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ブックマーク / youkoseki.com (17)

  • キャンセル・カルチャーをキャンセルせよ

    youkoseki.com キャンセル・カルチャーをキャンセルせよ 毎日なにかが炎上している。 ミュージシャンの小山田圭吾はオリンピックの開会式に関わるというニュースが流れると、昔のいじめ自慢が話題になって炎上し、開会式への参加を辞退することになった。同じオリンピック開会式の演出を行っていた小林賢太郎は、過去の劇作でホロコーストを引き合いにしていたことが炎上し、開会式の前日に解任されることになった。 ホビージャパンの編集者はTwitterで転売ビジネスを容認する発言をして炎上退職処分となった。徳間書店の業務委託を行っていた編集者は、同じくTwitterで大坂なおみのオリンピック敗退を揶揄して炎上し、契約解除となった。 すべてこの一週間ほどのことである。なるほど、日はモラルにとても厳しい。 つまり開会式に関わった残りのメンバーは生まれてこれまで潔白な人達ばかりなのだろう。オリンピック選手

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  • 2021年だから人類はHTMLを手打ちしろ

    youkoseki.com 2021年だから人類はHTMLを手打ちしろ 新しい年だ。人並に新しいことを始めようなどと考える人もいるだろう。しかし、なにを始めればいいのか? 僭越ながら一つ提案をさせてもらえるなら、私はこう言いたい。HTMLを手打ちしろ。ハイパーテキストマークアップランゲージを学べ。なぜなら、個人がコツコツとタグを手打ちしたウェブページには暖かみがあるからだ。 私は中学一年生のとき、はじめてパーソナルコンピュータを買ってもらった。中学受験がうまくいったら買ってもらえるという約束で、受験には失敗したのだが、買ってもらったのだ。中学時代、ほとんどずっとパソコンと向かいあっていたが、CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATを書き換えてメモリ残量の上下に一喜一憂していた記憶しかない。あとA列車で行こう4や、ルナティックドーンのようなアートディンクのPCゲームWindows 3

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  • Twitterと距離を置くこと

    youkoseki.com Twitterと距離を置くこと このごろTwitterと距離を置いている。同じようにTwitterと距離を置きたいという人に向けて、参考のためにその方法を書いておく。ただ、題に入る前にいくつか断り書きがある。 まず、以前と比べて個人的にはTwitterと距離を置いてはいるものの、Twitterは今も見ている。めちゃくちゃ見ていると言ってもいい。おそらく今もなお9割のTwitterユーザーよりTwitterを愛用していて、Twitter中毒から抜けきれたとは到底言えない。寝る前に缶チューハイを3空けてた人が、最近はだいたい1-2、たまに酒なしでも眠れる日が来た、というような話である。 そういうわけで、これはデジタルデトックスみたいな話ではない。私は今もスマホばかり見ていて、パソコンとほぼ一日中向き合っている。Twitterで失っていた時間を取り戻し、家族や友

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  • あえて悪いことをする人は悪い人であること

    youkoseki.com あえて悪いことをする人は悪い人であること セクハラやパワハラの問題がメディアなどでも大きく取り上げられる今日、表だって「セクハラ、パワハラ、大好き!」と言う人は限りなく少ない。しかし、現実にセクハラやパワハラをする人達は今もいる。 最近、そういう人達に共通する特徴を見つけた。そういう人達はよく、こういうことを言うのだ。 「パワハラがいいことだとは思っていない。自分も普段ならパワハラをやろうとは思わないし、他人のパワハラは嫌悪し、反対している。しかし、場合によっては、冗談で、あえて、パワハラみたいなことをすることがある。そうすることでみんなの笑いをとることができるからだ」 この形式には色々なバリエーションがある。「人に怒鳴ったりするのはみっともない。自分も普段は常に落ち着いている。しかし当に怒らなければいけないと思ったときは、あえて、声を荒げて怒鳴って見せること

