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ブックマーク / srad.jp/~yasuoka (261)

  • 昭和24年度の学参書体 | yasuokaの日記 | スラド

    「遡」や「謎」の学参書体をどう設計すべきか、という問題のヒントを得るべく、昭和24年度の小学校國語教科書をざっとチェックしてみた。これらの教科書が文部省検査を受けた時点では、当用漢字字体表は答申こそされていたものの、まだ内閣告示には至っていなかったからだ。 チェックの結果、しんにゅうは全て楷書風の1点しんにゅうで印刷されていた。「歯」や「黄」が新字体で、「國」や「晴」が旧字体で印刷されていることを考えると、それらとは別のロジックで、楷書のしんにゅうは1点にすべきだ、という考え方が既に浸透していたということだろう。ただ、ショッキングなことに、草かんむりは全て4画だった。当用漢字表の草かんむりとは、また別のロジックが働いていたということだ。 ちなみに昭和25年度の小学校国語教科書では、「国」や「晴」は新字体になっていて、草かんむりは3画に変更されている。一方、しんにゅうは1点のグネグネした楷書

  • IPAmj明朝の「𣊀」 | yasuokaの日記 | スラド

    IPAmj明朝の正式版をチェックしていたところ、MJ037769がU+2326A(𣉪)に収録されているのはおかしいのではないか、との御意見をいただいた。この字形であればU+23280(𣊀)の方がふさわしいはずだ、というのだ。言われてみれば確かにそのとおりだ。 しかも、この字形は、戸籍統一文字159260を真似たものだから、字形を変更するわけにはいかず、収録するUCSの方を変更するしかない。でも、そうすると、IPAmj明朝でU+2326Aに対応する字形がなくなっちゃうんだけど、そういうの大丈夫なのかしら?

  • yasuokaの日記: 文字情報基盤の「攝」

    文字情報基盤の文字情報一覧Ver.001.01をチェックしていたところ、第13分冊の「攝」まわりが、かなりおかしなことになっているのに気づいた。MJ012918・MJ012919・MJ012920・MJ012921の4つが収録されているのだが、これらのうちMJ012918が「人名用漢字」になっているのだ。でも、法務省の人名用漢字に収録されているのは、むしろMJ012919だったりする。また、戸籍統一文字146030がMJ012918と対応づけられているが、これもむしろMJ012919の方が近い。うーむ、さて、どうしたものか…。

  • IPAmj明朝の「僩」 | yasuokaの日記 | スラド

    IPAmj明朝の正式版をチェックしていたところ、「僩」(U+50E9)のMJ007098に、とんでもない字形が入っているのに気付いた。これはどう見ても「僴」(U+50F4)に入れるべき字形だ。まさかと思って、MJ007114を見てみると、結果的にU+50E9とU+50F4に同じ字形が入ってしまっている。うーむ、これはMJ007098を作り直すしかないと思うんだけど…。

  • IPAmj明朝の「壓」 | yasuokaの日記 | スラド

    IPAmj明朝の正式版には「壓」が2つ収録されている。MJ009352とMJ009353がそうなのだが、これがどうも見分けがつかない。来これらは、住基統一文字の58D3とAF9Dに、それぞれ対応しているので、がんだれに短長の差があるはずなのだ。その意味では、MJ009352のがんだれは下に長過ぎる。作り分けるのを忘れたのかしら?

  • IPAmj明朝の「㺬」と「𤣲」 | yasuokaの日記 | スラド

    IPAmj明朝の正式版をチェックしていたところ、MJ002484の字形が気になった。文字情報一覧表Ver.001.01の第3分冊によれば、MJ002484は戸籍統一文字233770を元にしていて、「㺬」(U+3EAC)と対応しているはずなのだ。しかし、MJ002484の字形は、どう見ても「𤣲」(U+248F2)で、「㺬」とは違う。うーん、字形を直すべきなのか、UCSとの対応を直すべきなのか…。

