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近代史の検索結果321 - 360 件 / 586件

  • 安倍氏「健康問題」アメリカはどう見ているのか

    個人的な健康問題、それより重大な新型コロナウイルスと経済危機への対応によって、日本の近代史の中で在任期間が歴代最長となった安倍晋三首相が、退任の道を歩もうとしているのかもしれない。 が、日本の最も重要な同盟国であるアメリカの権力中枢で、安倍首相の運命を本当に心配している人物はいるだろうか。そして、ドナルド・トランプ大統領の「友人」が退任した場合、アメリカ政府が安倍首相の後継者と考える人物はいるのだろうか。 「それどころじゃない」トランプ大統領 トランプ大統領は、当然の事ながら8月24日に開幕した共和党大会での形勢逆転を期待しており、日本に関心を払っている余裕はない。対抗馬であるジョー・バイデン前副大統領もトランプ大統領をリードしている身ながら、日本政府の動向に気を向けている状況にはない。 それでも、トランプ大統領とマイク・ポンペオ国務長官は、安倍首相の健康問題と退任の可能性を十分に認識して

      安倍氏「健康問題」アメリカはどう見ているのか
    • 宇都宮亀廓&中河原の赤線|おいらんだ国酔夢譚|

      宇都宮と聞いてまず思いつくのが。 …おっと間違えた。 やっぱ餃子でしょ。 宇都宮がいつから「餃子の街」になったかは不明ですが、駅を降りるとそこは餃子屋だったほどの餃子ラッシュは、餃子で町おこしをして成功した矜持を感じさせます。こんな街、餃子の本場中国にもないぞ。 宇都宮は、日光街道と奥州街道の要衝、そして日光東照宮のお膝元として江戸時代以降重要視され、それだけに徳川家康の腹心本多正信の息子、正純が城主として治めることになりました。歴史、特に江戸時代が好きな人は、宇都宮とくれば餃子ではなく「釣天井事件」を想起する人もいるでしょう。 これにより本多正純は改易となり、その後は譜代大名の持ち回りで治める町になりましたが、彼が築いたまちづくりが現在の宇都宮市の基礎になっています。 今回は、そんな自他共に認める餃子之国、宇都宮にあった遊郭のお話。 宇都宮の遊郭史近世宇都宮の歴史は、時間がなく調べること

      • 「ガーゼマスク」は役立たない――100年前に指摘されていた! 『流行性感冒』 | BOOKウォッチ

        実に貴重な報告書が復刊されていることを知った。『流行性感冒――「スペイン風邪」大流行の記録 』(東洋文庫)。約100年前、世界で数千万人の命を奪ったというスペイン風邪について、直後に日本国内での被害状況や対応を総括した公的文書だ。内務省衛生局の作成。2008年に平凡社の「東洋文庫」に収められている。改めて手に取り、味読する価値が十二分にあると感じた。 日本では38万人が死亡 本書の原本は大正11(1922)年の刊行。冒頭に「内務省衛生局」による「巻頭言」が掲載されている。当時の苦労ぶりがわかるので再録しよう。 「全世界を風靡したる流行性感冒は大正七年秋季以来本邦に波及し爾来大正十年の春季に亘り継続的に三回の流行を来し総計約二千三百八十余万人の患者と約三十八万八千余人の死者とを出し疫学上稀に見るの惨状を呈したり。 当局は毎次の流行に対し常に学術上の知見と防疫上の経験とに鑑み最善の施設を行ひ之

          「ガーゼマスク」は役立たない――100年前に指摘されていた! 『流行性感冒』 | BOOKウォッチ
        • 高野秀行、清水克行 著『世界の辺境とハードボイルド室町時代』より。空前絶後の奇書! - 田舎教師ときどき都会教師

          清水 僕もいくらか農村調査はやってきましたけど、確かに今はもう日本の農村に行っても、戦前の暮らしが垣間見えればいい方で、とても前近代は体感できないんですよね。だから、これから前近代史研究を志す人は世界の辺境に行ってみた方がいいのかもしれません。学ぶところがきっと多いんじゃないかと思います。 高野 辺境を知ろうとするときに歴史が役に立つみたいに、歴史を考えるときに辺境での見聞が役に立つということですか。 清水 中世史の研究者も、古文書だけから理論を立ち上げているわけではまったくなくて。そうでもしないと、想像もつかない世界のことを叙述するのはたぶん無理なんで。(高野秀行、清水克行『世界の辺境とハードボイルド室町時代』集英社文庫、2019) こんばんは。農村調査でも世界の辺境でもないですが、先日、縁あって福島県の西南にある只見町に行ってきました。豊かな森林資源や田子倉ダムで知られる、人口3500

            高野秀行、清水克行 著『世界の辺境とハードボイルド室町時代』より。空前絶後の奇書! - 田舎教師ときどき都会教師
          • 日中戦争理解の為の読書リスト(2022.10.11作成)

            昼寝猫 @tcv2catnap 加藤陽子「天皇と軍隊の近代史」 リンク先あとがき読めるよ。これと「戦争の論理」「模索する1930年代」が加藤史学の金字塔三部作。 keisoshobo.co.jp/book/b481268.h… 2022-10-10 01:17:59

