ポチの遠吠えが聞こえる 日銀が1月29日、民間銀行から受け入れている当座預金の一部にマイナス金利を導入した。この日は私のコラムが掲載される金曜日だったので、残念ながら、前回コラムでは触れられなかった。1週遅れだが、大事な話なのでコメントしておこう。 まず確認しておきたいのは、実際にマイナス金利が適用されるのは当座預金の全部ではないことだ。昨年12月時点で日銀には約250兆円の当座預金が積み上がっているが、この大部分には従来通り0.1%の金利が銀行に支払われる。マイナス金利が適用されるのは当初、わずか10兆円、その後も多くて30兆円にすぎない。 本来なら、そもそも日銀が当座預金に0.1%の金利を付けていること自体が、まったくおかしい。銀行は日銀に預金しているだけで、何もしなくても0.1%の金利収入を得られてしまうからだ。つまり、銀行に営業努力をしないように促している政策なのだ。 銀行は本来、