タグ

ブックマーク / oda-senin.blogspot.com (8)

  • 新刊『図書館情報学事典』の構想と執筆項目

    来る7月に日図書館情報学会編『図書館情報学事典』(丸善)が刊行される。(タイトルをクリックすると丸善のHPからこの事典の詳細な目次入りのリーフレットを見ることができる。)この事典の編集責任者を務めたので、自分自身で書いた項目についての若干の解説をしてみることで、この事典のコンセプトと売りの部分を書いてみたい。 書の特徴丸善は以前からさまざまな学術分野の事典を刊行してきた。ここ20年ほどそれは同じような体裁の『○○学事典』というタイトルで出ている。同時期に日霊長類学会編『霊長類学の百科事典』、小松久男編者代表『中央ユーラシア文化事典』、日平和学会編『平和学事典』が出るようだ。いずれも、見開き2ページ(一部は4ページないし1ページのものもある)でまとめられ、そうした項目が300前後で構成され、それに引用参照文献、事項索引、人名索引がつけられて、700ページから800ページ程度の中事典で

    新刊『図書館情報学事典』の構想と執筆項目
    stkysm
    stkysm 2023/06/22
  • 『私たちが図書館について知っている二、三の事柄』批判

    10月16日付け朝日新聞の書評欄に標記の(中村文孝・小田光雄著、論創社, 2022年8月刊)の書評が出た(https://book.asahi.com/article/14744652)。「とんでもないを手にとってしまった」で始まる記事の書き手はサンキュータツオという人である。これを要約しておこう。 図書館の数は1970年代からの半世紀で4倍近くになったのに対して、書店は、1990年代以降減り続けている。年間の書籍販売部数よりも図書館の個人貸出冊数の方が多くなった。の購入はアマゾンをはじめとするネット購入と「公営無料貸屋」である図書館が代行するようになった。こうなった理由が、図書館流通センター(TRC)のMARCの利便性にあるが、図書館が自らの存在意義を再定義し損ねた部分もあり、それによって職員は嘱託で済ませ専門性を育めることもない。おしゃれで新刊雑誌や書籍をお茶を飲みながら読める

    stkysm
    stkysm 2022/10/24
  • 国立国会図書館デジタルコレクションの凄さ

    のデジタル化が遅れているという認識の下に、国がデジタル庁をつくって音頭取りをするというご時世だが、国がやっているデジタル関係の事業で文句なくすばらしいと言えるものは国立国会図書館(以下NDL)のデジタルコレクションのサービスである。これは私が同館に関わりがあることを差し引いても断言できる。そしてこれが来年からさらに拡張されて、誰もが来館せずにネットアクセスできることになっている。このことはあまり知られていないのでここで自分で利用した体験を含めて紹介してみたい。 これまでのデジタルコレクション制度の概要国立国会図書館は国の唯一の法定納図書館である。法定納制度は、国内で新しい出版物を出したらそれを同館に納入することを出版者に義務付けるものなので、同館には国内出版物が網羅的に所蔵されていることになる。もちろん実際には出版物の定義の問題があるし、制度の実効性の問題があり、納入されていないも

    国立国会図書館デジタルコレクションの凄さ
    stkysm
    stkysm 2021/12/26
    電子出版アワード2021(第15回)ジャンル賞決定、大賞は「ビジョン2021-2025」https://www.jepa.or.jp/pressrelease/20211222/
  • 「アーカイブ」と「アーカイブズ」は違う

    新著『知の図書館情報学―ドキュメント・アーカイブ・レファレンスの質』の予告 10月に表記のを丸善出版から出してもらう予定です。すでに Amazon には新刊予告が出ています。このは、 『アーカイブの思想ー言葉を知に変える仕組み』 (みすず書房, 2021) の出版後に、求められて書いたり、お話したりした内容をまとめたものです。ここ数年間で 学校図書館...

