秋田県の横手市増田まんが美術館は15日、漫画の原画保存に関する国内唯一の相談窓口「マンガ原画アーカイブセンター」を設置する。漫画家や遺族のほか、出版社や他の美術館などを対象に原画の収蔵方法を助言する。 センター長は大石卓館長が兼務し、同館のノウハウを生かして相談に応じる。原画保存のマニュアルを作成し、研修や勉強会も開く。文化庁の委託事業で期間は2024年度まで。 制作現場ではタッチペンなどデジタル機器を使う頻度が増え、紙に描く漫画家が減っている。原画の希少価値が高まる一方、劣化や散逸が懸念されるという。 大石館長は「地方の廃校舎を活用して原画を保存したいという声も聞く。美術館や博物館にも呼び掛け、原画保存のネットワークをつくりたい」と話す。 同館は19年から本格的に原画のアーカイブ化を進めており、現在さいとう・たかをさんの代表作「ゴルゴ13」などの原画約40万枚を収蔵する。