経済産業省原子力安全・保安院は24日、東京電力が福島第1原発事故直前の3月7日、「原発に10メートルを超える津波が押し寄せる可能性がある」との試算結果を保安院に報告していたことを明らかにした。推定十数メートルに達した事故時の津波について東電は従来「想定外だった」との説明を繰り返し、保安院もこの事実を伏せていた。 保安院によると、東電は政府の地震調査研究推進本部と土木学会の見解、869年に起きた「貞観(じょうがん)地震」の断層モデルを基にした三つのケースを想定し、福島第1、第2原発に到達する津波の高さを試算していた。第1原発に到達する津波で最も高かったのが、推進本部の見解を基にした試算で5、6号機が10.2メートル▽1~4号機が8.4~9.3メートルとなった。土木学会の見解を基にした試算は1~6号機で5.1~6.1メートル、貞観地震の場合は同8.7~9.2メートルと推定された。 東電がそれま