「萎縮していく表現 広げたかった」 愛知県の民放局「東海テレビ」は昨年、指定暴力団を長期取材したドキュメンタリー番組「ヤクザと憲法」を映画化した。業界の指針で出演者としては認めないことにしている反社会勢力を取材対象にできるのか。最終的には「『それでも人間』と思えるかどうか」を熟考の末の公開だった。 圡方宏史ディレクター(41)は愛知県警を担当して、警察も暴力団の生態をよく知らないことに気づき、実態を描こうと考えた。大阪・堺市の暴力団を取材をすることになり「謝礼を払わない」「事前に映像を見せない」などを口頭で取り決めた。2014年夏から事務所に約100日間通い、「空気のような存在」になってカメラを回した。「取材にタブーはあるの…