長崎原爆で死亡した被爆者の体内に取り込まれた放射性降下物が、被爆から60年以上たっても放射線を放出している様子を、長崎大の七条和子助教らの研究グループが初めて撮影した。放射線を体の外側に浴びる外部被ばくと別に、粉じんなど「死の灰」による内部被爆を裏付ける“証拠”という。 内部被爆の実態は研究が進んでおらず、七条助教は「病理学の見地から内部被ばくの事実を証明することができた。今後、健康への影響を解明するきっかけになるかもしれない」と話している。 七条助教らは、爆心地から0.5~1キロの距離で被爆、急性症状で1945年末までに亡くなった20代~70代の被爆者7人の解剖標本を約3年間にわたり研究。 放射性物質が分解されるときに出るアルファ線が、被爆者の肺や腎臓、骨などの細胞核付近から放出され、黒い線を描いている様子の撮影に成功した。アルファ線の跡の長さなどから、長崎原爆に使われたプルトニウム特有