  • IPAmj明朝の「𦴼」 | yasuokaの日記 | スラド

    一昨日発表されたIPAmj明朝フォントの正式版をチェックしていたところ、MJ046654の草かんむりが気になった。これ、住基統一文字のBA11がもとになってるはずなのに、どうして草かんむりが4画なんだろ。作りそこないかしら? と、思ってさらにチェックしていくと、MJ004131も草かんむりが変。これだと、MJ004132と同じになっちゃう。さて、どうしよう…。

  • Re: IPAmj明朝の「えんにょう」 | yasuokaの日記 | スラド

    昨日発表されたIPAmj明朝フォントの正式版を、ざっとチェックしてみた。とりあえず、以前に指摘した「えんにょう」の問題は、だいたい解決しており、たとえばMJ011110とMJ011111は、ちゃんと起筆(筆押さえ)の有無で見分けがつくようになっている。 だとすると、MJ035473の「えんにょう」に起筆がないのは、正直いただけない。というのも、この字のもととなった住基統一文字AAE3でも戸籍統一文字108220でも「えんにょう」には起筆があるからだ。「えんにょう」の起筆の有無をデザインし分けるのなら、MJ035473にはあえて起筆をつけるべきだ、ということになる。さて、このあたり、どうするべきなんでしょ?

  • 「慎」「龍」「真」「直」のデザイン差 | yasuokaの日記 | スラド

    明日(10月19日)共立女子学園で開催される全国連合戸籍住民基台帳事務協議会第64回総会合同研修会に、香川県から以下の要望が提出されるという連絡を受けた。 戸籍使用可能文字のデザイン差である文字の使用の統一を希望する。 戸籍・住基においてもコンピュータ化が進み,人名用漢字の取扱いもしやすくなっているが,出生届時において戸籍法施行規則第60条で規定する範囲の文字で受理しようとしてもデザイン差のある文字を指定される場合がある。 また,デザイン差の文字のほうが日常的に使用されているため,正字がコンピュータに登録されておらず,デザイン差の文字が登録されている場合が多々ある。 例えば「慎」,「龍」,「真」,「直」等である。文字としては同じであるとしても戸籍に記載されるため,親にとっては重要である。自治体が使用する戸籍システムが異なるため,デザイン差のある文字あるいは正字が登録されていないところもあ

  • 「异体字の昿埜」終了 | yasuokaの日記 | スラド

    异体字の昿埜が無事おわった。とりあえず、各回のUSTREAMと当日のハンドアウトPDFにリンクしておくことにする。 USTREAM: (1) (2) (3) (4) PDF: (1) (2) (3) (4) 四夜を通して見て「しまった」と思うのは、1981年の常用漢字告示にまつわる人名用漢字の狂騒を話し忘れていることだ。うーむ、まあ、どの夜もストーリー上これを入れるのは難しいので、『新しい常用漢字と人名用漢字』を読んでもらうことにしよう。あと、喋っている時の安岡孝一は、どうも全体にテンションが高すぎる。というか、かなりアブナイ。聴衆の方々に、かなり負担を強いている気がする。それでも懲りずに来てくださった皆様、ありがとうございます。

    works014
    works014 2011/10/09
    _「喋っている時の安岡孝一は、どうも全体にテンションが高すぎる」…氏曰くライヴ感覚…
  • 明治時代のキラキラネーム | yasuokaの日記 | スラド

    宮武外骨の『奇態流行史』(半狂堂、大正11年7月)を読んでいたところ、「讀めない字の名」(p.96)の以下の部分が気になった。 果は康煕字典や玉篇などから、人々の讀めない字を撰り出し、それを我子の名に付けて、お父さんは學者であつたらしいと、後の人にも評されやうといふツモリで、普通の字引にも活字にもない難字を用ゐる事がはやり、それが明治三十年前後には最も甚だしく行はれた

    works014
    works014 2011/07/29
    _「他の10字を含む明治時代の人名をご存知の方は、是非、私まで教えてほしい」
  • 赤ちゃんの名づけ本での「龍」 | yasuokaの日記 | スラド

