世界は新たな「学歴社会」に突入している。経営の第一線やデジタル分野では高度な知識や技能の証明が求められ、修士・博士号の取得が加速する。主な国では過去10年で博士号の取得者が急増したのと対照的に、日本は1割以上減った。専門性よりも人柄を重視する雇用慣行を維持したままでは、世界の人材獲得競争に取り残されかねない。「日本人だけでは定員を埋められない。経済学の修士課程は7割が留学生だ」。データ分析を駆
前回、「日本経済をスカスカにした真犯人、日本発『多国籍企業』の罪と罰」で、「2つの日本経済の分裂」に我が国の空洞化の原因を求めた、米国在住の作家・冷泉彰彦さん。さらに冷泉さんは今回、自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で、先進国の中で最低にまで沈んだ日本の生産性再浮上を阻む「5つの問題点」の存在を指摘しています。 【関連記事】● 日本経済をスカスカにした真犯人、日本発「多国籍企業」の罪と罰 日本の生産性はスカスカ 日本的空洞化の研究その2 日本生産性本部という団体があります。正直に毎年「労働生産性の国際比較」を公表しており、2018年12月には「日本の時間当たり労働生産性は47.5ドル(4,733円)、OECD加盟36カ国中20位」などというプレスリリースを出しています。今年もそろそろ2019年の分を出すのだと思いますが、とりあえずこの2018年バージョンを見てみると、 2017年
人材紹介のヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンは2019年11月21日、高いスキルを持った人材の需給効率を分析した調査「グローバル・スキル・インデックス」の結果を発表した。高スキル人材の確保が容易かどうかを示す指標「人材ミスマッチ」で、日本は調査対象34の国・地域の中で下から2番目だった。AI(人工知能)やビッグデータの技術者が特に不足している状況も改めて浮き彫りとなった。 人材ミスマッチをはじめ、市場のニーズに適した教育制度を整えられているかを示す「教育の柔軟性」や、高スキル人材の過不足を賃金面から評価する「専門性の高い業界における賃金圧力」など7つの指標を0~10で数値化した。最適な状態を「5.0」とし、10に近づくほど「人材の確保が難しい」「教育制度が人材供給に役立っていない」「人手不足などで専門業界の賃金が上昇する圧力が高い」といった状況を示す。人材ミスマッチにおける
官民ファンドからの公的資金の支援を受けている液晶パネルメーカー、ジャパンディスプレイは、経理を担当する幹部社員が5億7000万円余りを着服し、懲戒解雇していたことを明らかにしました。 社内の内部通報で明らかになり、会社の調査に対し、この社員はギャンブルに使ったなどと着服を認めたということで、会社は去年12月に懲戒解雇したうえで警察に刑事告訴しました。 ジャパンディスプレイは、日立製作所、東芝、ソニーの3社の液晶パネル事業を統合して発足したメーカーで、官民ファンドから公的資金4600億円余りの支援を受けていますが、その後も債務超過に陥るなど厳しい経営状況が続いています。 会社は「不正行為を把握できなかったことは誠に遺憾であり、法令遵守の徹底と管理体制の強化に努めていく」とコメントしています。
若い頃は安い給料で働かされ、中高年になれば「働かない。高い給料をもらっているのに」と批判される――。これには日本型雇用の構造的な問題が隠れていそうです。「働かないおじさん」はなぜ存在するのか。人材開…
アメリカでグーグルの副社長を務め、このほどパナソニックに転身した松岡陽子さんが都内で記者会見し、AI=人工知能などの専門知識を生かして新たな製品やサービスを生み出したいと抱負を述べました。 松岡さんは31日記者会見し、体に障害がある人が、脳の信号でものを動かせる装置を開発したことなど、脳科学やAIの研究に取り組んできたことを紹介しました。 また、パナソニックに転身した理由について、松岡さんは「仕事や子育て、家事などをすべて完全にこなすのは難しく、これを変えていけるような製品やサービスの開発に携わりたいと考えた」と述べました。 そして、「従来の家電からセンサーまで、これだけ幅広く手がけている会社は、世界的にもあまりなく、専門のAIやロボットの知見を生かして、人々の暮らしをよくするものをつくりたい」と抱負を述べました。 会社によりますと、松岡さんは、シリコンバレーを拠点とし、家電や通信、AIな
