ひと言で言えば、ぶっ飛ばされますね、これは。トーキング・ヘッズの『リメイン・イン・ライト』から歌メロを削除して、あの音響のみを凝縮し、さらにダブ・ミキシングを加えて、高速で再生してみる。アフロ・ファンクのえもいわれぬエコーとグルーヴ。ポリリズミックな武装。圧倒的なトランス・ミュージック。 いまでもまだ、アフロ・ミュージックのフレーズ/リズム/音色を取り入れているエレクトロニック・ミュージックには多少はもの珍しさという価値があるのかもしれない……いや、もうないか。ま、なんにせよ、しかしDJカラブのこれ──その名も『ブラック・ノイズ2084』は、記号的にアフロを取り入れているから面白いというわけではない。情報をかき集めて作ったものであることはたしかだろうが、小手先で作った音楽とは思えない濃密さと説得力がある。雑食性の高いサウンドだが、すべての音は有機的に結びついているし、そのすごさは下調べを要
ロンドンから北西に向かったハイ・ウィコムという街で10代の少年エイドリアン・シャーウッドはレゲエと出会った。彼はほどなくしてDJを始め、その後、音楽業界に関わるようになり、20歳になるころにはレコード店を運営するようになっていた。UKダブの歴史に名を刻むことになる伝説の始まりだ。 流通会社を立ち上げたほか、複数のレコード・レーベルを運営したシャーウッドは、1980年になると、プロデューサー・エンジニアとして独自のダブ・ミックスを、ジャズからインダストリアルまであらゆる音楽へ積極的に施していった。彼が関わったプロジェクトの数は圧倒的だ。彼のディスコグス・ページを見るだけでも、その膨大さがわかるはずだ。アフリカン・ヘッド・チャージとのサイケデリックなアフロ・ダブ。デペッシュ・モードのリミックス。リー・スクラッチ・ペリーとのスタジオ作品。タックヘッドとのエクスペリメンタル・ヒップホップ。ほかにも
「Sounding Lines」 MORITZ VON OSWALD TRIO ミニマルダブの祖、モーリッツ・フォン・オズワルドが、ドラマーのトニー・アレンを迎えて、モーリッツ・フォン・オズワルド・トリオ名義としては4枚目のスタジオアルバムとなる「Sounding Lines」をリリースした。 トニー・アレンといえば、ナイジェリア出身で、1970年代に活動したフェラ・クティ率いるバンド、アフリカ70のドラマーとしての活躍が有名だが、後年、クラブシーンでの再評価が進み、1999年にはフランスを拠点に活動するアブストラクト・ブレイクビーツのサウンドクリエイターであるDOCTOR Lをプロデューサーに起用して「Black Voices」を発表している。さらに、2003年にも同様にDOCTOR Lのプロデュースにより「Home Cooking」をリリースしている。 モーリッツ・フォン・オズワルド・
ダブ・テクノ+アフロ・ビート・ドラム→ミニマル・エレクトロニック・ジャズ。 Basic Channel の創始者 Moritz von Oswald と、Sun Electric の Max Loderbauer、そこに Fela Kuti の Africa 70 でドラムを担当していた Tony Allen が加わったという構成。 ドラムがまず確固たる存在感と牽引力を放っているけれど、反復するダブ・サウンドの音圧も決して劣らず完璧なバランスで融け合い、テクノともジャズともつかないハイブリッドな聴覚刺激に結実している。 音場としてかくも統一されているのはミキシングの巧緻によるところ大。 スネアの微細な反響やバックグラウンドでたゆたうエレクトロニカなど、精妙なディテールを聴き込んで堪能できる音楽。 タイトルの付け方がおもしろい。 “Sounding Line” というのは、「鳴り響く」という
Artist: Moritz von Oswald Trio Album: "Sounding Lines" Label: Honest Jon's Year: 2015 Tracklist 01. 1 (10:15) 02. 2 (0:28) 03. 3 (5:56) 04. 4 (4:12) 05. 5 (Spectre) (9:05) 06. 6 (7:26) 07. 7 (5:49) 08. 8 (5:51) モーリッツ・フォン・オズワルドの主導するトリオの第4作目となるアルバムがHonest Jon'sよりリリースされました。 2013年のストイックなミニマル・ダブ作品"Blue"を間にはさみつつも、前作"Fetch"からは3年のインターバルがあり、この名義での作品発表としては随分と間が空いたようなような気がします。 この3年間、彼らの活動が順調であったかというと、そうではなかっ
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