    Yahoo知恵袋のこの質問が気になったので、とりあえず『赤ちゃんのしあわせ名づけ』(ベネッセ、2011年2月)をチェックしてみた。「龍」はもちろん掲載されているのだが、左上の第1画が「丨」だった。人名用漢字の「龍」は左上の第1画が「一」なので、『赤ちゃんのしあわせ名づけ』は、微妙に異なる字体を子供の名づけに推奨しているわけだ。 では、他のはどうだろう、と、『赤ちゃんの幸せ名づけ事典』(ナツメ社、2011年2月)、『未来にはばたく赤ちゃんの名づけ事典』(永岡書店、2011年3月)、『幸せを呼ぶ赤ちゃんの名づけ大事典』(成美堂出版、2011年6月)もチェックしてみたが、どれもこれも、ことごとく「龍」の第1画は「丨」だった。「辻」はちゃんと2点しんにょうになっているのに、どうして「龍」はちゃんと印刷しないんだろう?

  • 2004年8月以前生まれの「凛」ちゃん | yasuokaの日記 | スラド

    『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂、2011年3月)の読者から、青木人志の「悪魔とマンハッタン」(『法学セミナー』No.670 (2010年10月)、pp.014-017)を読んでみてほしい、と連絡をいただいた。読んでみたところ、「悪魔ちゃん命名事件」の解釈については特に異論はなかったが、その前のマクラの部分に妙なことが書かれていた。 私の身内に「隼一」、「駿」、「洸介」という3兄弟がいる。また、教え子のお嬢さんに「凛」ちゃん、年長の同僚に「彪」さんがいる。じつは、この5人の名は、いずれも戸籍法施行直後には使用が認められていなかった漢字を含んでいる。「隼」が人名用漢字のリストに入れられたのは1976年、「駿」と「洸」は1981年、「凛」と「彪」が認められるようになったのは1990年のことである。1948年から1990年までの40年以上の間、凛ちゃんも彪君も誕生しなかったはずなので、わが

  • 汎用電子のIVS登録第2弾 | yasuokaの日記 | スラド

    PRI 187の公開レビューが無事はじまった、との連絡をいただいた。Hanyo-DenshiのIVS登録第2弾にあたるもので、9078字を追加提案したものだ。しかも今回は、戸籍統一文字や住民基台帳ネットワークシステム統一文字に加え、登記統一文字までIVS提案しているので、かなりアナーキーなことになっている。これから3ヶ月間の公開レビューの後、再チェックをおこなってIVDに追加される予定である。 ただ、今回ややこしいのは、このPRI 187が、PRI 184やPRI 183と並行して進んでしまっていることだ。この結果、たとえばU+2B751には、cid13866とIB0623とJTAE48の3つがIVS提案されている。これらのうち、どの2つが同じで、どの2つが違っているかなんて、正直なところ私(安岡孝一)ですらわからない。平成明朝IB0623が住基文字C0E2のデザインを十分反映しきれてい

  • IPAmj明朝とCJK Extension D | yasuokaの日記 | スラド

    IPAmj明朝Ver.000.01には、CJK Extension Dに対応するグリフがかなり含まれているのだが、現時点ではそれらにUnicodeが振られていない。そこで、文字情報一覧をたよりに、ざっと振ってみることにした。 MJ056880 - U+2B740(𫝀) MJ056830 - U+2B741(𫝁) MJ057546 - U+2B742(𫝂) MJ058020 - U+2B743(𫝃) MJ056855 - U+2B744(𫝄) MJ056909 - U+2B745(𫝅) MJ056904 - U+2B746(𫝆) MJ057148 - U+2B747(𫝇) MJ056929 - U+2B749(𫝉) MJ007022 - U+2B74A(𫝊) MJ056984 - U+2B74C(𫝌) MJ057382 - U+2B74D(𫝍) MJ057052 -

  • 互換漢字とJTC1/SC2/WG2 N1698とIVS | yasuokaの日記 | スラド

    住基統一文字FA20に対する新規IVSには、「U+8612 U+E0105」と「U+FA20 U+E0100」の両方を要求する。 に対し、互換漢字「蘒」(U+FA20)はIVSの基底文字になれない、とのコメントをいただいた。だったら、IVSの基底文字に互換漢字を許すようにするか、さもなくばU+FA20を互換漢字から統合漢字に格上げすればいいと思う。そもそも、互換漢字の中で特別扱いされてる12字にしたところで、JTC1/SC2/WG2 N1698 (March 2, 1998)の Among these compatibility characters, CJK ideographs have been encoded to either represent duplicates of characters already encoded in the main CJK Unified Id

