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ブックマーク / rootport.hateblo.jp (15)

  • インターネットが生まれるまで - デマこい!

    徒歩よりも遅かった ローマ帝国時代後期、ローマ支配下のエジプトの法的文書には、暦日と在位中の皇帝の名前が記載されていました。当時はローマで新しい皇帝が即位しても、それがエジプトに伝わって法的文書に反映されるまでにタイムラグがありました。このタイムラグを調べると、古代における情報伝達の速さを推測できます。また、近世に入った1500年頃の情報伝達の速さは、ヴェネチアの商人たちの日記から推測できます[1]。 その結果を見ると、平均時速はほとんど変わらず時速1・5キロメートルほどだったようです。産業革命以前の世界では、情報伝達は人間の歩行速度よりも遅かったのです。 出典:グレゴリー・クラーク『10万年の世界経済史』下巻p177 出典:グレゴリー・クラーク『10万年の世界経済史』下巻p178 近代の情報伝達の速さは、ロンドンの新聞から推測できます。世界中で起きた事件がロンドンで報道されるまでのタイム

    インターネットが生まれるまで - デマこい!
  • 廃課金ソシャゲはもういやだ/2017年スマホゲーム業界の課題 - デマこい!

    ■2017年、スマホゲーム業界の抱えた矛盾 ソーシャルゲームインフォの長谷部潤氏によれば、2016年には「これまでとは全く異なる性質を持ったユーザ層が、スマホゲーム市場に台頭し始め」たという[1]。 2015年までは、イノベーター理論でいうイノベーターやアーリーアダプター、アーリーマジョリティがスマートフォンを手に入れて、アプリを遊んでいた。ところが2015年半ばにはスマホの普及率が50%を超え、昨年2016年にはいよいよレイトマジョリティ層がスマホゲームで遊ぶようになったという。2017年にも、この傾向は続くだろうと氏は予想している。 ※画像出典:イノベーター理論とキャズム理論 – マーケティング is.jp レイトマジョリティ層のユーザーは、自分から積極的に情報収集をするわけではない。必ずしもゲームを熱心に遊ぶわけではないし、今までのユーザー層に比べて課金に対しておよび腰な人が多いだろ

    廃課金ソシャゲはもういやだ/2017年スマホゲーム業界の課題 - デマこい!
  • イギリスのEU離脱とグレート・リセット願望 - デマこい!

    1944年7月、アメリカ・ニューハンプシャー州ブレトン・ウッズに連合国の代表が集まり、第二次大戦後の世界について議論した。米ドルが国際的な基軸通貨に選ばれたのはこの時だ。当時、偉大なる経済学者ジョン・メイナード・ケインズは、米ドルではなく、どこの国にも属さない「バンコール」という基軸通貨を創設すべきだと訴えていた[1]。 国際情勢の影響で円高になるたびに、「もしもバンコールが存在したら?」と想像せずにはいられなくなる。 2016年6月23日に行われた国民投票で、イギリスのEU離脱が決まった[2]。実際にEUから抜けるには今後2年ほど交渉を重ねる必要があると見られるが、金融市場はヒステリックに反応した(※いつものことだ)。一気に円高が進み、日経平均株価は暴落した[3][4]。 日経平均株価には「円高になると下落する」という、わりと簡単なパターンがある。輸出や海外売上への依存度が高い企業が多い

    イギリスのEU離脱とグレート・リセット願望 - デマこい!
  • 稼げる人と稼げない人の違い/人材不足と低賃金が両立する理由 - デマこい!

    世の中には、人材不足と低賃金が両立してしまう業界がある。 たとえば介護や警備の仕事が代表的なものだろう。最近では、船員の人材不足により日の海運業がヤバいという増田記事が注目を集めていた。船員の給与はそれほど低くはないが、労働環境のキツさには見合わない。そのため船員になりたがる若者が減り、深刻な高齢化に見舞われているという。労働力の供給過小が明白なのに、船員の待遇が向上しないのはなぜだろう? これに似た事例として、クラウドソーシングの世界がある。 クラウドソーシングのサービスでは、いわゆる「クソ案件」が多いという。仕事内容に見合わない低報酬の発注があとを絶たず、なかには適法性が問われるような案件もあるそうだ。なぜクソ案件は無くならないのだろう。なぜ、そんなクソ案件でも、一部のクラウドワーカーは引き受けてしまうのだろう? クソ案件が溢れているのは、何もクラウドソーシングの世界だけではない。た

    稼げる人と稼げない人の違い/人材不足と低賃金が両立する理由 - デマこい!
  • ソシャゲにガチャがある理由/売れるゲームの条件 - デマこい!

