2019年4月26日夜、日本ハッカー協会主催によるITエンジニア向けセミナー「不正指令電磁的記録罪の傾向と対策」が東京・渋谷で開催された(後援:IPA/情報処理推進機構)。 この日のテーマとなった「不正指令電磁的記録に関する罪」(いわゆるウイルス作成罪)は、今年3月に横浜地裁で無罪判決が出た「Coinhive(コインハイブ)事件」の刑事裁判で争点となったものだ。同事件に限らず、最近では「アラートループ事件」(アラートダイアログが繰り返し表示されるWebページへのリンクを掲示板に貼った数名が家宅捜索を受けた事案)や「Wizard Bible事件」(セキュリティ研究のためのWebマガジンが初歩的なリモートコマンド実行コードを掲載したところ管理者が略式起訴=罰金刑を受けた事案)など、この罪状による摘発が相次ぎ、同時にセキュリティ研究者やITエンジニアの間ではその“摘発範囲の曖昧さ”を懸念する声も