として知られている。この「風が吹くとき」でも絵柄は親しみやすく、ほのぼのとしていてクスッと笑える場面はある。 しかし、「風が吹くとき」でまず思い起こされるのは、「トラウマ級の怖さ」だ。それも、血や内臓が飛び出るといった直接的な残酷描写ではない。レーティ
室温環境下で核融合を起こす「常温核融合」は、これまで「実験に成功した」という報告がいくつか存在するものの、どれも再現性が低いことから科学的には否定されています。しかし、これまでに行われきた常温核融合の研究をアメリカ海軍が真剣に再考していると、アメリカの電気・情報工学研究団体の学会誌「IEEE Spectrum」が報じました。 Whether Cold Fusion or Low-Energy Nuclear Reactions, U.S. Navy Researchers Reopen Case - IEEE Spectrum https://spectrum.ieee.org/tech-talk/energy/nuclear/cold-fusion-or-low-energy-nuclear-reactions-us-navy-researchers-reopen-case 常温核融合の
ロシア前大統領のメドベージェフ安全保障会議副議長は11日、ウクライナが米国とその同盟国から供与された兵器でロシア国内のミサイル発射基地を攻撃すれば、ロシアは核兵器で反撃する可能性があると警告した。写真は2023年10月、ウリヤノフスク州の軍訓練所で軍当局者との会合に出席するメドベージェフ氏(2024年 ロイター/Sputnik/Yekaterina Shtukina/Pool via REUTERS) [モスクワ 11日 ロイター] - ロシア前大統領のメドベージェフ安全保障会議副議長は11日、ウクライナが米国とその同盟国から供与された兵器でロシア国内のミサイル発射基地を攻撃すれば、ロシアは核兵器で反撃する可能性があると警告した。 メドベージェフ氏は、一部のウクライナ軍司令官が西側から供与された長距離ミサイルでロシア国内のミサイル発射基地を攻撃することを検討しているとし、「このことは『核抑
アメリカ合衆国エネルギー省と国家核安全保障局(NNSA)は2022年12月13日、ローレンス・リバモア国立研究所で行われたレーザー核融合実験で、投入した分よりも高いエネルギーの出力を得る「核融合点火」に成功したことを正式に発表しました。 DOE National Laboratory Makes History by Achieving Fusion Ignition | Department of Energy https://www.energy.gov/articles/doe-national-laboratory-makes-history-achieving-fusion-ignition National Ignition Facility achieves fusion ignition | Lawrence Livermore National Laboratory ht
米ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)の国立点火施設(NIF)の内部(Lawrence Livermore National Laboratory提供) 高強度のレーザーを一点に集め、核融合反応を起こす「レーザー核融合」の研究が大きな転機を迎えた。米国の研究所が昨夏行った実験で、核融合反応で最初に起きる「点火」に至ったからだ。レーザー核融合ではこの点火部からそれらを取り囲む燃料部に反応を連鎖させて莫大エネルギーを生み出す。今回の成果は米学術誌に掲載され、研究者たちの間で話題を呼んでいる。商用化にはまだ遠いが、実現への期待が着実に高まってきている。 核融合反応:軽い原子核同士をプラズマ状態で融合し、重い原子核を作る反応。核融合発電はこの反応が起こる際に失われる質量をエネルギーにして、発電する。核融合は大分すると二種類ある。磁場閉じ込め方式と慣性方式だ。磁場閉じ込め方式は、コイルで作った
東北大学は8月23日、6億5000万年前から6億3000万年前の地球が赤道直下の熱帯地域まで氷河で覆われた「全球凍結」時代からその解氷時に形成された地層の岩石資料を分析し、全球凍結中にも光合成生物(藻類)が存在した証拠および解氷後に生物量極小を経て真正細菌が増殖し、その後に真核生物が繁栄した証拠を得たと発表した。 同成果は、東北大大学院 理学研究科 地学専攻の静谷あてな大学院生(現・福井県立恐竜博物館研究職員)、同・海保邦夫教授(現・東北大名誉教授)、中国地質大学のJinnan Tong教授らの国際共同研究チームによるもの。詳細は、環境から生態学まで地球を題材とした学術誌「Global and Planetary Change」に掲載されるに先立ち、オンライン版に先行して掲載された。 地球の環境は誕生後、決して平坦だったわけではないことがさまざまな研究から分かってきている。例えば気温だけを
