米国の電子書籍市場はここ2年、売上の減少が続いている。米出版社協会(AAP)のデータによると、2017年1〜6月期の電子書籍全体の販売額は、前年同期比4.6%減の5億5570万ドル(約588億円)だった。 売上減少の背景には2015年に出版大手5社が収益確保のために一斉に値上げを行ったことや、「ハリー・ポッター」のような大ヒット作品が近年生まれていないことがあげられている。 しかし、そんな状況下で着実に利用者を伸ばしているのが、図書館の電子書籍の貸出だ。図書館向けの電子書籍流通に特化した企業「OverDrive」は先日、2013年の設立以来、累計の貸出件数が10億件を突破したことをアナウンスした。 OverDriveは日本の「楽天」の傘下の企業。楽天は2015年にOverDriveの全発行済み株式を約4.1億ドル(約433億円)で買収し、完全子会社化を果たしていた。同社は世界4200ヶ所の