              日中戦争理解の為の読書リスト(2022.10.11作成)
            • プロが選ぶ「2019年 ベスト展覧会」 | 青い日記帳

              平成から令和へと元号が変わり初めて迎えるクリスマス、大晦日そして新しい年。 何かと慌ただしい年の瀬ですが、今年も毎年この時期恒例となっております新聞各紙に掲載された専門家(プロ)が選んだ「今年のベスト展覧会」をご紹介したいと思います。 掲載日の早い順に、朝日・讀賣・毎日の順でご紹介します。 朝日新聞 2019年(令和元年)12月17日(火)夕刊 回顧2019 美術 「見ること」の意味 問い直した ・「不自由展」中止 ・「わからない」の衝撃 私の3点 ☆高階秀爾(美術史家・美術評論家) 「インポッシブル・アーキテクチャー」(埼玉県立近代美術館) 「福沢一郎展」(東京国立近代美術館) 「齋藤芽生とフローラの神殿」(東京・目黒区美術館) 1は、実現されなかった建築に見るたくましい想像(創造)力。2は、「神曲」地獄編に呼応する壮絶な人間模様。3は、言葉がイメージを生み、イメージが言葉を増殖させる妖

              • なぜ昭和天皇に戦争責任がないのかを、左翼でも分かるように説明する|文脈くん

                今、日本の左翼は岐路に立っている。それは、歴史認識があまりにも歪んでいるからだ。 こんな記事があった。 この記事を書いた人は、典型的な左翼だ。昭和天皇に太平洋戦争の責任が「ある」と認識している。そのことを、頭から信じて疑わない。そして、この記事を書いた人以外にも、「天皇には戦争責任があった」と信じている人はそれなりに多い。そういう左翼が多いのだ。 しかも、そうした左翼は、そう主張する割には歴史を知らない。その気になればすぐに分かるような事実さえ調べず、左翼史観を押し頂くようにして無条件に受け継いでいる。そうした中で、「天皇には戦争責任がある」と自信満々に叫んでいる。そして、「ない」という人たちを「歴史修正主義」だと糾弾している。 これは全くおかしな話だ。というのも、そもそも戦後、天皇は公的に責任を問われなかった。だからこそ、生き続けた。それは、処刑されたムッソリーニや攻撃される中で服毒自殺

                  なぜ昭和天皇に戦争責任がないのかを、左翼でも分かるように説明する|文脈くん
                • 言ってはいけない! 現代アメリカのタブーな英語 3 | 研究社 WEB マガジン Lingua リンガ

                  第3回 black market(闇市場) 英語圏では昔から “English is a living breathing thing and words evolve through time.” (英語は生きていて、言葉は時と共に進化する)と言われていますが、ここ最近で特に急激に扱いに変化が起きたのは、‘black’というひと言が入っている言葉でしょう。 キング牧師(Martin Luther King, Jr.)やマルコム X(Malcolm X)が公民権運動を起こし、黒人民族主義を主張する Black Panther Party(黒豹党)が結成された1960年代から70年代にかけてのアメリカでは、ほぼすべての黒人が “Black is beautiful!” と叫び、黒人であることを誇りに思っていました。アメリカ近代史では、この時代を the Era of Black Power(

                  • 中国人はなぜ明快な指示なしに自発的に他国批判を行うか 中国人から見た「中国の行動原理」

                    神秘性を排し、中国人から見た中国の行動原理 米中貿易戦争が始まってから世界では様々な言説を目にしてきたが、その中で痛感したのは中国が相変わらず神秘的で不可思議な存在として認識されていることだった。 著者は、中国の民族性や神秘性に関する紋切り型な決め打ちを排して、むしろ中国人から見た中国の行動原理を理解しようとする。そして、一見ちぐはぐにも見える彼らの行動を鮮やかに説明する。 本書によれば、中国の行動原理を読み解くうえで手掛かりとなるのは、帝国としての歴史に基づく自己正当化能力に加えて、特異な権力闘争の考え方、そこに影響を与えている中国の家族制度由来の「親と子」の関係性、そして植民地主義に晒された近代史からくる被害者意識である。 国際政治では、権力政治を中心に物事を捉える思想として現実主義という言葉が使われる。国家は権力を追求し、合理的に振る舞うという考え方だ。ただし、国の規模が違う中国につ

                      中国人はなぜ明快な指示なしに自発的に他国批判を行うか 中国人から見た「中国の行動原理」
                    • 80年代「ムー」は天皇を仮想敵に……陰謀論ブームの今知るべき「オカルトとナショナリズム」日本近代史

                      「ムー」1989年4月号の表紙。 近代化、すなわち合理化と中央集権化はナショナリズムと紐づくと同時に、そこから弾かれるものを生み出す。例えば被差別者や社会主義、そして怪談や怪異、超常現象である。 こうした視点に基づき、日清・日露戦争(1894~95年・1904~05年)と日中・太平洋戦争(1937~45年)に参戦したとされる妖怪変化(!)に関する世間話や目撃談、はたまた爬虫類人レプティリアンによる世界支配を唱えるマルクス主義的陰謀論などについて論じた怪異怪談研究会監修、茂木謙之介/小松史生子/副田賢二/松下浩幸編著『〈怪異〉とナショナリズム』(青弓社)が刊行された。 そこで、同書に「“オカルト天皇(制)”論序説 一九八〇年代雑誌「ムー」の分析から」という80年代の「ムー」(学習研究社)における天皇表象についての論考を寄せた東北大学大学院文学研究科の茂木謙之介准教授に訊いた。「東日流外三郡史

                        80年代「ムー」は天皇を仮想敵に……陰謀論ブームの今知るべき「オカルトとナショナリズム」日本近代史
                      • 書籍詳細 - フィッシュ・アンド・チップスの歴史 - 創元社

                        19世紀の英国に生まれ、20世紀前半には安くて栄養満点の日常食として労働者階級に広まったフィッシュ・アンド・チップス。その魚の衣揚げの起源はユダヤの食文化にあり、揚げた細切りのジャガイモは、フランスに由来すると考えられる。お店の経営者には移民が多く、その出身地はイタリア、キプロス、中国と多岐にわたっていた。ディケンズやドイルなど英国文学ファンにも味わい深い、移民と階級社会を映しこんだ本。図版多数。 はじめに 第1章 起源 1 イギリスにおける魚食とジャガイモ食の初期の歴史 2 フィッシュとチップスの結婚 3 フィッシュ・アンド・チップス業界の拡大 4 フィッシュ・アンド・チップスの誕生 第2章 発展 1 最盛期 2 衰退 3 変化と生き残り 第3章 イギリスらしさ 1 労働者階級の食べもの 2 ナショナル・アイコンの構築 3 海を渡るフィッシュ・アンド・チップス 4 フィッシュ・アンド・チ

