さる受験予備校が出版している小学生向けの(あるいはその父兄向けの)『ドリーム・ナヴィ』という雑誌がある。そこに、子供の難問に対して二人づつの哲学者が答えるというコラムがあって、毎月連載されている。いままで、すでに5回くらい続いているが、それぞれの執筆者の工夫がなかなかおもしろく読ませる。私自身も執筆の依頼をいただいたので、この企画を知ったわけだが、答える方もチャレンジングであるが、それ以上に、その都度の「難問」を考えるのが難問だと思う。「子供の難問」なのだから、必ずしも哲学的なものではないが、哲学者はどうせ暇人だから、答えさせるという企画は悪いものじゃない。とはいえ、子供からこんな難問が出されたら、それに対してどう答えるべきか、大人はだれしも自分なりに考えてみてもいいのではないか? どんな答え方をするにせよ、その内容が子供の記憶に残ることはあるまいが、少なくとも真剣に答えようとした大人の誠