インタビューに答える小泉悠・東京大学先端科学技術研究センター専任講師=東京都目黒区で2022年10月16日、幾島健太郎撮影 ウクライナ侵攻に苦戦するロシアのプーチン大統領が、核兵器を使う危険性はどれほど高いのか。ロシアの軍事情勢に詳しい東京大先端科学技術研究センターの小泉悠・専任講師に聞いた。【聞き手・菅野蘭】 新たな動員で形勢が変わるのか ――ロシアが核兵器を使用する可能性は2月の侵攻開始時と比べ変化したと思いますか。 ◆核使用の危険性が高まっているということは明らかだと思います。ロシアが通常戦力で勝てていれば核使用は必要ありません。(プーチン氏が9月に命じた部分的な)動員によって形勢が変わるかもしれませんが、核を持たないウクライナに負けています。核使用の懸念は残り続けると思います。今後、動員本隊を戦場に投入して負けた場合にどうするのか。ロシアにとって、そして私たちにとっても正念場になる
ヨーロッパの核融合研究機関らが組織するEUROfusionが2022年2月9日に、欧州トーラス共同研究施設(JET)の核融合炉が過去の2倍を超えるエネルギーを生成することに成功したと発表しました。この成果は、日本も参加している国際熱核融合実験炉(ITER)の実現に大きく寄与すると期待されています。 Fusion energy record demonstrates powerplant future - Culham Centre for Fusion Energy https://ccfe.ukaea.uk/fusion-energy-record-demonstrates-powerplant-future/ Fusion energy: Scientists just made an incredible breakthrough https://www.inverse.com/in
完全には明らかではない、と西側アナリストらは言う。英当局者は、プーチン氏が使った言葉について、ロシアの核兵器に対する自分たちの警戒レベルの理解にそぐわないものだったと述べている。 プーチン氏は警戒レベルを最も低い「持続的」から、次のレベルの「高度」への引き上げを命じたと考える人もいる(さらに上のレベルとして「軍事危機」と「最大」がある)。だが、はっきりしたものではなかった。警戒レベルは、上昇するほど兵器使用の準備態勢が強まる。 多くの人は今回の動きについて、実際の核兵器使用の意図を示したというより、主に世界に向けてシグナルを送ったものと解釈している。プーチン氏は、核を使えば西側から核の報復を受けることを分かっている。イギリスのベン・ウォレス国防相は、プーチン氏の発表について、主に「言葉の上」のことだとの考えを示した。
核科学者暗殺「遠隔操作で3分」 凶器はイスラエル製か―イラン 2020年11月30日21時52分 30日、テヘランで、暗殺されたイランの核科学者ファクリザデ氏のひつぎを運ぶ兵士ら(AFP時事) 【カイロ時事】イランの核開発で主導的役割を担ったとされるイラン人科学者ファクリザデ氏が首都テヘラン郊外で暗殺された事件で、精鋭部隊・革命防衛隊に近いファルス通信は29日、殺害は遠隔操作による自動式機関銃を使って無人で行われ、3分間で完了していたと伝えた。 イラン反発、報復辞さず 核科学者暗殺で強硬―イスラエルや米国と対立激化も また、国営のプレスTVは30日、関係筋の話として、現場で回収された武器がイスラエル製だったことが判明したと報じた。イランの国防、外交を統括する最高安全保障委員会のシャムハニ事務局長は30日、「首謀者はイスラエルで、在外の反体制派組織も加担した」と主張。イランは報復を警告してい
「核抑止論者に問いたい。あなたは責任を負えるのか」 広島県知事あいさつ【全文】平和記念式典<2023年> 知事あいさつ(令和5年広島市平和記念式典) 本日、被爆78年を迎えるにあたり、原爆犠牲者の御霊(みたま)に、広島県民を代表して謹んで哀悼の誠(まこと)を捧げます。そして、今なお後遺症で苦しんでおられる被爆者や、御遺族の皆様に、心からお見舞いを申し上げます。 今、世界では、ロシアによる非道なウクライナ侵攻と核兵器による脅しが続き、北朝鮮は核及びミサイル開発を進め、一部の核保有国が核戦力の大幅な増強を図るなど、核兵器を巡る安全保障環境は厳しくなっています。日本においても、また世界においても、核戦力やその運用の強化を図るべしとの論が声高に叫ばれています。 そうした中、今年5月、ここ平和記念公園に、核兵器国3か国を含むG7首脳が集まり、資料館を訪問し、被爆者の声に耳を傾け、慰霊碑に献花して犠牲
