youkoseki.com 記憶はクラウドの彼方へ テレビ、パソコン、スマートフォンから流れてくる、止まることのないニュース、トレンド、ゴシップ……増え続ける情報の波にどう対処すべきか、その難問に答えたのが記憶のデジタル化だった。バイオメモリー社が側頭部に埋め込むメモリーチップを量産化したことを皮切りに、記憶をデータとして保存することが急速に一般化したのだ。なにしろ一度保存しておければ忘れないし、検索も簡単にできる。もう元には戻れない。 初期のメモリーチップは高々数十ギガの容量だったが、激しい市場競争は自然と多機能化、大容量化へと繋がる。目に入るもの、耳に入れたものはもちろん、その場では目にしなかったことまで、全てをデジタル化して後で確認できる、いわゆる全入時代が到来する。そうなるとボトルネックは、大量のデータをさばく処理能力のほうだ。つまり、いったんすべてのデータを取得しておきつつ、そこ