    ガチャは悪魔の発明だ。 そう考える人がいるらしい。ガチャは一種のチートツールで、ゲームを面白味のないものに変えてしまう。ガチャの氾濫する今のゲーム業界はあまりにも不健全だ──。ソシャゲの黎明期にはよく耳にした意見だ。 最近では優れたゲームが増えて(もしくはユーザーが飼い慣らされて)ガチャは肯定的な文脈で語られるようになった。伊東ライフ先生のようなガチャ芸人まで現れて[1] 、すっかり市民権を得た。(※先生は人気イラストレーターです) しかし今でも「ガチャ悪者論」を捨てられない人がいるようだ[2]。ガチャが存在するせいで、ゲームから得られたはずの爽快感や達成感は損なわれ、ただストレスだけが残るという。当だろうか? 結論から言えば、現在のF2Pゲーム(※free to play、基無料のゲーム)は、ある点でコンシューマーゲームと決定的に異なる。それは「ユーザーが作品の値段を決める」というこ

    ソシャゲにガチャがある理由/売れるゲームの条件 - デマこい!
  • 女騎士、経理になる。─プロローグ─ - デマこい!

    魔王「勇者よ、我が軍門に下れば世界の25%をやろう」 勇者「なぜ25%なんだ?世界の半分じゃないのか?」 魔王「贈与税の最高税率が50%だからだ」 勇者「贈与税」 魔王「お前に世界の半分を贈与しても、お前の手に渡るのはそのさらに半分だけ。残りは国税庁が持っていく」 勇者「国税庁」 — Rootport(※減量中) (@rootport) 2015, 7月 10 魔王を討伐するため「魔国」に潜伏した勇者たち。 一般人として身を潜めた彼らを待っていたのは、 どんな魔物よりも恐ろしい税金と会計制度だった──。 ────────── ▼最初から読む ▼前回 ▼次回 ▽プロローグ ▽第1話「フライド・コカトリス」 ▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」 ▽第3話「リテラシー」 ▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」 ▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ▽第6話「エクイティ」 ▽第7話「ブラック・ス

    女騎士、経理になる。─プロローグ─ - デマこい!
  • いま失敗すれば、日本終了。 - デマこい!

    何の数字か、お分かりだろうか。 2050年における現役世代と老後世代の人口比だ。現在の日では現役世代2.4人で老人1人を養っている。しかし、2050年にはこれが半分になり、現役1.2人で老人1人を支えることになる[1]。私たちの子供世代は高額の社会保険料と重税に苦しめられ、優秀な人から順番に海外に脱出するだろう。国民皆保険は、たぶん崩壊する。年金は、おそらく有名無実のものになる。 alfalfalfa.com こちらのまとめサイトには、虐待の横行した介護施設の様子が書き込まれている。床ずれは放置され、鼻のチューブは死ぬまで交換されず、排泄したおむつを取り換えようとしたら、「ごめんなさい、ごめんなさい」と泣かれたという。おむつ交換のたびに日常的に暴力が振るわれていたのは明らかだ。 2050年には、これがありふれた光景になるだろう。現役世代が半分になれば、当然、老人の生活水準も半分になる。

    いま失敗すれば、日本終了。 - デマこい!
  • 私たちがネットで失ったもの/YouTuberが必要とされるわけ - デマこい!