                          書籍詳細 - フィッシュ・アンド・チップスの歴史 - 創元社
                        • 戦後に大阪で発祥したと言われていたが「違うと思っていた」1000軒以上食べ歩くブロガーが解き明かす、“ソース焼きそば”の起源 | 文春オンライン

                          『ソース焼きそばの謎』(塩崎省吾 著)ハヤカワ新書 屋台の定番であり、カップ麺の一大ジャンル。はたまたお好み焼き店のメニューにもほぼ必ず載っていて――誰もがきっと一度は食べたことのある「ソース焼きそば」。実は様々な謎があるのだという。まず、その起源が定かでないのだ。 「いつ、どこで、どのように生まれたのか。通説では戦後に大阪で発祥したと言われていたのですが、私は違うと思っていたんです」 そう語るのは、今回『ソース焼きそばの謎』を上梓した塩崎省吾さんだ。本業のITエンジニアのかたわら、ブログ「焼きそば名店探訪録」を運営し、これまで全国1000軒以上の焼きそばを食べ歩いてきた。 「私が実際にお話を伺ってきた中で、『ウチでは戦前から焼きそばを提供している』というお店がある地域に集中していたんです。それが、東京は浅草でした」 本書はそんなソース焼きそばの起源から、全国へ伝播していく過程までを、膨大

                            戦後に大阪で発祥したと言われていたが「違うと思っていた」1000軒以上食べ歩くブロガーが解き明かす、“ソース焼きそば”の起源 | 文春オンライン
                          • 赤木俊夫さんはなぜ死を選んだのか? 加害と被害のはざまに生きた官僚 - 石川智也|論座アーカイブ

                            赤木俊夫さんはなぜ死を選んだのか? 加害と被害のはざまに生きた官僚 芝居『拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿』が問いかける「公と私」 石川智也 朝日新聞記者 私(わたくし)を滅し、一身を公(おおやけ)に奉ずる――「滅私奉公」という言葉は、今なお日本人の心をうずかせるものがある。 「大公無私」「公門桃李」「奉公守法」といった熟語や故事から浮かぶ清廉な公務員像は、広く公職に就く者だけでなく多くの組織人にとっても振る舞いの理想とされている。それなら、もし「公」の側が法や正義を歪めたとき、「私」はなお「無」でいられるのか。そもそも「公」とはいったい何か。 公=パブリックとは何か 戦後75年も経っても、この「公=パブリックとは何か」という問いは、この国のアポリアであり続けている。 戦前においては公(語源は大きな宅、つまり朝廷という)は、すなわち国家であり天皇だった。日本人にとって天皇とは何かという問いは

                              赤木俊夫さんはなぜ死を選んだのか? 加害と被害のはざまに生きた官僚 - 石川智也|論座アーカイブ
                            • 子どもに「なぜ洪水が起きるの?」と聞かれて、パッと答えられますか?身近な道具でわかる洪水のメカニズム(橋本淳司) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                              洪水を防ぐ(あるいは適応する)には、洪水が発生する原因を理解する必要がある 現在、国会では「特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案(流域治水法案)」の審議が行われている。 国は、従来の堤防やダムの整備だけでは洪水は防げないと、貯水池の整備や避難体制の強化など、自治体や住民と連携して取り組む「流域治水」へ転換し、これにともなう法改正が行われている。 気候変動にともない雨量が増えれば、洪水も頻発するだろう。 だが、そもそも「洪水がなぜ起きるのか」と考えたことがあるだろうか。洪水を防ぐ(あるいは適応する)には、洪水が発生する原因を理解する必要がある。 そもそも洪水というとマイナスのイメージがあるが、私たちは洪水でつくられた土地のうえに暮らしている。 日本に住む9割の人が平野部に住んでいるが、平野は洪水によってつくられた。水が長い時間をかけて山の斜面を削る。狭い谷を通りながら、谷底や谷

                                子どもに「なぜ洪水が起きるの?」と聞かれて、パッと答えられますか?身近な道具でわかる洪水のメカニズム(橋本淳司) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                              • 【恒例再放送】朝鮮戦争3題~日本の「特需」/戦争責任/松本清張 - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

                                今回は、ひとつ前の記事も関連記事となっています。 m-dojo.hatenadiary.com 以下は、朝鮮戦争が始まった6月25日にちなんだ、過去の記事の恒例再掲載です その1 『日本は朝鮮戦争を踏み台にしたと言われるけど、つまり「日本の兵站が、侵略者の撃退を助けた」って事では?』(黒田勝弘) この前も紹介した黒田勝弘「隣国への足跡」の一節より。 …戦争は、米中戦争の様相になった。双方で押しつ押されつを繰り返しながら、現在の南北境界線で休戦となった(一九五三年七月)。 しかし結果的には韓国は北朝鮮の武力侵略を撃退し、国を守ることができた。それが可能だったのは国連軍の支援があったからだが、その国連軍を後方で支えたのが日本だった。国連軍に多くの軍需物資を提供できる後方兵站基地として日本(の産業)が存在したからこそ、韓国は国を守り、 存在を維持できたのである。 この戦争の経緯から、韓国人はきま

                                  【恒例再放送】朝鮮戦争3題~日本の「特需」/戦争責任/松本清張 - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-
                                • 「天皇と軍隊の近代史」書評 更新続ける通説 なお残る難題|好書好日