その要因は複合的ですが、目につくのは日本の大企業の没落です。89年には世界の企業の時価総額ランキング上位50社の中に、日本企業は32社ありました。それが18年、ランキング入りしていたのはトヨタ自動車の1社だけです。 そのひとつの象徴が、日本のエレクトロニクス産業の敗北でした。私の考える「敗北」とは、事業の赤字が続くこと、ないしは事業を縮小・撤退することです。スマホで負け、有機ELで負け、GAFAには及びもつかない。5G技術にしても、蚊帳の外です。 こうした現状が生じたのは、1990年代から2010年ごろにかけての薄型テレビ戦争で、日本メーカーが敗れてお金がなくなったことに起因します。結果、薄型テレビに続くスマホや有機ELなどの次世代製品の開発で後れをとり、GAFAのようなプラットフォームビジネスや、5Gのようなさらに次世代のテクノロジー競争にも置き去りにされてしまいました。
1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用人工知能論講座修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現KLab)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、グーグル、楽天の事業企画・投資・新規事業に従事。経済産業省対外通商政策委員、産業技術総合研究所人工知能研究センターアドバイザーなどを歴任。 単著に『ネットビジネス進化論』『ITビジネスの原理』『どこでも誰とでも働ける』、共著に『アフターデジタル』『ダブルハーベスト』などがある。 『週刊ダイヤモンド』特別レポート ダイヤモンド編集部による取材レポートと編集部厳選の特別寄稿を掲載。『週刊ダイヤモンド』と連動した様々なテーマで、経済・世相の「いま」を掘り下げていきます。 バックナンバー一覧 肉などのタンパク
日本の生産性が主要先進国の中で最下位といわれて久しい。その理由はさまざま語られてきたが、日本経済の栄枯盛衰を30年にわたって分析してきた元ゴールドマン・サックス金融調査室長で、小西美術工藝社社長のデービッド・アトキンソン氏は、新刊『国運の分岐点』で「中小企業が日本の生産性が低い原因」だと述べて、議論を呼んでいる。日本の高度経済成長を支えてきたと考えられてきた中小企業が、なぜ生産性が低い原因なのか。「日本人は中小企業崇拝を止めるべき」と主張するアトキンソン氏にその理由を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 林 恭子) 日本の生産性が低いのは 中小企業が多すぎるから ――中小企業が日本経済を支えてきた日本の強みだという「中小企業神話」が、日本人には当たり前のように浸透しています。しかし、それに対して「中小企業崇拝を止めるべきだ」「中小企業が日本の生産性が低い原因だ」と主張されているのはなぜです
近年、富裕層を中心に、子どもを幼少のうちに海外留学させたり、国内のインターナショナルスクールに通わせたりと、国際感覚を身に着けるための教育がひとつのトレンドになっている。本連載では、グローバルマーケットの第一線で活躍し、現在は留学サポート事業などを手がける株式会社ランプライターコンサルティングで代表取締役社長を務める篠原竜一氏が、グローバル人材を目指す富裕層の教育事情について、実体験も交えながら解説する。今回は、従来型の新卒採用を続ける日本企業の将来性について考えていきます。 世界で留学生は増えている一方で、日本人留学生は減少 日本の雇用制度である終身雇用制度は、国・企業の政策です。80年代のアメリカで日本的経営が学ばれたように良いところもたくさんある一方で、バブルの崩壊、その後のグローバリゼーションの進展を受け、終身雇用制度という政策は見直しを迫られています。 現在でも、多くの企業の人事
日本から見ると地球の反対側にある最も遠い国であるブラジル。ネイマールなどのスター選手を生み出すサッカー王国であり、街中をサンバのカーニバルが派手に練り歩く、そんなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。 実はブラジルは、ユニコーンと呼ばれる時価総額10億ドルを超えるスタートアップがこの数年で10社も生まれているIT大国です。日本でユニコーンと目されるスタートアップが2〜3社と言われている中で、約3〜5倍の規模感です。 私は2012年からブラジルのサンパウロに移住し、現地で唯一の日本人ベンチャー投資家として、2014年からブラジルのベンチャー企業に対して投資活動をしています。この5年間でブラジルのスタートアップを取り巻く環境は急速に強化され、起業家が成功しやすい環境が整いつつあります。日本では取り上げられることがほとんどないブラジルのスタートアップシーンについて、以下の4回に渡って
