防衛省が南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報を情報公開請求に対して「不存在」とした問題で、日報は請求当時、陸上自衛隊のネット掲示板で組織的に利用されていたにもかかわらず、陸自幹部が「公文書にあたらない」と判断していた。28日公表された特別防衛監察の結果について、専門家は「組織的な公文書隠しだ」と批判する。 【写真特集】稲田朋美氏の軌跡 監察結果報告書によると、ジャーナリストの布施祐仁さんが昨年7月に陸自と南スーダン派遣部隊でやりとりした文書を情報公開請求した際、陸自職員は、陸自のネット掲示板「指揮システム」に現地から送られた日報が掲載されていることを確認していた。ところが、陸自中央即応集団の堀切光彦・副司令官(当時)が情報公開請求の増加を懸念して、日報は該当文書から外れるのが望ましいと判断。「日報は行政文書の体を成していない」と指摘し、職員が日報を除いた文書を部分開示することにした
南スーダン国連平和維持活動(PKO)をめぐる日報問題で引責辞任した黒江哲郎防衛事務次官の後任となった豊田硬(かたし)氏は28日、「大変な不祥事であり、国民の皆さまに深くおわびしたい」と日報問題について謝罪し、「一刻も早く信頼回復のための手を打っていきたい」と強調した。そのうえで、日報は防衛省内で一元的に10年間保存し、その後は公文書館に移管する方針を表明した。 豊田氏は、首相官邸で開かれた各府省庁の次官らによる定例会議の後、記者団の取材に答えた。今回の問題で日報の保存のずさんさが批判されたことを踏まえ、保存のあり方を見直すことにしたと説明。「国民の皆さまのご利用の期間を確保するため、相当の長期間ということで(省内での保存期間を)10年にする」と述べた。28日中に「官房長通達」を出し、省内全体に新たな保存のあり方を徹底するという。
通常国会が閉じ、官僚たちの人事の夏が到来した。総理ベッタリ記者・山口敬之元TBSワシントン支局長(51)への準強姦逮捕状を握り潰した警視庁の前刑事部長、更に総理のペットと称される内閣情報官に栄達の話が。政権と運命を共にするエリートの人生すごろく。 *** 内閣人事局が設置されたのは、2014年5月のことである。 「国家公務員の幹部人事を一元管理する内閣官房内の組織で、安倍さんが政治主導を極めるために作ったもの」 と、政治部デスク。 「局長は官房副長官の萩生田(光一)さんですが、実際は菅さん(義偉官房長官)が全部決めている。例えば、『ふるさと納税』を推進する菅さんと意見が合わなかった総務次官候補の昇格が取りやめになったことがありました。この候補については大臣も太鼓判を押していたにもかかわらずです」 ありきたりの人事に風穴を開けるとは聞こえが良いが、何のことはない。安倍一強が続く限
現職の防衛相が関与する組織的隠蔽(いんぺい)が疑われる事態に発展した南スーダン日報問題。その発端となる「日報」の情報公開を求めたジャーナリストの布施祐仁さん(40)=横浜市泉区=は「事の本質は、政治家が自衛隊を統制する『文民統制』を破綻させる深刻な問題。単に稲田朋美防衛相が辞めて済むような話ではない。国会で徹底的な調査・検証が必要だ」と指摘している。 陸上自衛隊内部の日報データの保管が明らかになった3月15日以降、稲田防衛相は国会で「報告されなかった」と答弁。同17日には「防衛省・自衛隊に隠蔽体質があったとすれば私の責任で改善したい」と語り、特別防衛監察の実施を指示した。 だがこの時点で稲田防衛相自身が陸自内部にデータが存在し、しかも防衛省幹部の意向に沿って非公表決定を了承していたことが判明。布施さんは「稲田氏は隠蔽を知りながら素知らぬふりをして、特別防衛監察を命じたことになる。時間稼
時事通信が7~10日に実施した7月の世論調査で、安倍内閣の支持率は前月比15.2ポイント減の29.9%となった。 2012年12月の第2次安倍政権発足以降、最大の下げ幅で、初めて3割を切った。不支持率も同14.7ポイント増の48.6%で最高となった。学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる問題が響いた。東京都議選で稲田朋美防衛相が、自衛隊を政治利用したと受け取られかねない失言をしたことなども影響したとみられる。 加計学園に関する安倍晋三首相の発言を信用できるかどうか聞いたところ、「信用できない」が67.3%に上り、「信用できる」の11.5%を大きく上回った。首相が説明責任を果たしているかどうかについても、「果たしていない」79.9%に対し、「果たしている」7.1%となり、首相に対する国民の不信感の高まりが浮き彫りとなった。首相の政権運営は険しいものとなりそうだ。 内閣を支持しない理
