「映画のようなゲームはいらない。」 映画のようなゲームなど、最初から1つも無かったのである。 興味を持って観に来た人を2時間飽きさせないようなゲーム。 2時間という枠の中に幾つもの山と見せ場が絶え間なく続くゲーム。 そんなもの、噂すら聞いたことがない。有名な題材を引っ張ってきて最初の90分と次の日からの30分を面白く遊べるようにするという、最近の海外家庭用ゲームの方向性は比較的それに近いのかもしれない。それでもやはり、まだ遠い。映画のようなゲームなど、そもそも無かったし、これから先も存在し得ないだろうと思う。 けれども映画のようなゲームが好きだ。映画のようなゲームがしたい。 「映画のような」という言葉の意味は、「2時間という枠の中に幾つもの山と見せ場が絶え間なく続く」というものだけではない。名声を得ている映画の幾つかには、「スクリーンに映される全ての部位への情熱」という共通項がある。それど