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  • 炎上広告批評:「ハーフの子を産みたい方に」とコピーライティングの受難

    youkoseki.com 炎上広告批評:「ハーフの子を産みたい方に」とコピーライティングの受難 広告業界、今週の炎上という感じである。 概要 広告主:銀座いせよし 媒体:ポスター 企画の是非 まず2016年の広告が、ツイートひとつで今になって炎上しているのがすごい。広告業界ってわりと頻繁に色々な賞があって、過去の作品はマメにまとめられているので、今後こういう例がもっと増えていくのかもしれない。 私達はペットでも人形でもありません。 この屈辱を想像出来ますか? もううんざりです。https://t.co/e6gYtwSHwf pic.twitter.com/W9Oo155pOh — GRAY PRIDE (@graypridejapan) June 19, 2019 「ハーフの子を産みたい方に」が炎上中だが、他にもコピーはある。「ナンパしてくる人は減る。ナンパしてくる人の年収は上がる」「着

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  • ルッキズムが否定されたとき、広告は何を語るのだろう

    youkoseki.com ルッキズムが否定されたとき、広告は何を語るのだろう 私は、広告というものが昔から好きであった。しかし広告のメッセージが、ときどき(あるいは頻繁に)息苦しく感じることも確かである。その息苦しさは、最近、Netflixが見事に広告にしてみせた。 私もこれはすごく良い広告だと思うのだが、ちょっと意地悪に言えば、あれをしろこれをしろと言っていた広告が、次にはリラックスして君は君らしくあればといいと言いはじめるのは、この業界の常套手段でもある。緊張と緩和、アメとムチだ。 一方で、なんだか潮目が変わりつつあるのかなと思うこともある。それはルッキズムに関することである。 たとえば、外見をよくしよう、というのは広告の基的なテンプレートであった。具体的には、お洒落になってモテよう、恋を見つけよう、できる男は見た目が違う、ママになっても綺麗に、何歳になっても若々しく、みたいな。多

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  • 初代ガンダムを観た話

    youkoseki.com 初代ガンダムを観た話 私は初代ガンダムテレビ放映された1979年に生まれたので、ガンダムのことは詳しく知らず、それ以降も知らないまま今に辿りついた。友人が熱心に布教してくれることもあったが、今となっては過去の蓄積が多すぎて、どうも見る気になれなかったのだ。 今ここで私がスタートレックを熱心に布教して、DS9だけでも見てくれと懇願しても、99.99%の人は見ないでしょう。そういう感じである。 ところが、Netflixで面白そうな作品を探しているときに、初代ガンダムの劇場版があることに気付いた。ガンダムなにから見るか問題は今や宗教論争となっているようだが、この劇場版は40話以上に及ぶテレビ版を映画3作にまとめたもので、宗教的にも多数の原理主義者から支持を得ているという。 これくらいなら観られるんじゃないかと思って、4日ほど前から観始めた。そしていま3作を観終えた。

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  • そごうの広告と、広告がジェンダーを語る覚悟について

    youkoseki.com そごうの広告と、広告がジェンダーを語る覚悟について 元旦、横浜へ遊びに行って、そごうに寄ったら、女性の顔にクリームがぶつけられている、インパクトのあるポスターを目にした。 帰宅して調べてみたら、まさに元旦から始まった、そごうの新しい広告らしく、「女の時代、なんていらない?」「わたしは、私。」といった文章が添えられている。 すでにネットでは賛否あるようで、批判したブログ記事が話題になっていた。また、「女の時代」という表現が昔のコピーの引用という意見もあった。 私も一日考えて、それなりにまとまった意見が出来たので、ここに書く。 構成の問題 賛否はさておいても、この広告は分かりづらい。理由として、私の見方では、一枚のポスターの中に、大きく三つのメッセージが含まれているからである。 一つのメッセージは「女の生きづらさ」である。文中にもあるし、インパクトのある写真はまさに