                                  ISBN: 9784326248506 発売⽇: 2019/10/19 サイズ: 20cm/365,9p 天皇と軍隊の近代史 [著]加藤陽子 世間では「過去は変わらないのだから、歴史は暗記ものだ」という印象が強い。受験勉強の名残だろうか。しかし歴史学界では新しい研究成果が不断に生み出され、通説は日々塗り替えられていく。作家や評論家がしたり顔で語る史論が、学界ではとっくの昔に否定された説に依拠していることも珍しくない。 近代史においては、歴史像が更新されていくスピードが特に速い。司馬遼太郎の『坂の上の雲』や『この国のかたち』で理解が止まっている人が本書を読んだら驚くだろう。 たとえば日清戦争については、当時外相だった陸奥宗光の戦後に発表された回顧録『蹇蹇録(けんけんろく)』に引きずられて、日本側が意図的に戦争に持ち込んだとかつては考えられてきた。だが近年の研究では、清国に対する強硬な外交姿勢

                                    「天皇と軍隊の近代史」書評 更新続ける通説 なお残る難題|好書好日
                                  • 2020年の新書 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

                                    12月23 2020年の新書 カテゴリ:その他 去年の「2019年の新書」のエントリーからここまで51冊の新書を読んだようです。冊数としては去年と同じなのですが、今年に関してはちょっと言い訳しなければならないことがあります。 例年だと、その年の11月にまで出た新書を年内に読み終えて、「本年のベスト」という形で紹介しているのですが、今年は夏から秋にかけての面白そうな新書のリリースラッシュによって、11月出版のものには手がつけられませんでしたし、10月出版のものでも読もうと思っていたものが1冊残っています(河合信晴『物語 東ドイツの歴史』(中公新書))。 また、ベストの中には去年の10月に出たものも混じっており、「2020年の新書」というタイトルからは少しずれたものになってしまいました。 全体としての印象は「飛び抜けたものはなかったかもしれないが、良書は多かった」というもので、特に先程にも書い

                                    • 鈴木謙次『ある日本共産党地区委員長の日記(一九七七年〜一九八四年)』 - 紙屋研究所

                                      鈴木謙次様。 ご著作『ある日本共産党地区委員長の日記(一九七七年〜一九八四年)』をご恵投いただきありがとうございました。私は鈴木さんには一度もお会いしたことはなく、この贈呈を通じてが初めての連絡であり、鈴木さんに、よほどの思いがあったのではないかと推察します。 ある日本共産党地区委員長の日記(一九七七年~一九八四年) 作者:鈴木謙次 あけび書房 Amazon そして、大変興味深く読ませていただきました。 というのも共産党参院議員渡辺武の妻で、自身も地域の有力な党員だった渡辺泰子の自伝『息子たちへ : 母の生きた八十八年』(本の泉社)や、福岡の活動家・地方議員であった吉田鹿雄の自伝メモなどを読んで、共産党員としての人生や活動を自由にふりかえった書籍には魅力があると感じていたからです。 息子たちへ 上: 母の生きた八十八年 作者:渡辺 泰子 本の泉社 Amazon 一つは、公式記録の生硬さでは

                                        鈴木謙次『ある日本共産党地区委員長の日記(一九七七年〜一九八四年)』 - 紙屋研究所
                                      • 映画『スラムダンク』が中国人を感動させている本当の理由 | 楊 駿驍 | 文藝春秋 電子版

                                        中国での観客動員数が1800万人を超えた映画『THE FIRST SLAM DUNK』。なぜ中国で『スラムダンク』にこれほどまで人気が集まるのか? 1990年に中国で生まれ、日本で育った、中国現代カルチャー研究者の楊氏が考察する。 北京大学での『FIRST SLAM DUNK』上映は異様な熱気に包まれた ©時事通信社 北京大学での封切り上映に観客4000人 映画『THE FIRST SLAM DUNK』は4月15日に中国の最高学府である北京大学で封切られた。場所は映画館またはホールなどではなく、体育館である。 27メートルもの幅の巨大スクリーンのまえにバスケットボールのコートが設えられ、その上に湘北高校のバスケットボール部5人の巨大ユニフォームが掲げられていた。 4000人もの観客がそこで映画を鑑賞し、映画が終わったあとには、テレビアニメ版のエンディングテーマ『世界が終るまでは…』を大合唱

                                          映画『スラムダンク』が中国人を感動させている本当の理由 | 楊 駿驍 | 文藝春秋 電子版
                                        • 地政学とは?専門家が教える国際情勢を理解するためのキーワード

                                          世界情勢が日々変化する中で注目されている「地政学」。地理的な条件を基に世界を俯瞰することで、国同士の関係性や各国の戦略を「なるほど!」と理解することができます。「地政学(新星出版社)」の著者、奥山真司さんに地政学的な視点を伺いました。 地政学とはどのような考え方?地政学は「学」とついていますが、「経済学」や「社会学」のように体系的に確立された学問ではなく、世界を理解するための「概念」や「視点」、「アプローチ」です。 例えば、海に囲まれて敵国が攻めてくるリスクが少ない日本のような国と、内陸で他国に囲まれて常に敵が押し寄せるリスクがある国では防衛戦略は異なります。地理という、人間の力で変えられないものを前提に、世界の国々の戦略を俯瞰することに地政学の本質があります。 歴史をさかのぼると、最初に地政学が注目されたのは19世紀後半のこと。地理や地形を徹底的に分析したプロイセン王国(現在のドイツ)が

                                            地政学とは?専門家が教える国際情勢を理解するためのキーワード
                                          • 墨東公安委員会 on Twitter: "別に今の中国を引き合いに出さずとも、日本の近代史を見れば、表現規制の本丸はいつだって政治的表現だということは明らかです。政治表現規制の目くらましに、エロの取り締まりを緩くするなんてこともある。実際、昭和初期あたりの日本がそうだった。 https://t.co/CAaHedfc5B"

