2020年9月2日~4日、初のオンライン開催というかたちで行われたCEDEC 2020。本稿では、最終日の9月4日に行われた、任天堂の河本浩一氏と松永浩志氏による“『リングフィット アドベンチャー』~混ぜるな危険! ゲームとフィットネスを両立させるゲームデザイン~”の内容をリポートする。
ゲームの文字表示に使用されるフォントについて、意識したことがあるだろうか? レトロゲームのファンならば、少ないドット数で味わいのある字形が表現されたアルファベットや数字を、そのゲームのグラフィックスの一部として記憶に留めている人もいるだろう。また、海外ゲームの日本語ローカライズが増えた昨今では、異なる言語を翻訳するという作業の性質上、日本語テキストのフォントが作品の内容にフィットしているかどうかを、プレイする側も話題にすることが多くなっている。 考えてみればアドベンチャーゲームやRPGでは、長編小説に匹敵するか、それ以上の量の文章を読むことになる場合もある。そういったテキストを重視した作品に限らずとも、文字表現がまったく存在しないゲームというのはほとんどないはずだ。 つまりは文字フォントもまた、ゲームにおける重要な構成要素の1つなのである。 これまでゲームについての論考では、ゲームシステム
[CEDEC 2017]「ゼルダの伝説BotW」の完璧なゲーム世界は,任天堂の開発スタイルが変わったからこそ生まれた ライター:西川善司 CEDEC 2017は,任天堂からの登壇者が例年に比べて非常に多い。数えてみると8件あった。「海外のカンファレンスでは登壇する一方,日本国内のカンファレンスにはあまり出てこない」という,これまでの傾向からは一転した新しい動向と言える。「ゲーム開発シーンにおける知見の共有」において,これまであまり積極的でなかった任天堂だが,意識を変えてきたのだろうか。 いずれにせよ,CEDEC 2017で任天堂は,「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(Nintendo Switch / Wii U,以下,ゼルダの伝説BotW)関連セッションを4本も持った。今回はその中から,開発者でない一般のゲーマーにも分かりやすかったと思われる「『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ
【CEDEC2016】全てはプロデューサーが集中して楽しめるように! 『デレステ』UIの要諦は基本ルールと最小のパーツ 軽量版やウインクの秘話も明らかに Cygamesは、「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ 制作事例・アート編 - 総勢60名のアイドルを最大限魅力的に表現し、ライブに集中する手法(モデリングとUI/UXデザイン)」と題するセッションを8月26日の「CEDEC2016」で開催した。モデリングパートとUI/UXデザインのパートに分かれており、今回はUI/UXデザインパートの模様をレポートする。UI/UXデザインのパートでは、Cygamesデザイナー部UIデザインチームマネージャーの中村ふじ子氏(写真)が登壇した。 『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ(以下、デレステ)』は、「Mobage」で配信されている『アイドルマスターシンデレラ
カイヨワは20世紀フランスの思想家。社会学、哲学、文化人類学などに業績を残している。ゲームに関する議論で主に扱われるのは1958年に出版された『遊びと人間』である。カイヨワの議論の対象はフランス語における遊び"Jeux"についてであり、「ゲーム」についての議論ではない点に注意を払いたい。 定義 † 『遊びと人間』の中でカイヨワは以下の6つの要素により「遊び」を定義した 1.自由な活動 2.隔離された活動 3.未確定の活動 4.非生産的活動 5.規則(ルール)を持った活動 6.虚構の活動 それぞれの要素について簡単なコメント ↑ 1.自由な活動 † 「遊戯者が強制されないこと。もし強制されれば、遊びはたちまち魅力的な愉快な楽しみという性質を失ってしまう」(『遊びと人間』)。つまり遊びへ参加する際の自発性(内的動機)がなければ、それは遊びだとは言えない、ということを言っている。(自由度の議論と
前回の記事でゲームにおける競争の遊び(アゴン)と偶然の遊び(アレア)の役割について論じたのに引き続き、今回は模倣の遊び(ミミクリ)の役割について考察してみたい。 カイヨワの4分類と「ゲームの正体」 アゴンとアレア - 未来私考 「見立て」と「なりきり」 一口に「模倣の遊び」と言っても、その適用範囲というのはなかなか掴みづらいものがある。そこで模倣の持つ機能を「見立て」と「なりきり」の2種類に分離してみたい。 ミミクリの代表例といえるままごと遊びを想像してみると分かりやすいのだが、ままごと遊びを行うものはまず目の前の小道具、例えば泥団子や木の葉を料理や皿に「見立て」、また友達をお父さんや子供に「見立て」ることで、演者はお母さんに「なりきる」ことが出来る。まず最初に能動的に2つの事柄を同じものとして見立てることによって、自分自身があたかも何物かになりかわったように感じることが出来る、というのが
ずいぶん長いこと間が空いてしまいましたが、年が明けないうちに本論に手をつけておこうと思います。 序論:ゲームとは何か コスティキャンのゲーム論を越えて - 未来私考 ゲームの魅力を支える「娯楽の核」 - 未来私考 序論において、娯楽の核はカイヨワの遊びの概念に還元できるといった旨のことを書きましたが、カイヨワの4分類(競争、偶然、模倣、眩暈)がそれぞれどのように娯楽の核と結びついているのかについて明らかにしてみようと思います。 偶然の遊びは予測の遊び カイヨワの4分類のうち、特にゲームと結びつけて考えられている偶然(アレア)の遊び。その代表例としてサイコロ遊びやじゃんけんといったものが持ち出されるが、実のところただサイコロを振るだけ、じゃんけんをするだけでは「遊び」は発生しない。例えば組み分けや便宜的な順番付けのためだけにじゃんけんを用いた場合、そこに遊びの要素はない。しかし、例えば組み分
