日豪両政府は、自衛隊とオーストラリア軍がそれぞれ相手国で共同訓練を実施する際の隊員の法的地位を定める新たな協定について、3月末をめどとしていた締結交渉の妥結を先送りする。死刑制度を廃止したオーストラリア側が日本国内での犯罪に関して死刑の適用除外を求め、折り合えていないためだ。日本政府関係者が29日、明らかにした。 日本側が応じられない背景には、類似の協定である日米地位協定でも、米軍隊員の公務外の犯罪については優先的に行使できる第1次裁判権が日本にあり、死刑適用は排除されていないため。外務省幹部は「死刑は日本の司法制度の根幹。時間をかけて交渉する」と話す。 (共同通信)