トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事 【社説】 なぜいま増税論なのか 週のはじめに考える 2011年4月24日 東日本大震災の復興財源として増税論が飛び交っています。再建の青写真も決まらないうちに、なぜ、いま増税論ばかりが先行するのでしょうか。 増税論は大震災直後から政府内でくすぶっていましたが、脚光を浴びたのは菅直人首相の肝いりで創設された復興構想会議の初会合で五百旗頭(いおきべ)真議長(防衛大学校校長)が増税を唱えてからです。 普通の「政府審議会」では、委員同士が数カ月程度、議論を続けた後、事務局を握る官僚が舞台裏で周到に根回しして結論に誘導するのが常とう手段です。 まず復興策をまとめよ ところが今回は議論もしないうちから、いきなり結論が出た。いかにも唐突ですが、以来「消費税を三年間、8%に引き上げ」とか「いや所得税や法人税も」などと報じられ、増税はすっかり既定路線になった