私の夢が具体的になったのは、中学校の図書室で。そこで「あんな仕事がしたい」と思える人に出会った。 小学校の図書室は休み時間以外は誰もいない薄暗い場所だった。それが中学校には鍵のかかっていない、明るい図書室があった。そこにはいつもある女性がいた。読書くらいしか趣味のなかった私に、いろいろな本との出会いをくれた。 広さも本の数も小学校とそんなに変わらないのに、その人の存在で、古い本が息を吹き返し、人が集まる場所になっていた。私もこんな仕事がしたい。棚に埋もれた1冊1冊の魅力を引き出して、子どもと本、子ども同士をつなぐ、この人みたいな仕事ができたらどんなに素敵(すてき)だろう。そう思うようになった。 十数年後、憧れの「図書室の人」になることができた。その仕事は「学校司書」という名前で、「図書室」ではなく正式には「学校図書館」と呼ぶことを知った。 司書として働いた5年間、たくさんの子どもた
昨秋、英国の画家フランシス・ベーコンの作品がオークションにかけられ、オークションで売られた美術品では最高額とされる、約141億円で落札されて話題になった。いったい美術品の値段は何で決まるのだろうか? 東京国立近代美術館で8月24日まで開催中の「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより」は、作品を楽しみながら、そんなことも考えさせてくれる展覧会だ。企画した主任研究員の保坂健二朗さんに話をきいた。 美術品の価値を決める、3つの要素 美術品の値段を決めるのは、「美的な価値」×「稀少性」×「需要と供給のバランス」の3つが基本だという。 「ただ、美的な価値は文化圏によっても違い、あやふやなところがありますから、稀少性と需給バランスの2つが大きな役割を果たすことになります。そうした観点からすると、実は美的な価値は、価格に関してはあまり重要ではないともいえるのです」 と保
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