大阪は変わった土地である。全国紙各紙は「大阪本社」を持ち、巨大オフィスを有している。大阪に本社を持つテレビ局は「準キー局」とも称され、多くの番組を自ら制作する。これらの「大阪本社」や「準キー局」から全国に配信される記事や番組も少なくない。 しかしそれにより大阪の状況が東京と似たものになっているか、と言えばそうではない。大阪のメディアの在り方には固有の「偏り」があるからだ。例えば、全国紙の「大阪本社」には社会部はあっても、政治部は存在しない。だから大阪からの政治に関わる情報発信も「社会部」的なものとなる。東京では都政の是非が国政との絡みで詳しく報じられる。しかし、大阪では府政について同じ深度で報じられることはない。またその内容も、良くも悪くも社会問題的な観点からの批判要素が強くなりがちだ。 他方、テレビ局は異なる「偏り」を持っている。メインニュースを東京キー局からの配信に頼る大阪各局が作る番
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