  • IPAmj明朝の「えんにょう」 | yasuokaの日記 | スラド

    文字情報一覧表で、IPAmj明朝Ver.000.01の各グリフをチェックしていたのだが、やはり「えんにょう」の周辺がかなりまずい。第12分冊のMJ011110とMJ011111のように、全く同じグリフが2つずつ収録されてしまっている。これらは来、「えんにょう」の筆押さえの有無を別々のグリフとして収録すべきところ、筆押さえをあえて全て無くしてしまったために、こういう訳のわからないことになってしまったのだ。 もちろん、IPA側にも言い分はあって、これらの筆押さえを無くしたのは、平成20年度『汎用電子情報交換環境整備プログラム成果報告書』のデザインコンセプトに合わせた、ということだ。ただ、そうであれば、たとえば戸籍統一文字の108280と108310を見分ける方法は、もはや残されていないのだから、これらに別々のグリフID(MJ011110とMJ011111)を割り当てるということ自体ナンセンス

  • Adobe-Japan1とHanyo-Denshiの落とし所 | yasuokaの日記 | スラド

    一昨日と昨日の日記で書いた、既存のIVSに対する新たなグリフの追加だが、この問題に対する落とし所はあるのか。ここのブログにコメントしたり、赤いメガネのおねえさんに首をかしげられたりしながら、私(安岡孝一)なりに多少考えてみた。 日が「U+6B21 U+E0103」に対し、現状の平成明朝JA2801に加えて、戸籍統一文字181670のグリフを追加しようとした場合を考えてみよう。この追加提案に対し、UnicodeとAdobeは共同して、「U+6B21 U+E0103」ではなく、「U+6B21 U+E0102」に181670のグリフを追加するよう「強く推奨」するだろう。また一方で、AdobeはCID+2253のグリフを「U+6B21 U+E0103」に追加するよう日に要請する。たぶん、CID+13799のグリフを「U+6B21 U+E0104」に追加要請もするだろう。というか、私の知っている

  • PRI 184に対するカウンターアクション | yasuokaの日記 | スラド

    ではPRI 184が通った後、日として取れるカウンターアクションはないのか、と、昨日の日記の読者から、懇願にも似た質問を受けた。あるにはあるが、それは非常に嫌われるアクションだ。 1つは、Hanyo-Denshiの既存IVSに新たなグリフを追加する、というアクションだ。たとえば、「U+6B21 U+E0103」に対し、現状の平成明朝JA2801グリフに加えて、戸籍統一文字181670のグリフを追加する。つまり、CIDが追加されそうなHanyo-DenshiのIVSに対して、先手を打って日国内の別のグリフを追加してしまうのだ。かなり効果的なアクションだが、国際的には嫌われること、この上ないだろう。 もう1つは、Hanyo-Denshiの追加要求の際に、単一のグリフに対し複数のIVSを要求する、というアクションだ。たとえば、住基統一文字FA20に対する新規IVSには、「U+8612 U+E

  • 多対多のIVS | yasuokaの日記 | スラド

    「Unicode のIVSがもたらすメリットとデメリット」の読者から、PRI 184をこのままにしておいていいのか、と、お叱りの言葉をいただいた。1つのIVSに複数のグリフを並べられる、という点で結構スリリングな改正案だが、案そのものに瑕疵があるわけではないので、もはや止めるのは無理だと思う。で、この改正案が通ったあとのKen Lundeのアクションだが、大きく2つが考えられる。 1つは、Adobe-Japan1の各CIDを、Hanyo-DenshiのIVSに重複して割り当てるというアクションだ。たとえば、CID+2253は現在「U+6B21 U+E0100」に割り当てられているが、これを「U+6B21 U+E0103」にも重複して割り当てる。これにより、「混乱」したAdobe-Japan1とHanyo-Denshiの関係を、ある程度スッキリさせることができる。 もう1つは、Hanyo-D