Supership、Tencentや百度のAd Exchangeと連携する中国向け広告配信プラットフォーム「京東CLOUD MATRIX 智点(チテン)」を提供開始 ~訪日予兆データを活用したインバウンドマーケティングや越境EC向けのプロモーションが可能に~ Supership株式会社(以下、Supership)は、中国EC大手のJD.comを運営する京東集団のグループ会社である「京東クラウド」との協業第1弾として、中国大手IT企業Tencent(テンセント)と中国最大規模の検索エンジンを提供する百度(バイドゥ)などのAd Exchange(アドエクスチェンジ)との連携を行う中国向けディスプレイ広告配信プラットフォーム「京東CLOUD MATRIX 智点(チテン)」の提供を開始しました。 Supershipは、月間3億人以上のアクティブ顧客数を誇る中国最大規模のECサイト「JD.com」を
農業テーマパーク「ワタミオーガニックランド」の完成予想図の横でほほえむ渡辺氏=撮影・池田正史この記事の写真をすべて見る ワタミが会見で配った資料。ホワイト企業の認定基準を満たしているとアピールしている 過労自殺の裁判で和解したことを受けて裁判所前で取材に応じる渡辺氏=2015年 (c)朝日新聞社 「ブラック企業」の経営者だとして一時強い批判を浴びた人が、約6年を経てトップに復帰した。 【画像】ワタミが会見で配った資料。ホワイト企業の認定基準を満たしているとアピールしている 居酒屋チェーン大手のワタミグループ創業者で元参院議員の渡辺美樹氏は、同社の会長兼グループ最高経営責任者(CEO)に10月1日付で就任した。都内のホテルで7日に会見した渡辺氏は、新しい経営体制や事業戦略を発表した。会見に多くの報道陣が詰めかけた背景には、同社がブラック企業だと指摘されてきた経緯がある。 同社を巡っては200
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ソフトバンク(SB)グループの孫正義会長兼社長(62)が窮地に立たされている。孫氏が組成した10兆円の「ビジョン・ファンド」が投資するシェアオフィス大手・米ウィー・カンパニーが新規株式公開を延期し、さらに米ゴールドマン・サックスが同ファンドへの融資枠(約3300億円)の一部を引き上げる検討に入ったと報じられたためだ。 孫正義・ソフトバンクグループ会長兼社長 ©共同通信社 当初、ウィーは9月に上場予定で、孫氏は「470億ドル(約5兆円)の企業価値がある」と豪語し、110億ドル(約1兆2000億円)を投じてきた。しかし、創業者のアダム・ニューマンCEO(最高経営責任者)による杜撰な経営が暴露され上場は延期、ニューマン氏も辞任に追い込まれ、先行きは不透明だ。 「市場では、ビジョン・ファンドが投資する他のユニコーン企業群についても疑念が持たれ始めています」(大手証券幹部) 孫氏は8月の会見で、ビジ
与信管理を手掛けるリスクモンスターはこのほど、「友人が勤めていると『うらやましい』と感じる勤務先」を20~69歳の男女1000人に聞いた結果を発表した。1位は国家公務員(19.5%)、2位は地方公務員(18.9%)、3位はトヨタ自動車(6.5%)だった。IT企業では、9位にNECと楽天(ともに1.2%)、16位にソフトバンクとNTTデータ(ともに0.9%)がランクインした。 4位以下は、パナソニックと三菱商事(ともに2.1%)、キーエンスと伊藤忠商事(ともに1.8%)、ソニー(1.5%)と続いた。トップ20に入ったIT企業は4社のみだった。 うらやましく思う理由は? 1位・2位の公務員をうらやましく思う理由について、回答者からは「安定した生活ができる」「将来の心配をしなくて済む」「絶対つぶれない」などの声があった。 3位のトヨタ自動車には「世界のTOYOTAだから」「高給取りで働きやすそう
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