【モスクワ=副島英樹】天気予報をはずしたら処罰――。自然災害などへの対応を所管するロシア緊急事態省のショイグ大臣が3日、上院での活動報告で「予報が間違ったら責任を取る必要がある」と発言、気象庁のビリファンド長官が「罰金も刑務所も予報の不正確さは防げない」と反論する事態になっている。 イタル・タス通信によると、ショイグ氏は「緊急活動は空でも海でも正確な予報にかかっている。商品を売って金をもらうなら商品の質には責任を持つものだ」とも述べた。これに対しビリファンド氏は翌4日、「絶対的に正確な予報など100万年後でもないだろう。処罰などしたら天気予報士のなり手がなくなってしまう」などと反論した。 ショイグ氏は2004年、春の増水の際に天気予報の誤りで十分な対策がとれずに批判を浴び、その時も気象予報士に罰金を科す提案をした経緯がある。気象予報に深い「遺恨」があるようだ。