役者同士の魂の触れ合い、ぶつかり合いがあった。抱きたい女がいた。敵わないと思う奴がいた。すべてを語り尽くしていたのは松方なりに、これが最期だという予感があったのかもしれない――。 錦兄ィのそばにいたくて 〈映画界に入れてもらって半世紀以上が経って、どんどんどんどん映画が先細りというかジリ貧になっていくなか、映画がどうやって生き延びるのか――出口を見つけたいんです〉 1月21日に急逝した俳優・松方弘樹。脳リンパ腫という難病に伏せる2ヵ月前、実は彼は自らの思いを著書にまとめる準備をしていた。彼が人生の最後に心血を注いだ自伝『無冠の男 松方弘樹伝』(講談社)が2月8日に刊行される(〈 〉内は同書の引用)。 これは映画史研究家であり作家の伊藤彰彦氏との共著で、'15年10月から12月にかけて、合計3回、20時間にわたってのインタビューと、松方と関わりの深い人物への取材内容をまとめたものだ。松方が出
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