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  • 2018年のダンシング・ヒーロー

    youkoseki.com 2018年のダンシング・ヒーロー 2018年、心に残った出来事の一つが、ジオシティーズ閉鎖の発表であった。正式名Yahoo! ジオシティーズは、2019年3月末に終了する。楽天傘下となっていたiswebライトが終了したのは2010年の10月末のことだから、それに比べればずいぶん長生きしたほうだろうか。 同じころ、はてなダイアリーも来春に終了することが発表された。こちらは原則、はてなブログへ自動移行されることになる。さすがはてな、と褒めておきつつ、そもそも個人でウェブサイトやブログを持つこと自体が時代遅れになってきた感は否めない。 インターネットに初めて触れてから20年以上が経ち、インターネットが永遠でないことをますます意識するようになった。そんなの当たり前と思われるかもしれないけど、少なくとも昔は、私も含めてみんなもっと楽観的だった。ぜんぶデジタルなんだから、永

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    txmx5
    txmx5 2018/12/02
  • 1995年はすごかった The Game

    インターネットの思い出を並べかえてください。

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  • あなたがネットでエロ広告を見るのは、あなたがエロいからではない

    youkoseki.com あなたがネットでエロ広告を見るのは、あなたがエロいからではない 「ネットのエロ広告がひどい」というようなことを言うと、「ネットの広告はターゲティングされてるんですよ。エロ広告が出るのはあなたが普段エロサイトばかり見ているからではないですか」と言い返す人がいる。 最近どうも流行りの考え方のようで、このごろツイッターで似たようなやりとりを何度も目にしている。 一見、このツッコミに反対することは難しい。自分がエロサイトを見ていないことを他人に証明できないからだ。そもそも大人ならエロサイトを見ても構わないし、それと一般サイトにエロ広告が溢れる問題は無関係なのだが。 だからこれ以上の誤解が広まらないように、ここに書いておく。あなたがネットでエロ広告を見るのは、あなたがエロいからではない。エロ広告は、あなたがエロいと知って配信されているとは限らない。 反証の方法 反証は簡単

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    txmx5
    txmx5 2018/11/20
  • Instagram: 使わなくていいアプリの成功譚

    youkoseki.com Instagram: 使わなくていいアプリの成功譚 9月25日、Instagram創業者の二人、ケビン・シストロムとマイク・クリーガーが、経営から離れることを発表した。 Instagramがローンチしたのは2010年10月のこと。2012年にFacebookに買収されてからも、創業者の二人は変わらずCEOとCTOとして経営を取り仕切っていた。 私はその2012年から4年半ほどFacebookで働き、そのうち最後の1年と少しだけ、Instagram広告の担当をしていた。古巣なので贔屓もあるだろうが、控え目に言ってもInstagramの成功は特筆に値する。 たとえばInstagramは10億人を超える月間アクティブユーザーを抱えるが、ほぼモバイル専用アプリとしてこの規模に到達したのは、WeChatと、同じFacebook傘下のWhatsappくらいだろう。 Face

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  • 「指紋認証を悪用した広告」はどうやって作るのか?

    TwitterやInstagramでの広告で、1度タップしてホームボタンに触れるだけで指紋認証で購入完了となり¥5,500で買わされる非常に悪質なアプリ広告があるので注意。自分は分かっててこのツイートをする為にこの画面でスクリーンショットを撮ったら指紋認証され、無事¥5,500で購入 pic.twitter.com/JG43U1eEB4 — えぴたん🍤6/30ライブ (@epitan25) May 31, 2018 これですけども、私は広告業界の人間なんで、どうやって実現したんだろうと考えるわけです。 FacebookやInstagramやTwitterの広告には、アプリのインストールや購入を促すものがあります。しかし、そういったアプリ広告と呼ばれるものは、タップするとアプリストアに遷移して、ストア側でインストールや購入の確認が行われるわけです。 パソコンでは、悪質な広告をクリックすると