政府の国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題を巡り、日本獣医師会の蔵内勇夫会長(自民党福岡県連会長)が西日本新聞の単独インタビューに応じた。蔵内氏は、政府の国家戦略特区諮問会議が昨年11月に獣医学部新設計画の方針を決定する以前に、文部科学省に近い複数の大学関係者が「加計で決まる」と話していたと証言。「最初から『加計ありき』で話が進んでいると思わざるを得なかった」と語った。 ⇒【画像】加計学園の獣医学部新設計画を巡り、共産党が入手した文書 一連の問題について蔵内氏が報道機関の取材に応じたのは初めて。東京都議選の自民党惨敗を受け、野党は疑惑追及に攻勢を強めており、国会の閉会中審査で取り上げられる可能性がある。 加計学園が国家戦略特区の事業者として認定されたのは今年1月。政府はこれに先立ち、昨年11月9日に獣医学部新設を認める規制緩和を決めている。 インタ
「このままだと死んでしまう。助けて」。トルコ・クルド人自治区出身のV・A(46歳)さんは、充血した目、青白い顔でこう訴えた。V・Aさんは統合失調症であるにもかかわらず、難民不認定処分に対する異議申し立てが棄却されたとして、3月14日に東京入国管理局(港区)に収容された。常備薬を飲めないことと収容のストレス、体に合わない薬を飲まされ体調が急激に悪化している。 親族や弁護士によると、そもそもV・Aさんが統合失調症を発症したのは、1995年に来日した後、2000年にオーバーステイで検挙され、東京・十条と茨城・牛久の入管に2年以上収容されたことが原因だ。その後病院に入院したが、薬が合わず苦しんだ。05年にはトルコに帰国したものの、クルド人を取り巻く環境の悪化から、再び13年12月に日本を訪れた。14年10月に一時的に収容を解かれる仮放免となった後は、トルコ帰国時から飲み始めた薬を服用し、体調は比
安倍晋三首相にとって40年来の「腹心の友」加計学園理事長・加計孝太郎氏が代表を務める自民党岡山県自治振興支部の所在地は、「岡山市北区学南町(番地省略)」と届けられている。 本誌記者がその住所を訪ねると、3階建て校舎が建ち「英数学館 岡山校」の看板が掲げられていた。加計グループの学校法人・英数学館(理事長は加計氏)が経営する通信制高校・並木学院高校の岡山校である。この番地に他の建物はない。 学校法人の理事長である加計氏が自民党支部の代表を務めていることは違法ではない。安倍首相側近の世耕弘成・経産相も参院議員と近畿大学理事長を兼ねていたことがある。しかし、学校の運営と政治活動は厳密に分けなければならない。教育基本法(14条2)では、こう定められている。
学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題で、自民党の竹下亘と民進党の山井和則の両国会対策委員長が16日、国会内で会談した。山井氏が国会の閉会中審査を利用して衆院予算委員会で集中審議を実施するよう求めたが、竹下氏は応じない考えを伝えた。 山井氏は、文部科学省の再調査で明るみに出たメールで、獣医学部の事業者選定の要件を指示したと名指しされた萩生田光一官房副長官と、国家戦略特区制度を担当する内閣府の藤原豊審議官の証人喚問を求めた。竹下氏は「両氏がどう問題なのか、詳しいことが分からないので持ち帰って検討する」と答えた。 竹下氏は会談後、報道陣に同日の参院予算委員会での集中審議について、「まさにワイドショーのレベルをまったく脱していない」と述べたうえで、「だからこれは(新たな集中審議は)もう必要ないなという感想を持った」と話した。
準強姦容疑で逮捕寸前だった安倍総理ベッタリ記者こと山口敬之・元TBSワシントン支局長。その事実を本誌(「週刊新潮」)が報じて1カ月。ここにきて、家賃は月130万円、部屋の真下にスパ&プール……彼がそんな金満ご用達レジデンスの住人という話が聞こえてきたのだ。 *** 「私は2年前、レイプの被害に遭いました」 去る5月29日17時、詩織さん(28)が検察審査会に審査を申し立て、顔出し実名会見をした反響はすこぶる大きかった。 当初は報道を渋っていたメディアも、今月2日の衆議院における民進党議員による質問を受け、堰を切ったようにこの問題を報じ始めた。更に、ドイツ通信社などの外国メディアが彼女への取材を進めているという。 山口敬之・元TBSワシントン支局長(51)に出されていた準強姦容疑での逮捕状。それが執行直前に、よりにもよって当時の警視庁刑事部長・中村格(いたる)氏によって握り潰された
日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で放射性物質が飛散して作業員5人が被ばくした事故で、肺から2万2000ベクレルのプルトニウム239が検出された50代の男性職員について、同機構が男性の体内に取り込まれた放射性物質の総量を36万ベクレルと推計していることが8日、分かった。同機構などはさらに詳細な被ばく状況を調べている。 【図解】どうやって事故は起きたのか? 原子力機構によると、男性職員の肺の被ばく値から、血液や骨、臓器など体全体に取り込まれた放射性物資の総量を算出し、36万ベクレルと推定した。この数値は1年間で1.2シーベルト、50年間で12シーベルトの内部被ばくを見込む根拠になったという。 5人は燃料研究棟の分析室で核物質の点検中、ステンレス製容器を開けた際に中に入っていたビニール袋が破裂し、粉末状の放射性物質が飛散。男性職員を含めて4人が放射性物質であるプル
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