ドイツは次期「核攻撃機」として内定していたボーイング社製F/A-18Eスーパーホーネット戦闘機を止めて、ロッキード・マーティン社製F-35AライトニングⅡ戦闘機に変更する方針です。 レーダーに映り難いステルス能力を持つF-35は核攻撃任務にはうってつけの機材で、ドイツはアメリカとの核兵器シェアリングの絆を更に強固に高めることになるでしょう。 一方、内定していたのに最終決定直前で反故にされたF/A-18Eのボーイング社は落胆しています。ドイツと次期ステルス戦闘機FCAS/SCAFを共同開発するフランスも裏切られました。FCAS/SCAF計画が立ち消えになるわけではないにせよ、ドイツがアメリカ製ステルス戦闘機に浮気したことになるからです。 この流れに至るまで紆余曲折がありました。2019年にドイツが引退するトーネード戦闘機(核攻撃任務も担当)の後継としてF-35を検討しながら一度は見送ったのは
核燃料サイクルはマネーもぐるぐる回る 関西電力の原発マネーだけではない。六ケ所村の核燃マネーの恐るべき実態 佐藤章 ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長 日本の原子力政策の骨格を形作る核燃料サイクル事業は、青森県六ケ所村の再処理施設がほとんど動かないことに象徴されるように、完全な失敗の歴史を刻みつつある。同じ原子力をめぐるサイクルの話でも、汚染された原子力マネー・サイクルの一端が関西電力と福井県高浜町との間で露見した。 関西電力の役員ら20人が7年間で、高浜町の森山栄治元助役(故人)から3億2千万円を受け取っていた。関西電力が高浜町の土木建築会社「吉田開発」に原発関連工事を発注、吉田開発は森山元助役に裏金を渡し、森山元助役はその裏金の中から関西電力の八木誠会長らにせっせとカネを送っていたという構造だ。 私は過去に、この構造とは少し異なった汚染原子力マネーの実態のひと
(CNN) 米ローレンスリバモア国立研究所は、核融合反応を通じて使用した量を上回るエネルギーを生み出す「点火」の再現に成功したと発表した。もしも実用化できれば、無限に近いクリーンエネルギーを世界に供給することも可能になると期待される。 ローレンスリバモア国立研究所の国立点火施設は昨年12月、使用した量以上のエネルギーを放出する核融合点火に世界で初めて成功。同施設の今年12月の報告によれば、今年に入り、少なくとも3回にわたって核融合点火の再現に成功した。 核融合エネルギーは実質的に、地球に降り注ぐ太陽の力を再現するもので、長年にわたって研究が続けられている。 昨年、エネルギーの純増を達成したことで、次はこのプロセスが再現できると証明することが課題となっていた。 核融合は、原子力発電所で使われている核分裂と異なり、長寿命の放射性廃棄物が残存しない。 核融合は太陽などの恒星で起きている反応で、複
核融合反応で投入を上回るエネルギー生成に昨年成功した米ローレンスリバモア国立研究所は、7月30日の実験で再びこの「核融合点火」に成功した。同研究所は昨年12月5日に初めて「点火」に成功後、今年春と夏にも実験を繰り返したが達成できていなかった。 再度の実験成功によって、温室効果ガスを排出することのないふんだんなエネルギー源として核融合を活用することに世界が一歩近づいた可能性がある。ただ、それが将来的に実現するとしても、何年も先の未来である公算が大きい。 関連記事: 米国立研、核融合エネルギー投入上回る出力達成-エネルギー長官 先週の実験成功は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が先に報じ、カリフォルニア州サンフランシスコに近い同研究所も6日の声明で明らかにした。これに先立つ6月の実験ではエネルギーの投入と生成が等しい状態を達成していた。 声明は「7月30日の実験で点火を再現した」とした上で
球の中心部にある内核に、「最深部の内核」と言うべき層が存在する可能性があるとの研究結果が発表された/NASA (CNN) 地球の中心部にある内核に、隠れた「最深部の内核」と言うべき層が存在する――。オーストラリア国立大学の研究者が科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された論文でそんな研究結果を発表した。 地球は表面から順に地殻、マントル、溶融する外核、固体の内核の4層から成ると考えられている。今回の発見は5層目の存在を示唆するもので、地球やその形成に関する長年の謎をひもとく新たな手掛かりとなる可能性がある。 地球の核に未確認の新たな層が存在する可能性は20年近く前から科学者が指摘していた。論文によれば、地球中心部を通過する地震波を測定した新たなデータから、最深部にある核を見つけることができたという。 地震波は地震や火山などから発生し、地殻や地球の内部を伝わる。今回の研究では、巨大地
