富野喜幸(現・由悠季)監督の代表作を1本選ぶとしたら、どれになるのだろうか。最も知られており、商業的に成功を収めたタイトルは、間違いなく『機動戦士ガンダム』だ。だが、彼の作家性がもっとも色濃く出た作品は『伝説巨神イデオン』か、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のどちらかだろうと思う。 『伝説巨神イデオン』は、『機動戦士ガンダム』の次回作として富野監督が発表した作品だ。ジョーダン・ベスを始めとする地球人達は、移民星のソロ星において、伝説のエネルギー・イデを求める異星人バッフ・クランと遭遇した。ベス達は、第六文明人の遺跡から発掘した宇宙船のソロシップ、巨大ロボットのイデオンで、バッフ・クランを撃退。バッフ・クランと戦いながら、ソロシップで逃亡の旅を続ける。イデは単なるエネルギーではなく、それ自体が意志を持っていた。イデはバッフ・クランだけでなく、ソロシップのクルー達も翻弄し続ける。イデオンのメ