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  • 1995年はすごかった

    youkoseki.com 1995年はすごかった 1995年といえばWindows 98が発売された年で、発売日には秋葉原中のパソコンショップが深夜営業をしていたものだった。あちこちに長い行列が出来たせいで、一部の行列で混乱が起き、「物売るっていうレベルじゃねぇぞ」の名言が生まれたのがこのとき。 アップルはアップルでスティーブ・ジョブズが復帰して、Think Differentのコピーと共にiMac、iPod、iPhoneを一斉発表したのが1995年だった。大きなスクリーンにハンマーを投げつける伝説的なコマーシャル(Copland)がすごく話題になって、今思えばIBMの一強時代に終わりを告げた象徴だった。 パソコンもスマホも、今でこそ海外メーカばかりだけど、当時はまだ国産メーカが元気だった。NECPC98やPC88、MSXなんかが人気だったな。スマートフォンはドコモがiPhone対抗に

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  • ロボット上司問題

    youkoseki.com ロボット上司問題 上司がロボットになって三ヶ月が経ったが、これまでのところこの試みは大成功だったと言わざるをえない。もちろん、上司がロボットになったというのは、人間がロボットに変身したわけではない。人間の上司、この会社に転職してきたぼくの面倒を三年にわたって見てくれたアウレーリオという陽気なイタリア人は、ある日、朝一番にとつぜんリストラを言い渡されて会社を去った。 その日、朝からアウレーリオは机の上の荷物を整理しながら、それでも軽口を言う姿勢を崩さずに「ロボットが南イタリアのやつらより働けばいいんだがな」とぼくに囁いた。アウレーリオはトリノの出身で、彼は自分の後任が最新型のロボットであることを知っていた。彼をクビにしたのもロボットだった。マネジメント層はどんどんロボットになっている。認めざるをえない。それは成功しているのだ。 ロボット上司はまだマイナーな存在だ。

    ロボット上司問題
  • 記憶はクラウドの彼方へ

    youkoseki.com 記憶はクラウドの彼方へ テレビ、パソコン、スマートフォンから流れてくる、止まることのないニュース、トレンド、ゴシップ……増え続ける情報の波にどう対処すべきか、その難問に答えたのが記憶のデジタル化だった。バイオメモリー社が側頭部に埋め込むメモリーチップを量産化したことを皮切りに、記憶をデータとして保存することが急速に一般化したのだ。なにしろ一度保存しておければ忘れないし、検索も簡単にできる。もう元には戻れない。 初期のメモリーチップは高々数十ギガの容量だったが、激しい市場競争は自然と多機能化、大容量化へと繋がる。目に入るもの、耳に入れたものはもちろん、その場では目にしなかったことまで、全てをデジタル化して後で確認できる、いわゆる全入時代が到来する。そうなるとボトルネックは、大量のデータをさばく処理能力のほうだ。つまり、いったんすべてのデータを取得しておきつつ、そこ

    記憶はクラウドの彼方へ
  • ゲームのない日

    youkoseki.com ゲームのない日 朝起きると、ちょうど息子が着替えをはじめているところだった。「おはよう」と私は言う。「起きるの、パパが一番遅かったよ」そう言って子供は笑う。まだ小学一年生だというのに、すっかり大人きどりで得意気だ。私は枕元に置いていたスマートフォンに目をやった。午前八時、五分すぎ。今月最初の日曜日。 「早く着替えたら? もうこっちは着替え終わっちゃうよ」と子供はくすくす笑いながら言う。私はハッとして子供の口をふさぐ。今日は第一日曜日、ノーゲームデー。あらゆるゲームが禁止される日だ。デジタルゲーム、アナログゲーム、どのようなゲームであるかは関係ない。気付けば、ゲームと考えられるすべてのものが許されなくなった。たとえば、誰かとの競争などは、他人に見つかればいつ告発されてもおかしくない。私は子供に言って聞かせる。 キッチンに行くと、はすでに朝ごはんをあらかたテーブル

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