2024年の発電試験開始、核融合発電に向けた工学技術を統合実証 京都フュージョニアリング株式会社(代表取締役:長尾昂、以下「当社」)は、世界で初めて核融合発電システムによる発電を試験するプラント「UNITY」の基本設計を完了し、2024年末の発電試験開始に向けた建設プロジェクトに着手しました。本プラントにおいて当社の核融合プラント機器ならびにプラントエンジニアリング技術を統合的に実証することにより、究極のクリーンエネルギーである核融合の商用化に向けた未踏の炉工学製品群を開発します。 本UNITY発電プラントの建設は国内パートナー企業複数社との連携により実施されます。日本の有する高度なものづくり力を結集し、日本が世界に先駆けた核融合炉における発電技術を実証することで、国内産業の発展に貢献します。 本件に関する紹介動画は下記よりご確認いただけます。 核融合は、世界のエネルギー問題を根本的に解決
来年度上期の完成を目指す、青森県にある使用済み核燃料の再処理工場で、原子力規制委員会に提出した審査書類に記載漏れなどの不備がおよそ3000ページにわたって見つかり、規制委員会は14日、事業者の日本原燃の社長を呼び、スケジュールにこだわりすぎた結果ではないかなどと厳しく指摘しました。日本原燃は当面、完成時期の目標は維持するとしています。 青森県六ヶ所村にある再処理工場は、各地の原子力発電所から出た使用済み核燃料から再利用できるプルトニウムなどを取り出す施設で、3年前、新しい規制基準の審査に合格しています。 事業者の日本原燃は2024年度上期のできるだけ早い時期に完成させることを目指していて、現在、運転に必要な認可を得るため個別の設備の設計などについて審査を受けていますが、2022年12月に提出した審査書類で、耐震性を評価する検査データの記載漏れや落丁などの不備が、およそ6万ページのうち310
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イランの首都テヘランで行われた核科学者モフセン・ファクリザデ氏の葬儀で、イラン軍の兵士らが運ぶ同氏のひつぎ(2020年11月30日撮影)。(c)AFP PHOTO / HO /IRANIAN DEFENCE MINISTRY 【12月7日 AFP】イランの著名な核科学者モフセン・ファクリザデ(Mohsen Fakhrizadeh)氏が先月暗殺された問題で、イラン革命防衛隊(IRGC)の副司令官は6日、暗殺には「人工知能(AI)」を搭載し、人工衛星で操作された自動機関銃が使用されたと明らかにした。現地メディアが報じた。 IRGC海軍の将官、アリ・ファダビ(Ali Fadavi)氏によれば、先月27日にファクリザデ氏が11人の警護隊と共に首都テヘラン郊外の幹線道路を車で移動していた際、同氏の顔に機関銃が「ズームイン」し、13発の弾丸を発射したという。 イランのメヘル(Mehr)通信は、ファダビ
鈴木俊貴 白眉センター特定助教らの研究グループは、鳥類の1種であるシジュウカラにおいて、2つの連続する鳴き声を1つのまとまりとして認識する能力を実験的に確認しました。 ヒトの多彩な言語表現は、2つの要素を1つにまとめる力のもとに成り立ちます。例えば、「小さくて黒い犬」という表現は、「小さくて」と「黒い犬」が1つにまとまったものであり、そのうち「黒い犬」は、「黒い」と「犬」が1つにまとまった表現です。このように、2語を1つのまとまりとして認識する能力は、言語学では併合(Merge)と呼ばれ、ヒトの言語の核であると考えられています。 シジュウカラは、仲間と共に天敵を追い払うための号令として、警戒声と集合声を連ねて鳴きます。この音列を1つの音源(1羽を想定)から再生すると、それを聴いたシジュウカラは天敵を追い払うために集まります。しかし、警戒声と集合声を2つの音源(2羽を想定)から別々に聴かせる
稼動を中断して定期検査を受けた慶尚北道慶州(キョンサンブクド・キョンジュ)の月城(ウォルソン)原子力発電所4号機で使用済み核燃料貯蔵槽にあった貯蔵水2.3トンが排水口を通じて海に放出された。ただ放出された貯蔵水の有効放射線量は一般人の年間線量限度(人体に害がないと考えられる放射線の量的限界)を大きく下回るという。 韓国原子力安全委員会は22日、原発を運営する韓国水力原子力から計画予防整備中である月城4号機でこのように放出された事実の報告を受け、ただちに韓国原子力安全技術院(KINS)の専門家を派遣して正確な漏洩量と漏洩原因などを調査中だと明らかにした。使用済み核燃料貯蔵槽の水位減少量と推定される貯蔵水放出量は約2.3トンだ。 報告によると、韓国水力原子力はこの日午前4時34分ごろに使用済み核燃料貯蔵槽の水位が下がったのを発見し漏洩遮断措置をした。 月城原発4号機は4月20日から稼動を止め計
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