貴重な社内資料のお披露目も! 2016年8月24日~26日の3日間、パシフィコ横浜で開催された、日本最大級のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス“CEDEC 2016”。最終日となる本日8月26日、セッション“Street Fighter V Art Direction”が行われた。 本セッションは、発売中の『ストリートファイターV』におけるアートディレクションをテーマに、同作のアートディレクターを務めるカプコンの亀井敏征氏が登壇。亀井氏は同作を中心に、約30年間にわたってカプコンが培ってきたノウハウや当時の資料、最新技術への落とし込みなどについて、実例を交えて解説した。 本セッションは大きく分けて、“見やすさ・わかりやすさのためのアートディレクション”、“個性を引き出すためのアートディレクション”というふたつのテーマで進行した。 まず亀井氏は、『ストリートファイターV
●ゲームデザイン入門<第六版> ――1992.08.16 初版発行 ――1997.08.15 第六版第三刷発行 ――企画・編集 ざるの会 ※基本的に原文のままHTML化してあります。 はじめに オフセット版発行に当たって ミクロビデオゲーム理論 1.意義と限界 1)意義論 2)限界論 2-1)理論内の「限界」 2-2)理論自体の「限界」 2.基礎概念 1)定義 ~「ビデオゲーム」とは何か? 2)本質 ~「面白い」とはどういう事か? 2-1)刺激と快感 2-2)出力に由来する快感 2-3)パルスチャート 2-4)「考える」 ~意思決定の快感 3)難易度 3-1)定義 3-2)情報処理モデル 3-3)思考波モデル 3-4)設定 4)トータルデザイン 4-1)刺激の「質」と「量」と「配置」 4-2)刺激の逓減性 4-3)「モデリング」 4-4)回転力 ~何がサイクルを回すのか? 4-5)ゲームデ
伊藤 ガビン(いとう ガビン、本名:伊藤雅敏(いとう まさとし) 1963年4月13日 - )は、日本の編集者、ゲームデザイナー。 来歴[編集] 成城大学経済学部経済学科卒業。1985年に株式会社アスキーのパソコンホビー誌『ログイン』の「次期主力ライター募集」に応募し、編集者として採用される(同期に船田巧(現・株式会社武蔵野電波代表取締役)、青柳昌行(現・KADOKAWA常務執行役員)がいる)。1991年にアスキーを退社し、1993年にボストーク有限会社(1997年に株式会社に改組)設立。2021年3月まで女子美術大学短期大学部造形学科教授、2021年4月から京都精華大学デザイン学部メディア表現学科教授 [1]。2007年に株式会社BCCKSの設立に参加。 2016年10月から、マンガを語りたい人たちのキッカケ作りをお手伝いするサイト『マンバ通信』編集長(編集長:伊藤ガビン、編集:前田隆弘
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この記事は、Board Game Design Advent Calendar 2014 の第1日目の記事として書かれました。 こんにちは! I was game の @dbs_curry です。『ヴォーパルス』や『ダンジョン オブ マンダム』というゲームを作っています。 この記事では、ボードゲームにおけるランダム性と公平性について書きます! これらはゲームデザインにおいてとても基本的な要素であり、そんな内容をいまさら文章にしても仕方ないだろう、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でもこれらは今僕の中で非常に重要なトピックなので、この機会にまとめてみたいと思います。 なぜゲームにランダム性が必要なのか?まず、僕が作りたいと考えているのは「おもしろいゲーム」です。 僕にとってのおもしろいゲームというのは、「何度でも繰り返しプレイしたいと感じさせる」ゲームです。 プレイヤーが何度でも繰り
- 『ミリオンライブ!のイラストはなぜ売れる!? ~運営スタッフが語る、ミリオン流イラスト制作のイロハ~』 講師:「ミリオンライブ!」から、運営Aさん、運営Cさん C&R社さんで開催されたミリオンライブのデザイン塾に参加しました。 当日来れなかった方の参考になればと思い、覚え書きを共有します。 ※録音をしている訳ではなく自分用のメモなので散文的になってしまいましたが 参考程度にどうぞ。(オフィシャルなレポに期待ですね……!) - ■キャラクターの魅力ってなに? キャラクターのどこがいいのか、具体的に掴む。 どの要素をカードに込めるのか、初めにキャラの魅力を考えるのが大事。 ■ツンデレとか属性でキャラクターを考えないこと キャラクターを深く考える。生い立ち、環境、性格を掘り下げる。 例えば、伊織だったらツンデレとか属性で安易に考えないこと。 そうすることで、どんなシチュエーションでも魅力的な
『クインティ』の紹介記事にもチラリと書いた話。 『枯れた知識の水平思考』のhamatsuさんの「マリオのジャンプはなぜ優れているのか?そしてスプラトゥーンはなぜ「面白そう」なのか?」という記事で、『スーパーマリオブラザーズ』の「ジャンプ」について語られています。 <以下、引用> 「スーパーマリオブラザーズ」における「ジャンプ」というアクションは、目の前の障害物や落とし穴を乗り越えるという機能以外に、頭上のブロックを叩く、「ジャンプ」からの落下地点にいる敵キャラクターを踏んづけるという機能を持っている。だから「ジャンプ」で障害物を乗り越えた先にいる敵を踏むという複数の行為を一つのアクションの中で行うことが出来る。 一つのアクションに対して複数の機能(ファンクション)を持たせることで、プレイヤーの目の前に立ちふさがる複数の問題を一気に処理することが出来るのが「スーパーマリオブラザーズ」における
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