「リーマン・ブラザーズ破綻の翌日が日本の新聞休刊日だったため、そのニュースを新聞で読むことはできなかった」と、前々回(http://diamond.jp/series/noguchi/10041/)で述べた。 このとき、全米3位の証券会社であるメリルリンチは、急遽バンク・オブ・アメリカに身売りした。また、アメリカ最大の保険会社AIGが実質的に政府の管理下に入った。アメリカの金融業界は、わずか数日間で姿を一変させてしまったのである。日本の新聞は、この重大ニュースを必要なタイミングでは報道できなかったわけだ。 休刊日以外の日にも、新聞ではニュースが間に合わないという事態が続いた。たとえば、9月30日に米連邦議会が金融安定化法案を否決したときには、翌日の朝刊はそのニュースを掲載することができなかった。 株価も為替レートも、めまぐるしく揺れ動く情勢に振り回されて、ジェットコースター並みのスピードで