以前のコラムで「自己責任は自由の原理」だと書きました。自己責任論を否定するあまり、「国家には国民の生命を守る義務がある」といいたてると、国家は国民の自由を制限するにちがいない、と述べたのですが、案の定、シリアへの渡航を計画していたフリーカメラマンに対し外務省がパスポートの返納命令を出す事態になりました。 この問題で不思議なのは、日ごろは「報道の自由」という錦の御旗を振りかざすマスメディアが妙に腰が引けていて、「国家権力の弾圧」を半ば容認していることです。 その理由のひとつは、マスメディアの“フリー”に対する蔑視でしょう。大企業の正社員である新聞やテレビの“ジャーナリスト”は、自分たちの権利が侵されるときには大騒ぎしますが、有象無象のフリーランスの「報道の自由」などどうなっても構わないと思っているのかもしれません。「報道」を独占するには、ヘンな人間が横からしゃしゃり出てくるのは邪魔なだけなの
![国家に母性愛を求めるのは気持ち悪い 週刊プレイボーイ連載(184) – 橘玲 公式BLOG](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/3600ad6b24362f2f89dc4aad0c2d8894d5143b5b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.tachibana-akira.com%2Fwp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2017%2F09%2Fta_400x400.png)