    「2.5%だってさ」 居酒屋で鍋をつついていた。大手メーカーで企画開発をしている彼は、どこか投げやりな口調だった。 「何が?」 「イノベーターと呼ばれる人の割合だよ」 「ああ、『イノベーター理論』の」 マーケティング理論の1つだ。新製品を世に出すと、まずは「新しいもの好き」な消費者が飛びつく。彼らを〈イノベーター〉と呼び、全消費者の2.5%だと言われている。 「だけど、これって多すぎると思わないか」彼はビールジョッキを置いた。「たとえば潜在的に100万人の需要が見込める市場に向けた製品なら、最低でも2万5000人は買うことになるだろ」 「単価4,000円の製品なら、それだけで1億円の売上だよね」 「どう考えても楽観的すぎる。モノを作って、定常的なプロモーションをするだけで、そんなにたくさんの消費者が飛びつくなんて……今の日ではありえないよ」 わずか10年前と比べても、モノを売りづらくなっ

    私たちがネットで失ったもの/YouTuberが必要とされるわけ - デマこい!
  • そうだ、SFってこういうものだった。/『インターステラー』感想 - デマこい!

    忘れかけていた「あの気持ち」を思い出させてくれる映画だった。 『インターステラー』はあまり難しく考えずに、童心に帰って観ることができる映画だ。クリストファー・ノーラン監督の作品にしては珍しい。エンディング・クレジットが終わり、劇場が明るくなったとき、私はため息をついた。「そうだ、SFってこういうものだった」と。 映画『インターステラー』最新予告編 - YouTube 「インターステラー」オリジナル・サウンドトラック アーティスト: ハンス・ジマー 出版社/メーカー: SMJ 発売日: 2014/12/10 メディア: CD この商品を含むブログ (3件) を見る ※ネタバレだらけです。 ※未見の人は今すぐ「戻る」ボタンをクリック! 1.ノーランにしてはやさしい映画 中学生のころ、映画好きの友人が言っていた。 「ジョージ・ルーカスとスティーヴン・スピルバーグは、どちらも映像の魔術師だ。ルーカ

    そうだ、SFってこういうものだった。/『インターステラー』感想 - デマこい!
  • 「外国人は日本から出て行け」と言いたくなる理由 - デマこい!

    半年くらい前の話だ。新宿紀伊国屋の地下でカレーべていたら、汚れたジャンパーのおっさんが隣に座った。そして店のおばちゃんに向かって言った。 「お前、愛想悪いな。外国人か?」 おばちゃんが中国人だと答えると、彼は「国に帰れ」と言い捨てた。凍りつく店内の空気をものともせず、おっさんはおばちゃんに口汚く絡み始めた。 「いい加減にしろよ、おっさん」 私は思わず、言ってしまった。 「こっちはメシってんだ」 おっさんは顔を真っ赤にして、三国人がどうのと説教を垂れ始めた。私は流し込むようにカレーを平らげて店を出た。あのおっさんの疲れきった灰色の顔が、今でも忘れられない。 ◆ たぶんあのおっさんは、豊かではないのだと思う。 誇らしさとか、満たされている感覚とか、そういう「豊かさ」を得にくい生活をしているのだと思う。貧しさは外国人排斥の感情にかんたんに結びつき、たぶん、戦争をしたい「気分」のようなものに

    「外国人は日本から出て行け」と言いたくなる理由 - デマこい!
  • ゲームにシナリオは必要か? - デマこい!

    ゲームの「シナリオ不要論」があるらしい。 『パズドラ』にせよ『モンスト』にせよ、シナリオらしいシナリオは無い。にもかかわらず爆発的なヒットを飛ばしている。だからユーザーはゲームにシナリオを求めていないし、もはやゲームシナリオは無用の長物なのではないか、という説だ。 パズル&ドラゴンズ(Puzzle & Dragons) 出版社/メーカー: GungHo Online Entertainment, Inc.発売日: 2017/02/15メディア: アプリこの商品を含むブログ (1件) を見る 結論からいえば、そんなもんゲームによる。 シナリオがなければ『Steins; Gate』のようなゲームは成立しないし、『テトリス』のようなゲームにシナリオはいらない。シナリオが必要かどうかはゲームの種類による。はい、議論終了──。 で、終わるのは寂しいので、ゲームシナリオについてもう少し突っ込んで考えて

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  • そろそろやめませんか?「右翼/左翼」「保守/リベラル」って分類は。 - デマこい!

