五輪「中断」を求める西浦教授らの危機感を共有しよう 勇気を出して「引き返そう」と言えるのが本当のリーダーだ 小此木潔 ジャーナリスト、元上智大学教授 新型コロナウイルス感染症の拡大が止まらない。このままでは医療崩壊に突き進むとの危機感から、東京オリンピック開会式の翌日である7月24日には京都大学の西浦博教授が五輪「中断」をツイッターで訴えた。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバーで内閣官房参与も務める岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は、入院すべき人が入院できなくなるようなら中止を求める、との考えを25日に改めて示している。 これら専門家の声に政治やメディアがどこまで耳を傾け、勇気ある決断を下すことができるのか。あるいは経済の足を引っ張り続けるコロナ禍を抑え込むために経済界も思い切った政策を望むのか。いま問われているのはそのことではないか。 「五輪中断、都内は外出自粛を」 理論疫学