印刷 メール 〈想・記・伝〉頼れる記録の器求めて 〈集積〉東京国立近代美術館フィルムセンター相模原分館は、6万3千本の映画フィルムをアルミ缶に入れて所蔵している。室温5度、湿度40%という空調管理のもと、フィルムは化学変化を抑えられ、400年保管することも可能という。ここ10年でフィルム所蔵数は倍増。昨年、26万本を保管できる保存棟を新設した。写真・伊奈英次 ドイツ中部、ワイマール。人口6万人余りの町に2004年のある夜、紅蓮(ぐれん)の炎があがった。出火元は世界遺産の「アンナ・アマリア図書館」。館名に名を残す18世紀の公爵夫人が中心となって集めた100万冊の蔵書のうち、天文学者コペルニクスの希少本など5万冊が焼失した。焼け跡から集めた2万8千冊は、燃え残ったページを新たな紙にすき直したり、和紙で補修したりして、復元が進んでいる。 ■つきまとう「はかなさ」 底冷えの厳しい英国・ケンブリッジ