                                            別に今の中国を引き合いに出さずとも、日本の近代史を見れば、表現規制の本丸はいつだって政治的表現だということは明らかです。政治表現規制の目くらましに、エロの取り締まりを緩くするなんてこともある。実際、昭和初期あたりの日本がそうだった。 https://t.co/CAaHedfc5B

                                              墨東公安委員会 on Twitter: "別に今の中国を引き合いに出さずとも、日本の近代史を見れば、表現規制の本丸はいつだって政治的表現だということは明らかです。政治表現規制の目くらましに、エロの取り締まりを緩くするなんてこともある。実際、昭和初期あたりの日本がそうだった。 https://t.co/CAaHedfc5B"
                                            • 「草食系男子」とジェンダー平等――森岡正博さんに対する前川直哉さんの批判について|社会の片隅から

                                              遠山日出也 目次 はじめに 1 前川さんの主張の要旨 2 森岡さんが言う「内発的な動機」「『男らしさ』からの脱却」とは? 2-1 「内発的な動機」=「いわば利己的な動機」か? 一要因としての「男女平等思想」 2-2 「『男らしさ』からの脱却」の具体的内容は? 女性を縛る「女らしさ」や性別役割とは無関係か? 3 草食系男子の恋愛全体のジェンダー平等/差別性を検討する必要 4 森岡さんが指摘する草食系男子の特徴から 5 森岡さんによる草食系男子へのインタビューから 5-1 コミュニケーションにおける性別役割 5-2 労働における性別役割分業 5-2-1 全体的には、性別分業に対して柔軟な傾向 5-2-2 子どもが小さいうちは妻が家庭にいることを望む意見について 6 草食系男子は、ジェンダー平等への第一歩はすでに踏み出している 7 「男らしさ」に乗らないことは必ずしも「生きやすい」「利己的な」選

                                              • 花巻遊郭(岩手県花巻市)|おいらんだ国酔夢譚|

                                                東北の北に位置し、日本の都道府県の中で2番目に大きい岩手県。 地図で見るとそれほどではないと思いますが、実際電車、それも各駅停車に乗って岩手県を縦断してみると、その大きさを体感することができます。 そんな岩手県のちょうど真ん中あたりにあるのが花巻市。温泉や岩手県唯一の空港があるところですが、少し前は野球の大谷翔平選手(地元の花巻東高校出身)で盛り上がったところでもあります。 現在はひっそりとしている地方都市ですが、そんな中、人でごった返している場所があります。 マルカン大食堂です。 デパート、百貨店とくれば「デパ地下」が外国人観光客の間でも話題となりましたが、かつては階上の大食堂が風物詩でした。関西でも、梅田や神戸三宮の阪急百貨店や、難波の高島屋が名物でした。あそこで洋食を食べるのが一つのステータスだった時代もあり、私が幼い時にもそれは残っていたことを肌で感じていました。 マルカン大食堂に

                                                • GitLab、リモートワークの最新調査を公表「リモートは未来の働き方ではなく、未来の生活」 ——リモートワーカーが在宅勤務のメリットを評価。課題も捉える | gihyo.jp

                                                  GitLab、リモートワークの最新調査を公表「リモートは未来の働き方ではなく、未来の生活」 —⁠—リモートワーカーが在宅勤務のメリットを評価。課題も捉える DevOpsライフサイクルに対応するオールインワンアプリを提供するGitLabは、完全リモートワークを実施している企業です。GitLabのリモートワークについては、リモートマニフェストやその資料にて確認できます。 またGitLabでは、リモート文化の創造における課題と解決策を共有することにより、他の企業が未来の働き方を受け入れるきっかけとなるよう、研究調査を行っています。 そして今回GitLabは、リモートワークに関する最新レポート「Out of the Office: How the world adapted to working remotely in 2020」を公開しました。コロナ禍によっていかにリモートワークをめぐる状況が形

                                                    GitLab、リモートワークの最新調査を公表「リモートは未来の働き方ではなく、未来の生活」 ——リモートワーカーが在宅勤務のメリットを評価。課題も捉える | gihyo.jp
                                                  • 〈特別公開〉旭川いじめ自殺と「いじめ後遺症」(斎藤環)

                                                    ※『世界』2024年10月号収録の記事を特別公開します。 はじめに 2021年2月、旭川市立中学校2年生(当時)であった廣瀬爽彩(さあや)さんが、厳冬の最中にもかかわらず軽装のまま家を出て近所の公園で凍死し、およそ1ヵ月後に遺体で発見されるという痛ましい事件が起きた。彼女の置かれた状況から、自殺であったと推定されている。何よりもまず、廣瀬爽彩さんのご冥福を心よりお祈りしたい。 この事件を受けて、市教委の第三者委員会によるいじめ重大事態の調査がなされ、2022年9月、調査報告書が提出された。しかしこの報告書では、いじめと自殺との因果関係は「不明」とされていた。今津寛介市長は、遺族が調査報告書の内容に不満を抱いており、再調査を強く求めていることを踏まえ、あらたに旭川市いじめ問題再調査委員会(以下「同委員会」)を設置した。同委員会は教育評論家の尾木直樹氏を委員長として、弁護士、心理学者、精神科医

                                                      〈特別公開〉旭川いじめ自殺と「いじめ後遺症」(斎藤環)
                                                    • 陰謀論者まとめ【当note目次】|みんなの陰謀論

