正直に告白すると、この原稿を書くのは気が重い。NHKが報じた「子供の貧困」特集で、家庭の窮状を訴えた高校生のツイッターが特定され、ネットで集中的にバッシングされた件についてである。自身もよくネットで炎上してしまう者として、誤解に基づく記事や中傷的な書き込みが一生ネットに残ることの気持ち悪さ、誰を責めて良いのかわからず結局自分をすり減らす虚しさなど、炎上が文字通り「業火で身を焼かれるような苦しみ」であることが思い出される。この件について書くこと自体が、バッシングされた彼女を苦しめる「炎上」に火をくべることにならないか。だからできるだけ彼女の個人情報(ツイッターやテレビでの発言など)には触れず、炎上した細かな内容についても説明を避ける。その上で今回は、少し別の視点からこの問題を掘り下げることにする。 NHKの番組に登場した女子高生のツイッターが暴かれ、叩かれる様子は見ていていたたまれなかった。
![貧困女子高生という安易な「記号」に飛びついたNHKとネットの呪縛](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e491052c0340dcea0fbdcebc484353e9bef82435/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fcdn.ironna.jp%2Ffile%2Fw480%2Fh360%2Faceb28810048de36717312273ac30953.jpg)