サンレコでおなじみのエンジニア中村公輔に、リボンマイクの魅力を歴史を振り返りながら解説していただきました。使用上の注意点も要チェックです。 文:中村公輔 写真:鈴木千佳 後処理不要で甘いサウンドが得られる 1950年代のアメリカ黄金期、映画やロックンロールのレコーディングでは必ずと言っていいほどにリボン・マイクが使われていました。例えば、エルヴィス・プレスリーのレコーディング写真ではRCA 44BXが立っています。しかし、リボン・マイクはドイツ製のコンデンサー・マイクの登場によって徐々にシェアを奪われていきました。恐らくその理由は、テープへの録音では高域がなまるので、ブライトに録音できるコンデンサー・マイクのほうが好まれたからだと思います。 リボン・マイクは耳に痛い高域が減って甘く聴こえるため、人間の耳で聴くのに合っていますが、テープに録音すると高域が2段階減ってしまうことになります。しか