                                                      ■ スピリチュアル系 陰謀論者名前       (所属)    【陰謀度】・陰謀要素 あ~め~ (和み屋)    【Lv.5】・スピ系・出張ヒーリング・反ワク 饗場公三                  【Lv.5】・スピ系・反ワク ayuko                      【Lv.5】・スピ系・食品デマ・ドテラ 市村よしなり          【Lv.5】・スピ系・オカルト・反ワク・不正選挙 伊藤正哉 (参政党)    【Lv.5】・反グローバル・スピ系・反ワク 江原啓之 (ワタナベ)【Lv.5】・スピ系・反ワク・緊急事態条項反対 遠藤愛子 (杜のcafe Syana)【Lv.5】・スピ系・UFO・人工地震・反ワク 大隈優子 (元参政党)【Lv.4】・反LGBT・反ワク・エセ医療・スピ系 大瀧智貴                  【Lv.4】・算命学・日本保守党支持・反SD

                                                        陰謀論者まとめ【当note目次】|みんなの陰謀論
                                                      • 【インタビュー】「だれがみずから自由を手放すだろうか」──2010年代と現在をめぐって/酒井隆史

                                                        編集部より 本インタビューは、酒井隆史『賢人と奴隷とバカ』(亜紀書房、2023年)の刊行を機に『図書新聞』(2023年10月28日号 3612号)に掲載されたものである。本インタビュー記事に、酒井隆史氏ご本人に加筆・修正を加えていただき、ここに「完全版」を再録することとなった。 他社より刊行された書籍についてのインタビューをここに再録するのは、本インタビューでも触れられる「エキストリーム・センター(過激中道)」や「1968年」に関する論集の企画を弊社で進めていること、また本インタビューが(2023年のみならずこの十数年の諸問題の「核」を整理することで)、新たな年へ向かい「おなじことをくり返すこと」からの脱却の契機となることを期待してのことである。 今回も転載をご快諾くださった『図書新聞』編集部、そして本書を世に問われた亜紀書房、とりわけ西山大悟氏に厚く御礼申し上げたい。 『図書新聞』掲載時

                                                          【インタビュー】「だれがみずから自由を手放すだろうか」──2010年代と現在をめぐって/酒井隆史
                                                        • 『ユーゴスラヴィア現代史 新版』によせて

                                                          山崎信一・鈴木健太 ※8月27日に刊行となった『ユーゴスラヴィア現代史 新版』。歴史学の名著として知られた旧版を改訂するさなかに、著者・柴宜弘さんが急逝されました。その思いを引き継いで出版作業にあたられた山崎信一さん、鈴木健太さんに、本書の意義をご執筆いただきました。 柴宜弘著『ユーゴスラヴィア現代史 新版』が、このたび無事に刊行の運びとなった。本来であれば、著者自身がその紹介にあたるところであろうが、著者の柴先生は、残念ながら本年5月28日に急逝された。1996年に岩波新書の一冊として、『ユーゴスラヴィア現代史』(以下、「初版」)が出版されてから25年を経て、今回「新版」の刊行に至った詳しい経緯、かつてのゼミ生が校正を引き継いだ経緯などは、「新版」巻末の追記に記されているので、詳しくはそちらをご覧頂ければと思う。ここでは、紙幅の関係もあり追記において触れることのできなかった点、すなわち本

                                                            『ユーゴスラヴィア現代史 新版』によせて
                                                          • 『【山上徹也容疑者に関連して】思い出したこと』

                                                            日本史野島博之 のグラサン日記 学研プライムゼミ特任講師。 朝日カルチャーセンター講師。 社会専科最高顧問。 授業ではいつも、歴史に秘められた、予想もしなかったような断層にハッとする感覚を大切にしたいと考えている。 皆さん、こんにちは。 いつも本当にありがとう。 大昔の話。 1970年代末、僕が大学にはいったころは、多分、国際勝共連合(統一協会、現・世界平和統一家庭連合)の活動の最盛期だった。 統一協会は、主要大学に原理研究会(原理研)という聖書サークルを組織して、熱心に学生を勧誘していた。 参加すると、しばしば洗脳されてしまい、僕も何度か新宿西口あたりで必死になって高額な壺を売っている大学生の姿を目撃した。 入学直後から学内はいつも騒然としていた。 原理研のメンバーと「反原理共闘」に共鳴する学生が連日のようにあちこちで小競り合いをくりかえしていた。 5月か6月ごろ、ひょんなことから、僕は

                                                              『【山上徹也容疑者に関連して】思い出したこと』
                                                            • 【悲報】れいわの下野市議、地元企業への攻撃の盾になった暇空茜を褒めただけで粛清されてしまう : 痛いニュース(ノ∀`)

                                                              【悲報】れいわの下野市議、地元企業への攻撃の盾になった暇空茜を褒めただけで粛清されてしまう 1 :名無しさん@涙目です。:2024/06/29(土) 19:10:17.05 ID:iHYlUqWv0.net 【悲報】れいわ議員、粛清される pic.twitter.com/2uU0yH74Cj— なる (@nalltama) June 29, 2024 https://x.com/Miyuki46shigi れいわ新選組🐾山下みゆき(栃木県 下野市議)🐾@Miyuki46shigi 岩下の新生姜 栃木県の誇りです! 2: 名無しさん@涙目です。(茸) [BR] 2024/06/29(土) 19:11:15.95 ID:dyoXjKeU0 処されました 3: 名無しさん@涙目です。(みかか) [ニダ] 2024/06/29(土) 19:12:16.93 ID:UrBtdjFK0 日本よ

                                                                【悲報】れいわの下野市議、地元企業への攻撃の盾になった暇空茜を褒めただけで粛清されてしまう : 痛いニュース(ノ∀`)
                                                              • 戦いの虚しさと恐怖を語り継ぐ──現在のウクライナ戦争下の世界情勢の中で観るべき東欧映画11本|Knights of Odessa

