ケータイと電子辞書が打開 一向に明るい光が見えない電子書籍市場。しかしここにきて「今陥っている苦境を一変させるのではないか」と,電子書籍業界が期待を懸ける読書端末が,彗星のように現れた。携帯電話機と電子辞書端末である(図3)。 携帯電話機や電子辞書端末を読書端末として使う場合,その利便性はデスクトップ・パソコンやノート・パソコン,携帯型情報機器(PDA)などに比べて高い。電子書籍の普及を狙う出版社や書籍データの配信事業者も,ユーザー層が幅広いことなどから携帯電話機と電子辞書端末に期待を寄せ始めた。(イラスト:村松ガイチ) 携帯電話機と電子辞書端末は,パソコンやPDAに比べてずっと「本に近い」。まず小型で軽量,電車の中でも片手で持って読書ができる。老若男女を問わない,幅広いユーザー層を誇る。読書をするためにマウスやキーボード,ペンといった特別の道具は要らない。そして何より,かばんの中やポケッ