海外旅行先で美術館や博物館に行くと、観光客らがごく自然に館内を撮影している光景に出合う。実物を見るだけでなく、思い出に画像を残したいという来館者の声を受け、国内でも条件付きで写真撮影を許可する館が増えている。一方、鑑賞の邪魔になったり著作権保護の観点などから禁止している館も多い。ミュージアム内での撮影は認められるべきか、否か。国立西洋美術館の青柳正規館長と、世田谷美術館の酒井忠康館長に聞いた。 ≪酒井忠康氏≫静かな環境で鑑賞したい ●撮影者のマナー悪い --世田谷美術館(東京都世田谷区砧公園)は、入り口付近に撮影禁止を看板で表示している 「個人的には、撮影規制はしたくない。しかし、撮る側はあまりにもマナーが悪い。外国の美術館に行くと、真剣に鑑賞している人のそばでカメラでバシバシ撮っている。軽い気持ちで撮っているのだろうが、それでは静かな環境で鑑賞ができず、他人に迷惑がかかる。美術館はあくま