                                                                戦いの虚しさと恐怖を語り継ぐ──現在のウクライナ戦争下の世界情勢の中で観るべき東欧映画11本|Knights of Odessa 私、Knights of Odessa は、「死ぬまでに観たい映画1001本」を通して知ったフランチシェク・ヴラーチル監督によるチェコ映画『マルケータ・ラザロヴァー』(1967年)の力強さと、フサーリク・ゾルタン監督によるハンガリー映画『Szindbád』(1971年)の摩訶不思議さに惹かれて以降、東欧映画を400本ほど鑑賞してきた。今回は「現在のウクライナ戦争下の世界情勢の中で観るべき東欧映画」として、関連する11本の作品を紹介したい。 本題に入る前に、2点ほど明確にしておくべきことがある。1点目は、今回の記事のテーマが「現在のウクライナ戦争の状況を知るために観るべき映画」ではないことだ。ウクライナでは、特に2014年のクリミア併合以降の期間に、ロシアとの問題

                                                                • 2019.07.14 アヘン中毒にさせられた中国とされなかった日本:運命を分けた大英帝国の侵略術|坂元誠幸(note premium creator)

                                                                  幕末の志士が涙を呑んだ事件がありました。 1858年、開国した日本はアメリカ・イギリスと条約を結びました。 不平等条約の締結です。 その内容は、 1.領事裁判権の承認 日本国内で外国人が罪を犯した時に、日本の法律ではなく、その外国人の出身国の領事が自国の法律で裁く というものや、 2.関税自主権の放棄 他国の商品を日本が輸入して売る際に、その商品にかける関税額を日本では決められない というものなど、日本には不利なものばかりで、当時の志士たちは涙を呑むほかありませんでした…。 ここまでは教科書にも載ってあり、皆さんもご存知かもしれません。 しかし…、この不平等条約には教科書では教わらないもう一つの重要な事実がありました。 それは、条約の第4条に明記されている歴史的にも重要なことなのに、大河ドラマや歴史の教科書では、決して表にはでてくることはない「日本へのアヘン輸入」が明記されていたということ

                                                                    2019.07.14 アヘン中毒にさせられた中国とされなかった日本:運命を分けた大英帝国の侵略術|坂元誠幸(note premium creator)
                                                                  • ガメ・オベールの日本語練習帳 ver.8

                                                                    マリーアントワネットの首が絶叫するゴジラの演奏を見ただけで、見たかった「フランス式悪趣味」を堪能したので、開会式の他の部分は、見る必要がなくなって、結局、見ないで終わってしまった。 フランスに対しては色々偏見があるが、あんまりパリ・オリンピック開会式を見る気がしないのは、どちらかといえば現代オリンピックそのものに偏見があるからでしょう。 超人化した人間たちが競う競技自体が面白くないわけはないが、それは合図の号砲が鳴ってから、…あれ、号砲って、もう使わない日本語かな?まあ、いいや、日々大量に死語が生産されるのは日本語という短命言語の宿命なので、そんなもの、いちいち気にしていたら何も書けなくなってしまう… 鳴ってから、ゴールまで、あるいは投擲されたジャベリンが地面に突き刺さるまで、いくらでも出回る動画を見れば済むことで、そこに至る、祭典を盛り上げるための選手の感動逸話みたいなものは、つまらない

                                                                      ガメ・オベールの日本語練習帳 ver.8
                                                                    • 村井邦彦×吉田俊宏『モンパルナス1934~キャンティ前史~』連載スタートに寄せて

                                                                      村井邦彦と吉田俊宏による新連載『モンパルナス1934~キャンティ前史~』の本編スタートに先駆けて、両人より寄せられた序文を掲載する。なお、関係各者との対談企画「メイキング・オブ・モンパルナス1934」の第一回として、村井邦彦と細野晴臣の特別対談も同時掲載しているので、こちらも読まれたい。【村井邦彦×細野晴臣「メイキング・オブ・モンパルナス1934」特別対談】(編集部) 村井邦彦による序文 「おまえ、緑色のスパゲティーを食べたことあるか」 ある土曜の昼下がり、友人の山田和三郎が言った。僕はケチャップで味つけした真っ赤なナポリタンしか知らなかった。 「緑色をしたバジリコってやつを出す店ができたんだ。連れていってやるよ」 信号が赤から緑に変わったように、僕の人生が前に進み始めた瞬間だった。 僕はジャズサックス奏者の吉本栄さんに弟子入りしてアルトサックスを習っていた。和三郎はレッスン仲間の一人だっ

                                                                        村井邦彦×吉田俊宏『モンパルナス1934~キャンティ前史~』連載スタートに寄せて
                                                                      • リビングから世界へ?!(中学受験対策の話) - 3姉妹の子育てヒント集

                                                                        こんにちは。3姉妹の子育てパパで、教育担当です。我が家では、リビングの出窓に地球儀を置いて、国名がニュースで出たらすぐに探させるゲーム(勝手に我が家で作成)に使っています。 手前の地球儀は、ビーチボール素材の地球儀ボールなので、ボールとして遊ぶことも可能です。 中学受験には世界地理は直接は必要ないのですが、近代史に出てくるし、一般常識として小さいころから身に着けたほうがいいかな?と思って遊びながら国名を覚えるようにしています。 ちなみに、旧ソ連が解体して独立した中央アジアの国々(なんとかスタン系の国)は、私が学生のころにはテストに出題されなかったので、覚えておらず(ただ忘れただけ?)、子供のほうが詳しいです。 それでは、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。 以下、ポチッと押していただけると助かります!! みなさまには、いいことがありますように。 2021.06.17初版

                                                                          リビングから世界へ?!(中学受験対策の話) - 3姉妹の子育てヒント集
                                                                        • 【一聞百見】世界の美術を和歌山から変える 県立近代美術館の学芸員・青木加苗さん