    「アーカイブ」と「アーカイブズ」は違う
    stkysm
    stkysm 2021/06/15
  • 『アーカイブの思想』の書評

    今年の1月に刊行された『アーカイブの思想』はおかげ様で多くの読者を得つつある。あえてタイトルに「図書館」を入れないで出版してもらったことで版元には心配を掛けたが、それ自体は杞憂に終わった。確かに「図書館市場」というのがあって、そこに焦点を当てれば一定の部数が捌けるのだろうが、今回はこちらの我が侭を通させてもらった。4月に増刷されて当初の目標の販売部数は確保できたものと思う。 最初に、『週刊読書人』4月9日号に掲載された、「アーカイブ図書館を知り、よりよく活かす 対談=根彰・田村俊作『アーカイブの思想』(みすず書房)刊行を機に」を紹介しておく。 https://dokushojin.com/reading.html?id=8084 田村俊作さんは慶應の図書館情報学専攻にずっとおられた方で辞められた後に、私が入れ替わりで入った経緯がある。その意味で互いによく分かっている者同士の話し合いとい

    stkysm
    stkysm 2021/05/09
  • オンライン資料の納本制度の改定について(2)

    オンライン資料の納制度についての私論前項に続いて、このオンライン資料やデジタル資料の利用についていささかの私見を述べておく。関連の論考として、根彰「知識資源のナショナルな組織化」(根彰・齋藤泰則編『レファレンスサービスの射程と展開』日図書館協会, 2020, p134-162)があるので併せて参照されたい。なお、オンライン資料以外の、従来の納制度の対象資料と対応するデジタル資料の納制度の必要性については最後に述べておきたい。 NDLのデジタル化戦略デジタル資料を梃子にしてNDLの現代化を図るというのは、かつて2007年から2012年にNDL館長を務めた長尾真氏が取り組んだものである。長尾氏の館長時代にNDLは資料のデジタル化、納資料に電子出版物やオンライン資料を含めること、そしてインターネット資料の自動収集制度を始めた。これらは従来の図書館が対象とする資料の範囲をデジタル資料

    オンライン資料の納本制度の改定について(2)
    stkysm
    stkysm 2021/05/09
  • 「サブジェクトライブラリアンの将来像」に参加して

    日3月15日、東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門の主催で標記のシンポジウムがオンラインで開かれ参加した。この図書館は昨年10月に開設され、この4月からここに3名の「サブジェクトライブラリアン」が配置されるということである。東京大学にこうしたポストができるというのは画期的なことであるだろう。 http://u-parl.lib.u-tokyo.ac.jp/archives/japanese/mh4 プログラム [ 第1部 ] 9:30 〈開会の辞〉 蓑輪 顕量(U-PARL部門長、人文社会系研究科教授) 9:35 〈アジア研究図書館の紹介〉 小野塚知二(アジア研究図書館館長、経済学研究科教授) 9:50 〈趣旨説明〉 中尾道子(U-PARL特任研究員) 10:15 〈報告1〉 吉村亜弥子(シカゴ大学図書館研究ライブラリアン) ■  米国サブジェクト・ライブラリア

  • 『公共図書館が消滅する日』への疑問

    昨日届いた『図書館界』72巻4号を開き、新出さんによる、薬師院仁志・薬師院はるみ著『公共図書館が消滅する日』(牧野出版, 2020)の書評を読んでみて、喉のつかえがとれた感じがしました。というのは、このが何を主張しているのかがよく理解できず、もやもやしていたのに対して、すっきりと問題点を整理してくれているからです。この書評をきっかけとして、このの問題点について論及しようと思います。 戦後の日の公共図書館界では、国の統制を避けて個々の図書館(員)が住民と連帯しつつ自発的な活動をすることで発展できるという論理を組み立ててきました。ここに関わる団体としては、日図書館協会(日図協)、全国公共図書館協議会(全公図)、図書館問題研究会(図問研)、日図書館研究会(日図研)などがあります。日図協は言わずと知れた『中小レポート』と『市民の図書館』というこの考え方を推進した大元の団体です。関わる団体

  • 1