<「国境なき医師団」(MSF)を取材する いとうせいこうさんは、ハイチ、ギリシャ、マニラで現場の声を聞き、今度はウガンダを訪れた> これまでの記事:「いとうせいこう、『国境なき医師団』を見に行く 」 前回の記事:「家族でなかった者たちが作る家族──ウガンダの難民キャンプにて 」 入院病棟をさらに ビッキー・ジョジョたちに別れを告げて、俺たちはさらに入院病棟を見て回った。 14歳以下の児童に割り当てられた部屋には10床ほどベッドがあり、その幾つかに母親と子供がいた。中には床に敷いたゴザに座っている親子もいて、そちらの方が落ち着くのだろうと思われた。 喘息、栄養失調、感染症などなど、子供たちを襲うものは多々あった。しかも難民だけでなく、そこにはビディビディ居住区の近隣住民の子供たちも収容されているとのことだった。 患者たちには1日3食、『国境なき医師団(MSF)』から食事が提供されていた。他に