                                                                          撮影の人気スポットである美術館の階段の踊り場に立つ青木加苗さん。「多忙な年末年始でした」と振り返った=和歌山市(鳥越瑞絵撮影) 長い歴史を持つ国際博物館会議(ICOM)の美術館・コレクション国際委員会(ICFA)で昨年9月から委員長を務めているのが、和歌山県立近代美術館の学芸員、青木加苗さん(44)。このポストに、まだ40代の若さの非欧米人女性が就いたというのはなかなかの快挙に違いない。「世界」と「和歌山」という複眼思考で、青木さんは「美術館の未来」をこれからどう描いてゆくのだろうか。 移民県の歴史に向き合って「信じられない、この数カ月でしたね」 そういって、思い切り笑った。実際、笑い飛ばしてしまうしかないほどの忙しさだったのだろう。 彼女の勤務地である和歌山は、海外への移民が日本で6番目という「移民県」。もちろん、その中には、移り住んだ先で美術を志す人もいた。とりわけ、石垣栄太郎やヘンリ

                                                                            【一聞百見】世界の美術を和歌山から変える 県立近代美術館の学芸員・青木加苗さん
                                                                          • 景福宮の不法占領を明らかにした「日本の良心」中塚明教授死去

                                                                            日本の朝鮮侵略史研究の権威 日本軍による景福宮占領の真実を明らかに 羅州東学謝罪碑の建立を導く 「日本、植民地支配の違法性を認めるべき」 日本の歴史歪曲を批判し、「日本の良心」とも呼ばれた奈良女子大学の中塚明名誉教授(写真)が29日死去した。享年94。 故人と親交の深い円光大学のパク・メンス名誉教授は30日、肺がんで闘病してきた中塚教授が前日亡くなったことを遺族から聞いたと明らかにした。 大阪出身で京都大学史学科を卒業し、日本近代史を専攻した故人は、1960年代から日清戦争をはじめとする近代日本の朝鮮侵略史研究に力を入れ、多くの研究成果をあげた。故人が1997年に出した『歴史の偽造をただす―戦史から消された日本軍の「朝鮮王宮占領」』は、1894年に日本軍が行った景福宮不法占領の真実を詳細に記録した日清戦争の「戦史草案」を探し出し、日本軍の景福宮不法占領の真実を100年ぶりに明らかにした力作

                                                                              景福宮の不法占領を明らかにした「日本の良心」中塚明教授死去
                                                                            • 日本近・現代史研究入門 - 岩波書店

                                                                              日本近代史・現代史の論文を書く、すべての初学者のために――。テーマの決めかた、史料について、調査の方法、目次のつくりかたなど歴史研究の基盤を、論文執筆の作業フローに即して基本から解説。第一線の研究者たちが提供する大きな見取り図が、研究史と向き合うあなたを助けてくれる。必要なことは、この一冊で分かる! はじめに 何が悲しくて研究するのか? この本は何のために書かれているのか なぜこんな本が必要なのか それでも研究するのか? 第Ⅰ部 研究を始めよう 論文を書き終えるまで……松沢裕作・高嶋修一 1 とりあえずテーマを決める テーマとは何か 最初は思いつきでもよい 史料の有無 たいていのことは誰かが研究している ──先行研究の有無 なぜその研究対象・研究テーマを思いついたのか 何も思いつかない場合 テーマの見直し 2 先行研究をつくる 何がどう「先行」するというのか とりあえず検索してみよう 入門

                                                                                日本近・現代史研究入門 - 岩波書店
                                                                              • 社会主義と資本主義と少数民族 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

                                                                                たまたま見かけて買った芳賀日出男『秘境旅行』(角川文庫)は、61年前に出た本が3年前に再刊されたもので、北は北海道の果てから南は(米軍支配下だった)沖縄まで、全国の秘境の姿を写真とともに描き出した名著ですが、その中の網走のオロッコ族の話は、近代史の荒波に揉まれた少数民族の姿が浮き彫りになっていて、何回も読み返しました。 https://www.kadokawa.co.jp/product/321902000166/ 網走〈日本国籍を持つ北アジア系のオロッコ族を訪ねて〉―北海道― オロッコ族やギリヤーク族は、戦前日本領だった樺太の先住民族で、その一部が戦後北海道の網走に住み着いていたのです。それを聞いた著者の芳賀は、網走に出かけて博物館の館長の紹介で網走に住むオロッコ族の人々に会いに行きます。 芳賀がオロッコ族の祭りを見せてくれと頼み込み、仕方なくそれに応じて踊ったら神様が焼けてしまい、祝祭

                                                                                  社会主義と資本主義と少数民族 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
                                                                                • イギリスこそが世界最大の侵略国だった~~「戦争文化叢書」を読む2

                                                                                  前回はに引き続き、GHQが大半の書籍を焚書処分した世界創造社の「戦争文化叢書」の中から、今回は『英国の世界統治策』(GHQ焚書)という本を紹介させて頂きたい。 イギリスは如何にして植民地を獲得したのか この本の第一章は「如何にして植民地を獲得したか」だが、冒頭で、当時イギリスの植民地となっていた国々の名前が2ページに亙って列記されている。 こういう話は文章よりも地図で確認した方がわかりやすい。上の画像は第一次世界大戦勃発時の世界の植民地の地図だが、この当時アジア、アフリカ、オセアニアの大半の国々は、欧米列強国の植民地であった。サーモンピンク色で表示された部分がイギリスの植民地であるが、イギリスはかつて 全世界の陸地と人口の4分の1を版図に収めた世界史上最大の面積を誇った帝国であった。これだけの植民地を、イギリスはいかなる方法で獲得していったのであろうか。 大西洋を渡ってアメリカから財貨をも

                                                                                    イギリスこそが世界最大の侵略国だった~~「戦争文化叢書」を読む2