愛知県豊田市で昨年1月、生後11カ月だった三つ子の次男を床にたたきつけ死亡させたとして、傷害致死罪に問われた母親(31)の実刑が今月、確定した。事件では、双子や三つ子といった「多胎児」を育てる過酷さや、母親が出したSOSを支援に結びつけることができなかった行政側の課題も浮き彫りとなった。「自分も同じようになっていたかもしれない」。同じ多胎児を育てる九州の親たちは、自身の経験と事件とを重ね、支援の充実を望む。 「かわいいとか、いとおしいとか、思う余裕すらなかった」。福岡市で小学生の双子を育てる自営業の女性(38)は、生後間もない頃の状況をそう振り返る。 2千グラムの低出生体重児で生まれ、母乳を吸う力が弱く、90分おきに30分間の授乳が必要だった。それが2人分のため、一日中授乳をしているような状態だった。自身の睡眠時間は1週間で計3~4時間。出張の多い夫、働く実母には頼れなかった。1週間以上、