    政治用語が混乱しています。 「おれは保守だ」と言う人がいれば、「あんなのは物の保守ではない」と言う人がいます。「日リベラルは終わった」と言う人がいれば、「あんなのは物のリベラルではない」と言う人がいます。 保守、リベラル、右翼、左翼──。 政治的立場を示すこれらの言葉は、論者それぞれが自分独自の定義で使うようになってしまいました。誤解や混乱を避けるため、うかつに使うのをためらうほどです。一度これらの言葉から離れて、政策そのものをベースに政治的立場を整理する必要があるでしょう。 ◆ あなたは「社会」と「個人」のどちらを大切だと考えますか? 有史以来、これは神話や戯曲に繰り返し選ばれてきたテーマです。人は1人では生きていけません。生存には「社会」が必須です。しかし社会の目的が、個人の目的と一致するとは限りません。社会の繁栄のために、個人の自由はどこまで犠牲にできるのか。これが政治的立場

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  • 「ググレカス」が世界を変える/ネットのコンテンツは「紙と放送の時代」と何が違うか。 - デマこい!

    インターネットは、活版印刷に匹敵する技術革新だ。 しかし、ネットがどのように世界を変えていくのか、具体的に想像できない人も多いようだ。通信コストをゼロにして産業構造を変えるだけがネットの力ではない。インターネットは一般大衆の知性を底上げして、人類社会そのものを変えてしまうだろう。 ネット前夜の「紙と放送の時代」には、コンテンツに消費者の知らない情報を含められなかった。たとえば大衆向けの新聞記事に専門用語は使えなかったし、テレビで進化論やマクロ経済のような「概念」を伝えるときは、ごく簡単な一部分しか伝えられなかった。 しかし、現在は違う。 コンテンツに含められないのは検索で調べられない情報だ。逆に言えば、検索でかんたんに分かるなら、たとえ消費者の知らない情報でもコンテンツに含められるようになった。 「知らない情報」を避ける時代から、 「検索できない情報」を避ける時代へ。 これは小さな変化に見

    「ググレカス」が世界を変える/ネットのコンテンツは「紙と放送の時代」と何が違うか。 - デマこい!
  • 論理的思考を鍛える5つの反論のパターン/「きのこVSたけのこ」論争に終止符を! - デマこい!

    田舎のタクシーに乗ったら運転手さんから政治の話を振られて面らった――。そんな経験は無いだろうか。 今では想像できないけれど、一昔前まで政治はカジュアルな話題だった。それこそ天気や野球と同じように、初対面同士に最適だとされていた。新書や新聞、ドキュメンタリー番組が現在よりも好まれており、政治へのリテラシーが高かった。さらにマスメディアが情報を統一していたため、政治的立場が対立することはまず無かったのだ。情報ソースが多様化した現在、政治の話はあまりにもコントラヴァーシャルで軽々しく口にできない。初対面の相手とだなんて、もってのほかだ。 しかし、である。 社会問題や経済、政治に無関心な“ふり”をするのが処世術になってしまうのは危険だ。それらが地震や台風のように「関心を払っても防ぎようがない」ものとして扱われるからだ。当たり前だけど、あらゆる社会問題は人間が巻き起こすモノ。である以上、私たち一人

    論理的思考を鍛える5つの反論のパターン/「きのこVSたけのこ」論争に終止符を! - デマこい!
  • 「そんなの知らないよ」と彼女は - デマこい!

    「どうやって生きていけばいいだろう」と彼は言った。「学歴もなければ大した職歴もない、ぼくらのような人間はどうやって生き残ればいいだろう」 京都、三条河原町。最近できたばかりのつけ麺屋に、友人とたむろしていた。 麺大盛り根菜チャーハンセットを待ちながら彼は続けた。 「いまの時代、あらゆる仕事が機械に置き換えられていっている。一昔前なら、知的な労働は人間がやるしかなかった。どんなに単純な足し算、引き算だろうと、人間の手で計算するほうが早かった。だから、ぼくたちのような人間にも仕事があった……」 と、料理が運ばれてきて、彼はちょっとだけ口を閉じる。目をむくような量の炭水化物の塊がテーブルを埋めていく。 「……だけど、いまは違う」つぶやきながら、彼はわりばしを割る。「当たり前のことが当たり前にできるだけの人間なら、機械を使ったほうが安上がりだ。ぼくらのような人間の居場所は、どんどん無くなっている。

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