フィリピンの町かどで・・・ある老婆がバナナを10本ならべて道行く人に売っていた。ある人が1本いくらかと聞いたところ、1ペソだという。そこでこの人が、全部つまり10本いっぺんにくれというと、なんと老婆は12ペソだといったという。(p.34) クリフォード・ギアツの経済学―アジア研究と経済理論の間で (社会科学の冒険 (4)) この「不思議」について、ちょいと有名な経済学者、東畑さん*1はこー考える。 おばあさんは売る時にぺちゃぺちゃしゃべりながらお客さんとやっているんだ、売買は楽しみなんだね。いっぺんに買ってしまうと彼女の楽しみを奪ってしまうんだ。・・・(だから)その分を補償しなければならないということになってくる。1つずつなら合計10ペソであるべきものが、一度にすますと12ペソになるのは、こうだからというのがぼくの説明なんです。(p.34) さらに、東畑さんは、口がすべったのか知らんけど、