〈下図版:資料はアーカイブの要。これらは全て深瀬昌久関連。左上のファイル群は200冊強の雑誌スクラップブック〉 2014年に深瀬昌久アーカイブス(以下、MFA)を起ち上げて、今年で5年目となりました。5か年というのはひとつの節目ですから、起ち上げ当初に私が掲げた目標と、それを実現するためのビジョンを改めて振り返るには丁度良いタイミングでもあります。そこで今回より数回に分けて、物故作家のアーカイブという仕事について書きたいと思います。 アーカイブという言葉そのものは、インターネットが普及した現在においてこそ少しずつ使われるようになりましたが(ブログ投稿やGmailのアーカイブ機能など)、組織名にアーカイブを冠した例というのはまだまだ一般的ではありませんし、そもそもアーカイブという言葉にはどういった意味があるのかということはあまり知られていないと思います。そこで本稿ではアーカイブという言葉の意